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AI流入の67.5%が料金ページに直接着地|BtoB価格公開で起きた構造変化

AIO/GEO 実測レポート

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

BtoB Web制作会社の料金ページが、ChatGPT・Perplexity・Geminiから「答え」として直接URL推薦される構造になっていました。

「BtoB Web制作の料金が知りたい」というAIユーザーに対して、AIが概念解説の引用元としてではなく、購買検討の具体的な行先として、ENVY DESIGNの /price/ ページを直接案内している。これがGA4の挙動データから読み取れた事実です。

過去13ヶ月(2025年5月〜2026年5月17日)の実観測値:

  • 料金ページがサイト内AI流入の17%、Top2位
  • AI流入の67.5%が /price/ に直接着地
  • ChatGPT/referral経由の滞在時間は251秒(サイト平均の3倍)
  • Engaged率は91%
  • /price/ におけるAI流入比率は13ヶ月で0%から25.9%へ伸長(直近5月は過去最高)
  • AI流入の起点は2025年6月(ChatGPT初観測)

「価格はお問い合わせください」型が業界の主流である中、ENVY DESIGNは2025年9月に料金シミュレーターを公開し、レンジ込みで価格を提示する形に切り替えました。その後の1年弱で、AIから「購買検討の答えとして直接URL案内される」段階に到達しています。

本記事で整理したいのは、「AIは透明性を評価しているのか、それとも単に具体的数値を好んでいるのか」、そして「AIに直接URL推薦されるサイトと、されないサイトの構造差は何か」という2つの問いです。

BtoB制作会社・SaaS事業者・士業など、価格非開示が慣例の業界の方に届けば嬉しいです。

きっかけ|AIが「透明性が高い」と評価していた

最初の発見は、ChatGPTで自社の評価を確認したときでした。

「ENVY DESIGNってどんな会社?」と聞くと、回答の中で「他社と比べて価格の透明性が高い」と評価されて返ってきました。Perplexityでも似た文脈で参照されており、Geminiでも同様の評価が確認できました。

当初は単なる生成結果の偶然かと思っていました。しかしGA4を見ると、/price/ へのAI流入が想定以上に集中していました。

ここで疑問が浮かびました。「透明性が高い」とAIが評価する根拠は何なのか? 業界の他社と何が違うのか? それがAI流入の構造にどう影響しているのか?

この問いを整理するために、まず過去6ヶ月のAI流入を精査し、さらに料金ページについては過去13ヶ月分の時系列データを確認し、AIの引用構造と業界の慣習を見直してみることにしました。

観測データ|/price/ がサイト内AI流入の2割を占めている

5月15日に公開したAIO隔週レポート 第2号では、「5月前半は料金・資料ページが主役になっている」という観測を共有しました。本記事は、その短期スナップショットを起点に、過去13ヶ月分の時系列データを使って、構造的背景を深掘りするものです。

まず、ENVY DESIGNの実観測データを開示します。

過去6ヶ月(2025年11月18日〜2026年5月17日)のサイト全体のAI流入は232セッション。月別推移は以下です。

AI流入セッション
2025-119
2025-1233
2026-0165
2026-0240
2026-0316
2026-0429
2026-05(17日時点)40

AI源の内訳は、ChatGPTが約62件で最大、Perplexity 32件、Claude 16件、Geminiとcopilotが各数件です。

このAI流入のうち、料金ページ(/price/)へのアクセスは40セッション。サイト全体のAI流入の17.2%を占めています。

AI流入のページランキング上位は以下です。

順位ページAI流入(過去90日)
1/ (トップページ)20
2/price/18
3/kuroco/8
3/document/8
5/service/, /contact/, ブログ複数各6

料金ページがトップページに次ぐ2位というのは、BtoBサービスサイトでは異例の構造です。一般的なBtoBサイトでは、トップページが明確な1位で、サービス紹介ページや事例ページが2〜3位を占めるパターンが多いはずです。料金ページがこの位置に来るケースは、ENVY DESIGNの観測ではほぼ見たことがありません。

