Google「AI Mode」を活かす5つの術 ― Webサイト運用側が今すぐできること
GoogleはGemini 2.5を活用した「AI Mode」を、既存の英語対応に加えて、新たに日本語・ヒンディー語・インドネシア語・韓国語・ポルトガル語(ブラジル)へと拡張しました。これにより、日本を含む主要市場の検索体験は大きな転換点を迎えています。
AI Modeとは?
従来の検索はリンクの一覧が並び、ユーザーが複数のサイトを巡って答えを探す仕組みでした。一方でAI Modeは、GoogleのGemini AIが複数の情報源を横断的に分析し、要約と出典リンクをその場で提示します。さらに、ユーザーは質問を重ねて深掘りできるため、検索は「リンクを選ぶ行為」から「AIに依頼し、答えをその場で受け取る」へと変わります。
Googleが示す具体例としては、
「京都駅出発で6泊7日の旅行プランを立てて。伝統工芸とか歴史的な場所を巡るアクティビティ中心のプランで、ディナーでおすすめのレストランも入れて。」
と尋ねれば、AI Modeが旅程を組み立て、レストラン候補まで提示してくれるというものがあります。単なる検索を超え、「AIに依頼し、答えをその場で受け取る」体験を象徴する事例です。
1. FAQ戦略 ― 顧客の疑問に即答する企業へ
AI Modeは「質問と回答」を直接拾います。つまり、FAQを整備していない企業は、顧客接点をAIに奪われるリスクがあります。ENVY DESIGNでも「よくある質問」をQ&A形式で整理し、AIに引用されやすい形への整備を進めています。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "制作期間はどのくらいですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "通常2〜3か月で納品可能です。案件の内容によって変動します。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "対応できるCMSは?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "WordPressを中心に、ShopifyなどのECサイト構築にも対応しています。"
}
}
]
}
</script>
2. HowTo戦略 ― 手順や方法を見える化する
「やり方」「導入手順」は検索で最も多いニーズの一つ。これを分かりやすく整理していれば、AIが引用し、顧客との最初の接点になります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "HowTo",
"name": "Webサイト制作の流れ",
"step": [
{
"@type": "HowToStep",
"name": "お問い合わせ",
"text": "お問い合わせフォームからご相談ください。"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "ヒアリング",
"text": "目的や要件をヒアリングし、最適なプランをご提案します。"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "デザイン提案",
"text": "初稿デザインをご提出し、フィードバックを反映します。"
},
{
"@type": "HowToStep",
"name": "制作・納品",
"text": "実装・テストを経て、2〜3か月程度で納品いたします。"
}
]
}
</script>
3. Product戦略 ― 比較される前提で情報を出す
AI Modeは「比較」に強みを持ちます。価格・仕様・レビューといった情報を公開していないと、AIが参照せず、競合だけが引用される可能性があります。ENVY DESIGNではWeb制作パッケージの情報を整理し、比較検討に必要な情報を正しく提示しています。“隠す”より“正しく出す”ことが、今後の集客競争の前提になります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org/",
"@type": "Product",
"name": "Webサイト制作パッケージ",
"description": "中小企業向けのWordPressサイト制作。デザインから開発、公開まで一貫して対応します。",
"brand": {
"@type": "Brand",
"name": "ENVY DESIGN"
},
"offers": {
"@type": "Offer",
"url": "https://envydesign.jp/price/",
"priceCurrency": "JPY",
"price": "500000",
"priceValidUntil": "2027-01-01",
"availability": "https://schema.org/InStock"
}
}
</script>
4. 信頼性戦略 ― 誰が語るのかを明確にする
AIは信頼できる情報源を優先します。ホームページの運営者にとって重要なのは、
- 著者や企業の実績をきちんと示す
- 情報を定期的に更新する
- 公的機関や一次情報と積極的にリンクする
こうした「信頼の設計」が、これからの集客力に直結します。
特に著者情報の明示は、AI検索時代のE-E-A-T対策として即効性が高い施策です。Personスキーマでの著者明示について、実写と似顔絵アイコンどちらが適切かをAIでの検証を交えて整理した記事「Personスキーマに顔写真は必須か|中小企業向け実証と指針」もあわせてご参照ください。
5. AEO戦略 ― SEOからAEOへ
従来のSEOは「検索順位で目立つこと」が目的でした。これからはAEO(Answer Engine Optimization)=「AIに選ばれ、引用されること」が目的に変わります。
