ChatGPTがトップページを選び始めた|同じAI検索でもClaudeはゼロだった半月|AIO隔週レポート 第3号(2026年5月後半)
5月後半(5/16〜5/31)のAI検索流入を実測しました。この半月で最も興味深かったのは、ChatGPTがブログ記事ではなく、トップページに最も多く着地していたことです。AIは通常、ユーザーの質問に近いテーマの記事へ人を送ります。それがトップページ中心に変わったことは、ChatGPTが特定の記事ではなく、サイト全体を参照先として扱う場面が増えている可能性を示唆します。これはこれまでの観測ではあまり見られなかったパターンです。
もう一つは、同じ「AI検索」でもプラットフォームごとの動きが正反対だったことです。ChatGPTが約1.6倍に伸びるなかで、Perplexityは半減し、Claudeは再びゼロになりました。AI経由の総量(前半37→後半39セッション)はほぼ横ばいでも、その中身はこの半月で大きく入れ替わっています。本記事は、月初に公開したAIO隔週レポート 第2号(2026年5月前半)に続く第3号です。
はじめに:第3号は5月後半(5/16〜31)の記録です
本シリーズは区切りを「1日〜15日/16日〜月末」で固定し、月2本のペースで記録しています。最初の第1号(2026年4月分)は月次でしたが、第2号から隔週に切り替えました。
第2号では「半月でAI流入が前月の82%に達した」という増加トレンドを報告しました。第3号では、その勢いが続いたのか、別の動きに変わったのかを確認します。結論から言えば、総量の伸びは一服しましたが、プラットフォームごとの内訳がはっきりと入れ替わりました。
5月後半のAI流入|総量はほぼ横ばい、しかし中身が入れ替わった
【調査データ】5月前半と後半で、AI経由のセッション数を比較しました。
| プラットフォーム | 5月前半(5/1〜15) | 5月後半(5/16〜31) | 変化 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 20 | 32 | 約1.6倍 |
| Perplexity | 12 | 6 | 半減 |
| Claude | 5 | 0 | 消失 |
| Gemini | 0 | 1 | 初の流入 |
| AI合計 | 37 | 39 | ほぼ横ばい |
総量は37から39とほとんど変わっていません。しかしChatGPTだけで12セッション増えており、その増加分をPerplexityの減少(6減)とClaudeの消失(5減)が打ち消した、という構図です。一つの数字を追うだけでは「変化なし」に見えますが、内訳を分けると、流入元が一極集中に向かっている傾向が見えてきます。
AI流入はサイト全体の流入の中ではまだ小さな割合で、自然検索(Google)が大半を占める構成はこの半月でも変わっていません。そのうえで、ENVY DESIGNでは流入元の質と動きを観察するための定点として、AI経由の流入を記録し続けています。
AI別の動き|ChatGPTが伸び、Perplexityが反落し、Claudeが消えた
ChatGPT急増の仮説
ChatGPTは20から32へと、半月で約1.6倍になりました。ただ、ここで注目したいのは伸びた量よりも、どのページに着地したかです。上位はトップページ(9セッション)、コーポレートサイト制作のサービスページ(7セッション)、AIO・GEO・LLMOの違いを解説したブログ記事(5セッション)でした。
着地先の1位がブログ記事ではなくトップページだった点は、これまでの観測ではあまり見られなかったパターンです。AIは通常、ユーザーの質問に最も近いテーマの記事へ人を送ります。にもかかわらずトップページが最多で、サービスページやブログも含めて幅広く着地が増えたことは、ChatGPTが特定の1記事ではなく、サイト全体を参照先として扱う場面が増えている可能性を示します。なお、ここで言及したブログ記事のテーマはAIO・GEO・LLMOの違いで解説しています。
【仮説】現時点で確実に言えるのは、トップページ・サービスページ・ブログのいずれも着地が増えた、という事実だけです。そこから先は推測になりますが、ChatGPTが特定の1記事に限らず、サイト全体を参照先として扱う場面が増えている可能性があります。AIが何を意図しているかまでは分かりませんが、トップページ着地が次号以降も続くかどうかが、この傾向を確かめる手がかりになると考えています(サイト全体を参照先として扱う構造は「ページ戦」から「エンティティ戦」へでも整理しています)。
Perplexity反落の仮説
Perplexityは12から6へと半減しました。第2号では「半月で急伸した」と報告したプラットフォームだけに、今回の反落は対照的です。
【仮説】Perplexityの流入は、引用される記事が話題になったタイミングに左右されやすく、短期間で増減しやすい傾向があると考えられます。第2号での急伸が一時的なピークだった可能性もあります。半月単位では振れ幅が大きいため、月単位・四半期単位でならして見る必要がありそうです。