絶対値で見れば月7件程度の控えめな数字ですが、サイト内シェアで見ると確実な存在感があります。

ただ、本当に注目すべきはここからでした。

AIが /price/ を「直接答え」として推薦している

サイト内シェア17%という数字を見て、最初は「AIがサイト全体を引用する流れの中で、料金ページにも一定割合着地している」と捉えていました。しかしGA4のlanding_page分析で、想定とは異なる構造が見えてきました。

過去6ヶ月、/price/ を閲覧したAIセッション40件の着地経路を整理すると以下になります。

LandingAI SourceSessionsEngaged滞在(秒)Engaged率
/price 直接ChatGPT(referral)111025191%
/price 直接ChatGPT(not set)9521156%
/price 直接Perplexity6318550%
/price 直接Gemini1070%
/ トップ経由ChatGPT(referral)5555100%
/blog/homepage-cost経由ChatGPT(referral)2228100%
その他経由(/kuroco, /service等)各種6

整理すると以下の構造が見えます。

指標数値
/price/ への直接着地27 / 40 = 67.5%
内部回遊で /price/ に到達13 / 40 = 32.5%
ChatGPT/referral直接着地の平均滞在251秒(サイト平均の3倍)
同 Engaged率91%

この数字が示すのは、AI流入で /price/ に到達するユーザーの3分の2は、トップページ経由で内部回遊した結果ではなく、AIから直接 /price/ のURLを示されて来ているという事実です。

つまりAIは「BtoB Web制作の料金が知りたい」という問いに対し、ENVY DESIGNの料金ページのURLを直接アンサーとして提示している。情報探索のための参考リンクではなく、購買検討フェーズの具体的な行先として、AIがURL推薦を行っている構造です。

さらに直接着地ユーザーの平均滞在は4分強。サイト平均の3倍です。Engaged率91%は通常のサイト全体平均の約2倍。これは「URLを開いてすぐ離脱した」のではなく、「料金情報を時間をかけて精査した」ユーザーの挙動です。

AI比率は13ヶ月で 0% → 25.9% へ伸びている

もう1つ、見逃せない時系列データがあります。/price/ への総アクセスとAI流入を月別で比較すると、AI流入の構造変化が見えてきます。

/price/ 総セッションAI流入AI比率
2025-051400.0%
2025-064824.2%
2025-075823.4%
2025-083700.0%
2025-091101311.8%
2025-101171210.3%
2025-115800.0%
2025-124748.5%
2026-01731317.8%
2026-027057.1%
2026-036968.7%
2026-047611.3%
2026-05(17日時点)541425.9%
合計831728.7%

13ヶ月の推移で、AI比率は 0% → 25.9% へ。AI流入が初観測されたのは2025年6月(ChatGPT 2件)で、ここが起点になっています。

特に注目すべきは2026年5月のパターンです。/price/ の総セッションは54件で、過去6ヶ月で最少。一方、AI流入は14件で過去最多。AI比率は25.9%と過去最高を更新しました。

総アクセスは減っているのに、AI流入は増えている。これは2つの構造を示唆しています。

1つ目は、Google検索や通常導線からのアクセスが相対的に弱まっている可能性。AI検索の普及で、従来のクリック前の意思決定がAI内で完結するケースが増えていると推測できます。

2つ目は、AI流入が独立したトラフィック源として確立してきているということ。総アクセスとAI流入の相関係数は0.643(中程度の正の相関)で、完全な比例関係ではなくなっています。AI流入は「総アクセスの一部」ではなく、独自の動きをし始めています。

時系列で見ると、2025年9月が明確な転換点でした。この月に料金シミュレーターを公開しています。公開前(2025年5〜8月)の /price/ 月平均は総アクセス39件・AI流入1件でしたが、公開後の2025年9〜10月は総アクセス110件超・AI流入12〜13件まで急増。AI流入は約8倍の伸びで、サイト全体の改修ではなく、料金ページの実装変更が大きな転換点になっていたと見ています。