つまり運用側が下すべき判断は、
- SEOの延長線に投資し続けるのか
- AEOを意識した新しい設計にシフトするのか
の選択です。後者を早期に実行した企業は、先行者メリットを得やすいと考えられます。
どのくらいで実装されるのか
GoogleはI/O 2025でAI Modeを「数週間以内に提供開始」と発表し※1、2025年8月下旬には日本でも展開が始まっています※2。さらに9月には、日本語を含む5言語への対応が報じられました※3。
その後の普及は速く、2026年5月のI/O 2026時点で、GoogleはAI Modeが月間10億ユーザー規模に達したと発表しています(Google公式ブログ・I/O 2026)。日本でも2026年には個人向け機能の提供が始まるなど、一般の検索利用者が日常的に触れる段階に入りました。もはや「備える」段階ではなく、「すでに使われている前提でサイトを設計する」段階に移っていると考えられます。
実測データ:この記事自身が受けている影響
理論だけでなく、実際にこの記事自身がどのような検索パフォーマンスをたどったのかを、Search Console(GSC)の実測データで公開します。
月別の推移(2025-09〜2026-04)
| 月 | インプレッション | クリック | CTR | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| 2025-09 | 197 | 7 | 3.55% | 12.26位 |
| 2025-10 | 359 | 11 | 3.06% | 10.37位 |
| 2025-11 | 532 | 6 | 1.13% | 8.18位 |
| 2025-12 | 465 | 3 | 0.65% | 8.36位 |
| 2026-01 | 634 | 2 | 0.32% | 8.41位 |
| 2026-02 | 717 | 1 | 0.14% | 8.89位 |
| 2026-03 | 292 | 0 | 0.00% | 8.35位 |
| 2026-04(4/15時点) | 121 | 1 | 0.83% | 5.87位 |
| 合計 | 3,317 | 31 | 0.93% | — |
観察される不思議な現象
- インプレッションは約3倍に増加(197→717)
- 平均掲載順位は改善(12.26位→8位台→5.87位)
- それなのにCTRは96%減少(3.55%→0.14%)
- 累計CTR 0.93%——本記事内で紹介した「AI検索のクリック率は1%以下」という水準と、期せずして一致
通常、掲載順位が上がればクリック率も比例して上昇するのが従来SEOの常識です。しかしこの記事では、順位は改善しているのにクリックは減っています。
考えられる複数の要因
単一の原因ではなく、以下のような複数要因が重なっている可能性があります。
- 検索意図のミスマッチ:TOPクエリを見ると「aiモード サイト」「ai mode 採用」など、この記事の主題(AI Mode時代のWebサイト運用対策)とは異なる意図の検索で表示されているケースが増えています。順位が上がってもクリックされないのは、そもそも検索者が求めている情報と記事内容がズレているためと考えられます。
- AI Overview / AI Modeによるクリック吸収:8位前後の掲載位置はAI Overviewのあるページでクリックが奪われやすい帯。記事本文で論じた現象が、記事自身にも起きている可能性があります。
- 競合の参入:2025-09時点では「AI Mode」解説記事が少なく、順位が浮上しやすい環境でした。時間が経つにつれて大手メディアや他社が同テーマを扱うようになり、同じ順位でもクリックが分散しやすくなっている可能性があります。
- スニペットで完結する情報構造:タイトルやメタディスクリプションで「5つの術」と書いているため、スニペットで概要を把握して満足する読者が増えた可能性もあります。
- インプレッション計測の仕様:AI Overviewに引用される場合もインプレッションとしてカウントされている可能性があり、「表示されたがAIが答えたのでクリック不要」というケースがCTR低下の一因になっているかもしれません。
どの要因がどの程度寄与しているかを厳密に切り分けるのは難しいのが正直なところです。ただ、「順位を上げればクリックが増える」という従来SEOの常識が崩れつつあるのは、このデータから明確に読み取れます。
この記事から言えること
皮肉なことに、AI Mode時代への備えを論じた本記事自身が、AI Mode時代の影響を受けている実例となっています。単純化はできませんが、順位やインプレッションだけをKPIにしていた時代は終わりつつあるかもしれません。「引用されること」「ブランドとして認知されること」を流入以外の価値として捉える設計が、今後ますます重要になると感じています。
AI検索対策で実際に成果を出した事例はAI検索からの流入を約3倍にした12ヶ月の施策記録で公開しています。あわせてご覧ください。
2026年5月のI/O 2026では、AI Overviewから会話を続けられる検索ボックスや、背景で動く情報エージェントの世界展開も始まりました。あわせて、AIの回答の各論点の横にリンクを示すインラインリンクや、リンク先のサイトプレビューなど、外部サイトへの動線を強める更新も入っています。これからは「AIに引用されること」と「そこからクリックされること」の両方を意識した設計が、次の論点になると考えられます。
AI Modeと、検索結果の上部に自動表示されるAI Overviewsは、同じGoogleでも表示のされ方も引用元も異なります。両者の違いは、AI OverviewsとAI Modeの違いで整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q. AI Modeとは何ですか?