Claude 0 とChatGPT 32|同じ「AI検索」でも結果は正反対
Claudeは5から0になりました。同じ半月で、ChatGPTは32セッション。同じ「AI検索」というくくりでありながら、一方は最大の流入元になり、もう一方はゼロという、正反対の結果が出ています。
ここは誤解されやすいところですが、「AI検索」はひとつの均一なものではありません。ChatGPT、Perplexity、Claude、Geminiは、それぞれ参照しているデータも、引用元を選ぶ仕組みも異なります。あるAIがENVY DESIGNを引用していても、別のAIはまったく拾っていない、ということが普通に起こります。今回のChatGPT 32対Claude 0は、その違いがはっきり数字に表れた例だと考えられます。
【仮説】Claudeは4月に11セッション、5月前半に5セッション、後半に0と推移しており、ENVY DESIGNを引用元として安定的に拾えていない状態が続いていると考えられます。第2号で挙げた「Claudeの参照ロジックが戻るか」という宿題に対しては、現時点では戻っていない、という回答になります。
この非対称は、第2号でも触れた「Google系AIは認識し、非Google系AIは一般的なweb制作会社としてしか認識していない」という観察とも重なります。AIごとに認識が分かれている以上、対策も「AI検索一般」とひとくくりにするのではなく、プラットフォーム単位で考える必要がありそうです。
ページ別|CV直結ページへの着地は続いている(規模は縮小)
【調査データ】5月後半、AI経由でCV(問い合わせ・資料請求)に近いページへ着地したセッションは次のとおりです。
| 着地ページ | 内容 | AI経由セッション |
|---|---|---|
| /price | 料金ページ | 5(ChatGPT 2、Perplexity 3) |
| /document | 資料請求ページ | 1 |
| /recruit ほか | 採用ページ | 3 |
第2号では「/price へのPerplexity集中」を有力なサインとして挙げました。後半もこの傾向は続いていますが、Perplexity自体のセッション数が半減したため、規模としては縮小しています。
【仮説】料金ページや資料請求ページといった「比較・検討段階」のページにAIが着地させている傾向は、半月をまたいでも維持されています。AIが、情報収集段階のユーザーよりも、すでに依頼先を比較している段階のユーザーにENVY DESIGNを提示している可能性があると考えられます。ただし母数が小さいため、引き続き観察が必要です。
第2号で挙げた5つの宿題への回答
第2号の末尾で「5月後半に確認したいこと」として5点を挙げました。現時点での回答をまとめます。
| 確認したかった点 | 5月後半の結果 |
|---|---|
| /price へのPerplexity集中は続くか | 続いているが、Perplexity全体の半減により規模は縮小 |
| Claudeの流入は戻るか | 戻らず(5→0)。参照ロジックは回復していないと考えられる |
| AI Overview citationの他記事への波及 | GA4だけでは判定できないため【継続観測中】。Search Consoleと手動確認で次号に報告予定 |
| Direct大規模スパイクの周期性は再現されるか | 概ね再現(後述) |
| 5月前半公開記事の早期反応 | 4月公開のAIO解説記事はChatGPT着地5で健在。5月公開記事のAI着地はまだ顕在化せず【継続観測中】 |
正直に書けば、5点のうち2点はGA4だけでは結論が出せず、継続観測としています。確認できたことと、まだ確認できていないことを分けて記録することが、この定点観測の目的だと考えています。
Directスパイク|7〜8日周期は概ね再現、5/19に突出した山
【調査データ】5月後半のDirect(参照元なし)セッションを日別で見ると、平常日に対して目立った山がいくつか確認できました。絶対数の代わりに、平常日を基準とした倍率で示します。
| 日付 | 平常日比 |
|---|---|
| 5/19 | 約2.1倍 |
| 5/18 | 約1.4倍 |
| 5/21 | 約1.4倍 |
| 5/28 | 約1.3倍 |
第2号では5/8と5/14に大きなスパイクを観測し、「7〜8日周期ではないか」という仮説を立てました。5月後半は、5/14の次として5/21、その次として5/28に高めの山が来ており、約7日周期は概ね再現されたと考えられます。
加えて、5/19には平常日のおよそ2倍という突出した山がありました。【仮説】これは周期的な巡回とは別の、単発の集中アクセスだった可能性があります。AIクローラはJavaScriptを実行するため、巡回時にGA4のタグが発火しDirectの急増として記録されると考えられますが、5/19の山が何に起因したかは現時点では特定できていません。