シミュレーター実装の影響を分解すると、3つの効果が考えられます。

1つ目は、価格レンジが具体数値として記載されたこと。テキスト中心の料金ページから、要件選択で金額が即座に表示される構造に変わりました。AIが拾う「具体性の塊」が一気に増えた状態です。

2つ目は、入力フォームによる構造化された情報設計。「ページ数」「機能」「デザイン要件」などのフィールド設計そのものが、AIが解析しやすい情報構造として機能していると見ています。

3つ目は、「料金シミュレーター」という機能名自体が固有エンティティとして認識された可能性。「価格表」より「シミュレーター」のほうが識別性の高いキーワードで、AIが識別しやすい情報単位になりやすい構造です。

ここから、月によってAI流入は0〜14件で変動しますが、長期トレンドは確実に右肩上がりです。因果関係を完全に証明するものではありませんが、料金シミュレーター公開とAI流入増加が同時期に発生していることは、13ヶ月の時系列で確認できます。少なくとも強い関連があると見るのが自然です。

AIが見ている「透明性」の正体は具体性

ここで重要な問いが出てきます。AIは「透明性」の何を見ているのか?

ENVY DESIGNの引用ログを観察してきた範囲では、AIは「透明性」という抽象的な評価軸を直接持っていません。AIが見ているのは具体的な数値情報の有無です。

2026年2月にWeb担当者Forumが取り上げた、マイケル・キング氏とマイケル・インディグ氏による120万件のAI引用分析で、興味深いデータが出ています。

AIが引用するテキストでは、固有名詞・具体的な数値・固有データの割合が20.6%を占めていました。一般的なテキストでは5〜8%です。つまり、ぼかし表現は引用されにくく、具体的な数値や固有名詞は引用されやすい構造があります。

参考: AIに引用されやすい文章パターンとは?(Web担当者Forum)

この観点で言えば、「ホームページ制作費用50万円〜」と書いてあるサイトと「お見積もりはお問い合わせください」と書いてあるサイトでは、AIが引用する優先度に明確な差が出ます。前者は具体数値があり、後者はぼかしです。

つまり「価格の透明性が高い」とAIが表現するとき、内部で起きていることは概ね以下です。

  • 価格情報の具体的な数値が記載されている
  • 業界の他サイトを学習データで把握している(多くが非開示)
  • 相対比較として「他社が出していない中で出している」と判定
  • 「具体性が高い」より「透明性が高い」のほうが文脈に自然と判断
  • 出力に「透明性」を選ぶ

ENVY DESIGNが「透明性が高い」とAIに表現される根本は、具体性 + 業界相対比較の合成評価です。

BtoB業界が「お問い合わせ」型を選ぶ正当な理由

ここで誤解を避けたいのですが、「価格を出さない業界が遅れている」と言いたいわけではありません。BtoB業界が価格非開示を選ぶことには、合理的な理由が複数あります。

理由中身
案件ごとに条件が違うLP1本から大規模CMSまで幅が広く、単価提示すると誤解を招く
安く見られるリスク価格レンジの下限だけ見られて「思ったより高い」と離脱
競合に手の内を見せる価格情報が競合の値付け参考にされる
質より価格で比較される価格ありきの問い合わせが増え、本来の価値が伝わらない
ターゲットミスマッチを誘発予算が合わない層から問い合わせ増で営業コスト増
プロジェクト型の特性フルオーダーで定価が原理的に存在しない

これらは正当な懸念であり、無視できません。実際、ENVY DESIGN自身もかつては「お問い合わせください」型でした。料金公開を決断するまでに、上記の懸念を全て天秤にかけました。

ただ、ここで気付くべき点があります。これら6つの理由は全て、売り手側のリスクヘッジが目的です。買い手側のメリットはどこにもありません。買い手は「予算感を知りたい」「他社と比較したい」「概算でも目安が欲しい」という素朴な情報ニーズを持っているのに、業界の都合で隠されている、というのが実態です。