AI ModeはGoogleがGemini AIを活用して提供する検索体験で、複数の情報源を横断的に分析し、要約と出典リンクをその場で提示する仕組みです。ユーザーは質問を重ねて深掘りでき、検索が「リンクを選ぶ行為」から「AIに尋ねて答えを受け取る行為」へと変化します。2025年に日本語を含む多言語へ展開され、2026年5月には月間10億ユーザー規模に拡大したとGoogleが発表しています。
Q. AI Mode時代に企業がまず取り組むべきことは何ですか?
FAQの整備が取り組みやすい施策の一つと考えられます。AI Modeは質問と回答を直接拾うため、顧客のよくある疑問をQ&A形式で整理しておくと、AIに引用されて顧客接点になる可能性があります。あわせて、手順を示すHowTo、比較情報の提示、著者や運営者情報の明示なども有効だと考えられます。
Q. SEOとAEOは何が違うのですか?
SEOは検索順位で上位に表示されることを目的とする施策で、AEO(Answer Engine Optimization)はAIの回答に選ばれ引用されることを目的とします。AI Modeの普及により、従来のSEOの延長だけでなく、AIに引用されやすい構造化や情報設計を意識したAEOへのシフトが今後の論点になると考えられます。
Q. AI Modeはいつ頃から本格化しますか?
GoogleはI/O 2025でAI Modeの提供開始を発表し、2025年8月下旬には日本でも展開が始まりました。9月には日本語を含む5言語への対応が報じられています。2025年内には主要市場で一般化する見込みと考えられ、対応を待つ段階から備える段階に入っていると言えます。
まとめ ― 今から対応できることが未来を左右する
AI Modeは、これまでの検索集客の前提を根本から変えます。
- FAQ・HowTo・Productの整備は「AIに選ばれるための最低条件」
- 信頼性を担保する仕組みは「サイトブランドの基盤」
- SEOからAEOへの転換は「競合との分水嶺」
これらを今から対応するかどうかで、これからの集客力に大きな差がついてくるかもしれません。
引用元
- ※1 The Verge「Google I/O 2025: Gemini-powered AI Mode in search to roll out in weeks」(2025年5月)
- ※2 日経クロステック「Google、AIモードを日本で開始」(2025年8月21日)
- ※3 The Verge「Gemini app expands to audio and new languages」(2025年9月9日)、Times of India「Google AI Mode to be soon available in five more languages」(2025年9月9日)
AI検索の実績データはAI検索からの流入を約3倍にした12ヶ月の施策記録で公開しています。SEO・AIO対策のご相談はSEO対策コンサルティングへ。AIO・GEO・LLMO・生成AI SEOの違いはAIO・GEO・LLMO・生成AI SEOの違いとは?で整理しています。
AI検索時代のロングテールKW戦略についてはAI検索時代にロングテールキーワードが生む新しい検索体験もあわせてご覧ください。ENVY DESIGNのAI活用についてはホームページ制作でAIはどのように活用していますか?もご覧ください。
Google AI Modeを含むAI検索全般への最適化をワンストップで進めるなら、AIO・GEO対策(AI検索最適化)サービスでご支援しています。
出典
- Schema.org(構造化データの公式仕様)
- Google Search Central(検索・構造化データの公式情報)
- Web Vitals(Core Web Vitalsの公式定義)
- Google検索公式ブログ(AI Overview等の発表情報)