なお、Directは同期間に増えていますが、その中にはAIクローラ以外の要因(直接アクセスやアプリ内ブラウザ経由など)も含まれます。Directのすべてがクローラによるものと断定はできない点は、これまでどおり明記しておきます。
6月前半に確認したいこと(第4号予告)
第3号で見えた論点を、6月前半(6/1〜15)に確認したいリストとしてまとめます。
| 確認したい点 | 仮説 |
|---|---|
| ChatGPTの伸びは続くか | 32セッションが一時的なものか、トレンドとして定着するか |
| Perplexityの反落は底打ちするか | 半月の振れか、減少トレンドの始まりか |
| Claudeの流入はゼロのままか | 非Google系AIでの認識改善の取り組みが効くか |
| /price へのAI着地の質 | 着地後のCV(問い合わせ・資料請求)につながっているか |
| 5/19の突出スパイクの再現性 | 7〜8日周期とは別の単発要因が再び現れるか |
これらの結果は、第4号(2026年6月前半・月中公開予定)でまとめてご報告します。
おわりに:第4号は6月前半データを月中に公開予定
AIO隔週レポートは、各月の月初(前月後半データ)と月中(当月前半データ)の2本立てで運用しています。第4号は2026年6月前半(6/1〜15)のデータを、6月中旬に公開予定です。AI検索の仕様変化はGoogleのAI機能に関する公式ドキュメントなどでも随時更新されており、観測と照らし合わせながら記録していきます。
総量が横ばいでも、内訳は半月で大きく動きます。一つの数字に安心せず、流入元ごとの動きを分けて記録していくことを、ENVY DESIGNでは続けていきます。失敗も成功も、数字とともにオープンに出していきます。
AI検索流入の現状を知りたい方へ
ENVY DESIGNでは、AI検索(AIO/GEO)を軸にしたサイト設計と、流入の実測にもとづく改善を行っています。自社サイトがAIにどう扱われているかを把握したい方は、AIO・GEO対策のサービスページをご覧ください。料金の目安は料金ページに掲載しています。
よくある質問(FAQ)
Q. AI流入の総量が横ばいなら、何も変わっていないのではないですか?
総量は横ばいでも、内訳は入れ替わっています。ChatGPTが約1.6倍に伸び、その分をPerplexityの半減とClaudeの消失が打ち消しました。流入元が一極に集中していく動きは、総量だけを見ていると見落とすため、プラットフォームごとに分けて記録しています。
Q. ChatGPTで引用されていれば、ClaudeやGeminiでも引用されますか?
必ずしもそうではありません。今回の半月でも、ChatGPTからは32セッションあった一方、Claudeからは0でした。AIによって参照しているデータも引用元を選ぶ仕組みも異なるため、片方で引用されていても、もう片方ではまったく拾われないことがあります。「AI検索対策」をひとつにまとめず、プラットフォームごとに状況を見ていく必要があると考えています。
Q. Claudeからの流入がまたゼロになりました。問題ですか?
Claudeは4月に11、5月前半に5、後半に0と推移しています。ENVY DESIGNを引用元として安定的に拾えていない状態が続いていると考えられます。非Google系AIでの認識をどう改善するかは、現在取り組んでいる課題のひとつです。
Q. /price(料金ページ)にAIが着地させるのは良いことですか?
比較・検討段階のページにAIがユーザーを着地させている傾向は、依頼先を探している段階のユーザーに届いている可能性を示すと考えられます。ただし母数が小さく、着地がCVにつながったかまでは現時点で確認できていないため、引き続き観察しています。
Q. Directの急増は本当にAIクローラの巡回ですか?
AIクローラはJavaScriptを実行するため、巡回時にGA4のタグが発火しDirectの急増として記録されると考えられます。ただしDirectには直接アクセスやアプリ内ブラウザ経由なども含まれるため、すべてをクローラによるものと断定することはできません。周期性などの傍証とあわせて、仮説として観察しています。
Q. なぜ半月ごとに記録しているのですか?
AI流入の変化は、月次の粒度では捉えきれない速さで動いているためです。今回のように、総量が横ばいでも半月で内訳が入れ替わることがあります。2週間ごとに記録することで、こうした短期の変化を判断材料として残しています。
出典
- Schema.org(構造化データの公式仕様)
- Google Search Central(検索・構造化データの公式情報)
- Web Vitals(Core Web Vitalsの公式定義)
- Google検索公式ブログ(AI Overview等の発表情報)