価格非開示の合理性は理解できる。ただ、その合理性が誰のためのものか、という問いは別途立つはずです。

ENVY DESIGNが料金公開に踏み切った経緯

ENVY DESIGNは、料金シミュレーターを設置することで「完全公開」と「完全非開示」の中間設計を選びました。

シミュレーター画面で、サイトの規模・機能・デザイン要件を選ぶと、概算金額が即座に表示されます。最低価格と最高価格のレンジで表示することで、「安く見られるリスク」を緩和しつつ、買い手の予算感把握ニーズに応える設計です。

決断の理由は単純で、500件以上の制作実績から「予算感がない問い合わせは、結局成立しない」というパターンを繰り返し見てきたからです。買い手が予算を把握していない状態で初回ヒアリングに入ると、ヒアリング後にギャップが判明して破談になる、というケースが一定数発生していました。

それなら最初から予算感を伝えてしまった方が、お互いに時間を節約できる、というのが結論でした。「価格公開すべき」という規範論ではなく、現場の経験から導いた実用的な判断です。

公開後に起きたこと

料金シミュレーター設置後、変化として観測できているのは以下です。

商談効率の改善: 初回ヒアリングに来る方の予算感が事前に揃っているため、提案フェーズでギャップが出にくくなりました。営業時間の総量は減り、成約率は上がっています。

ターゲット適合度の改善: 「予算が合わなさそう」と判断したお客様が、シミュレーター段階で離脱してくれます。これはマイナスに見えますが、実際は営業コストの節約として大きな効果でした。

AI引用の獲得: これが本記事のメインテーマです。/price/ のAI流入は、6ヶ月で40セッションを記録し、サイト内シェア17%という構造を作りました。

指名検索の誘発: 直接的な因果は測れませんが、「envydesign 価格」「ENVY DESIGN 料金」といった指名検索の発生を、シミュレーター設置後に確認しています。

直接CVは思っているほど発生していない

ここからは正直なデータです。「AI経由で問い合わせが大量に来る」という期待を持つと、ほぼ間違いなく外します。

過去6ヶ月のGA4データで、ChatGPT経由で /contact-thanks/(問い合わせ完了画面)に到達したセッションは観測上4件でした。「ChatGPT経由のCV 4件」と書くと派手に見えますが、中身を精査すると以下です。

#日付滞在秒判定
12025-12-030Bot/誤計測
22025-12-035.8短すぎ・疑わしい
32026-02-181553本物濃厚(25分滞在)
42026-05-127.5短すぎ・疑わしい

/contact/ → /contact-confirm/ → /contact-thanks/ の3ページ遷移は、フォーム入力を含むと最低でも数分かかります。5〜7秒で完了画面に到達するのは物理的に不可能で、Bot による直接フェッチか、別タブ閲覧による誤帰属の可能性が高いです。

確実に本物と言える「AI経由CV」は、過去6ヶ月で1件です。

これは GA4 の last-click attribution の構造的限界でもあります。ユーザーがChatGPTで /price/ を見た後、別タブで /contact/ を直接開いて送信すると、CVは(direct)に帰属し、AI起点として記録されません。実際のAI起点CVは観測値より多い可能性はありますが、正確な数字は GA4 では出せません。

「AI経由のCVが大量発生する」という期待を抱くと現実とずれます。直接CVへの貢献は、現時点では限定的です。

真の価値は間接効果にある

それでも料金公開を続ける理由は、直接CVではなく間接効果にあります。

直接CVが少なくても、AIが /price/ を「購買検討の答え」として直接推薦している事実は、エンティティ評価としては最高位の状態と言えます。AI引用には段階があり、最終段階が「URLを直接案内されること」だと整理できます。

段階AI引用の質
段階1概念説明の引用元として、他社と並列で参照される
段階2特定テーマで「ENVY DESIGNはこう言っています」と名指しで引用される
段階3サービス・会社情報として「○○社という会社があります」と紹介される
段階4「価格を知りたいならここを見て」と特定URLを直接推薦される

ENVY DESIGNの /price/ は段階4に到達しています。これは段階1〜3を経て積み上がった結果であり、サイト全体のエンティティ強度が一定水準を超えたサインと捉えています。

具体的な構造は以下です。

エンティティ強化: AIが「ENVY DESIGNは価格の透明性が高い」と認識・出力するということは、ブランド情報の一部としてエンティティ評価に組み込まれているということです。価格情報という具体データが、サイトのエンティティ強度を底上げしています。エンティティ評価については、エンティティとは? でも整理しています。

サイテーション獲得: 「価格を公開している珍しい会社」として、ブログ・noteなどで言及されやすい構造になりました。サイテーション(リンクなしのブランド言及)はAI引用の重要シグナルのひとつと考えられます。サイテーションと被リンクの違い でも触れていますが、被リンクの3倍効くという調査結果もあります。

指名検索の誘発: AIで料金情報を見た人が、後日「ENVY DESIGN 料金」で再検索する、というルートが発生しています。指名検索の増加はGoogleにとって強いブランドシグナルになります。

ターゲット適合度の改善: 直接CVには表れませんが、「価格を見て離脱した人」は、ENVY DESIGNにとってミスマッチだったお客様です。離脱してくれたことが営業コストの削減になっています。

つまり料金公開の価値は「AIで月100件問い合わせが来た」のような派手な数字ではなく、「AIに購買フェーズの推薦URLとして指名される」という地味だが確実な構造的優位です。

価格公開の4段階設計

「完全公開」と「完全非開示」の二択ではありません。実装の選択肢は4段階あります。業種・案件特性に応じて、現実的な落としどころを選べます。

レベル0: 完全非開示
「お問い合わせください」型。フルオーダー・大規模プロジェクト中心の業態には適合します。価格を見せると失うものが多いケースでは、引き続き合理的な選択。

レベル1: 参考事例提示
「過去事例:A社の場合〇〇万円、B社の場合〇〇万円」のように、具体プロジェクトの実例を出す。一般化された価格ではなく事例ベースなので、誤解されにくく、買い手にも目安が伝わります。

レベル2: 価格レンジ提示
「30万円〜500万円」のようなレンジで提示。下限だけ見られて安く見られるリスクと、上限を見て高すぎと思われるリスクの両方を抱えますが、買い手の予算感把握ニーズには応えられます。

レベル3: シミュレーター・計算ロジック公開
要件を入力すると概算が出る仕組み、または「ページ数×単価+追加機能」のような計算ロジックを公開する。買い手が自分で試算できるため、最も親切なレベル。ENVY DESIGNはここに該当します。

レベル透明度売り手リスク買い手満足度
0 完全非開示
1 参考事例
2 レンジ提示中〜高中〜高中〜高
3 シミュレーター

選び方は以下のような判断軸です。

  • 完全カスタム・要件可変な業態 → レベル0〜1
  • ある程度のテンプレ化・標準パッケージがある業態 → レベル2
  • 計算可能なロジックがある業態 → レベル3
  • BtoB SaaSのように標準プランが存在する業態 → レベル2〜3
  • 業界全体の慣習が完全非開示で、競合への利敵を避けたい → レベル0でも合理的

「全業種で公開すべき」とは言いません。業態と戦略によって最適解は変わります。ただ、現状ほぼ全てのBtoB制作会社がレベル0に張り付いているのは、業界の慣習に流されているだけで、レベル1〜2の中間設計でも十分対応できる業態も多いはずです。

まとめ|業界慣習を再評価する価値

「価格を公開すべきか」という二択ではなく、「自社の業態に最適な透明度レベルはどこか」という設計問題として捉えるのが、現時点でENVY DESIGNが到達している整理です。

ENVY DESIGNの実観測から言えることは以下です。

  • 料金ページがサイト内AI流入の17%、Top2位を占める異例の構造を作れる
  • AIは「透明性」を独立評価軸では持っていないが、具体性と業界相対比較で実質的に評価している
  • 直接CVへの貢献は、現時点では極めて限定的(本物濃厚は6ヶ月で1件)
  • 真の価値は間接効果(エンティティ・サイテーション・指名検索・営業効率)
  • 業界の非開示にも合理性がある、ただ「誰のための合理性か」は問う価値がある
  • 4段階の中間設計で、業態に応じた最適解を選べる

この記事を読んで「価格公開が正解だ」と短絡しないでください。完全非開示にも合理性があり、業態によってはそちらが正解です。ただ、業界の慣習を「再評価する価値はある」と感じていただければ、書いた意味があります。

最後にもう一段、踏み込んだ視点を残しておきます。

AI検索は「具体性が高い情報」を優先的に拾う傾向があります。一方、BtoB業界は長年、「具体性を隠す」ことで営業効率を守ってきました。

つまりAI検索時代とは、AIが好む情報構造と、BtoB営業慣習が衝突し始めた時代、とも言えます。

この衝突をどう解くかは、業態ごとに異なります。価格を出すべきか、隠すべきか、という個別最適の議論ではなく、自社が依存してきた営業慣習がAI評価とどう摩擦するか、という構造論として捉える価値があるはずです。

ENVY DESIGNでは引き続き、料金ページのAI観測を継続し、この摩擦がどう変化していくか、追跡して共有していきます。

よくあるご質問

Q. 価格を公開するとAI流入は本当に増えますか?

ENVY DESIGNの観測では、2025年9月の料金シミュレーター公開後、/price/ ページの月平均アクセスは約2倍、AI流入は約8倍に増加しました。13ヶ月の時系列でも、長期トレンドは右肩上がりです。ただし、これは特定企業の観測結果であり、業態や既存のサイト評価によって効果は変動します。

Q. AI経由のCVは本当に発生していますか?

過去6ヶ月の観測では、ChatGPT経由でフォーム送信完了画面に到達したセッションは4件ありましたが、滞在時間や挙動を精査すると、本物濃厚は1件のみでした。残りはBot・誤帰属の可能性が高いです。AI流入の直接CV貢献は、現時点では極めて限定的と捉えています。

Q. 業界の「価格非開示」型サイトは間違っていますか?

いいえ、非開示にも合理性があります。プロジェクト型・フルカスタム業態では、価格提示が誤解を招くリスクが大きく、非開示が合理的な選択です。重要なのは「公開すべきか隠すべきか」の二択ではなく、自社業態に最適な透明度レベル(4段階の中間設計)を意識的に選ぶことです。

Q. なぜ「透明性」という言葉でAIが評価するのですか?

AIは「透明性」を独立評価軸として持っていません。具体的な数値情報の有無を見ています。価格情報が記載されており、かつ業界の多くが非開示である状況下では、AIが「相対的に透明性が高い」と表現するのが自然になります。透明性は具体性と業界相対比較の合成評価と整理できます。

Q. シミュレーターを設置すれば誰でもAIに推薦されますか?

シミュレーター実装だけでは不十分です。サイト全体のエンティティ評価が一定水準を超えていること、料金情報が具体性ある形で記載されていること、業界相対で「公開している側」にあること、これらの条件が揃って初めて、AIから「購買検討の答え」として直接URL案内される段階に到達します。

ENVY DESIGNの料金詳細は料金シミュレーター、AIO・GEO対策のご相談はAIO・GEO対策サービス、個別のご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

出典

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株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

Web業界歴14年。これまでに 500件以上のWeb制作プロジェクトに携わり、企業サイト、採用サイト、ECサイトなど幅広い領域を手がけてきました。ディレクションだけでなく、デザイン・コーディングまで一貫して対応できるのが強みです。近年はAIO(AI Optimization)・GEO領域に注力し、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewなど生成AI検索からの引用獲得を支援しています。

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