ChatGPTが採用ページを選び始めた|Perplexityがゼロに沈んだ半月|AIO隔週レポート 第4号(2026年6月前半)
はじめに:第4号は6月前半(6/1〜15)の記録です
AIO隔週レポートの第4号です。前回の 第3号 では5月後半(5/16〜31)のデータをまとめ、ChatGPTがトップページを参照先に選び始めたこと、Claudeからの流入がゼロのまま続いていることを記録しました。第4号では、その続きとして2026年6月前半(6/1〜15)のAI経由流入を記録します。
結論から書くと、この半月で起きた変化は二つです。一つは、Perplexityからの流入がゼロまで落ち込み、Claudeに続いて2つ目の「消失」になったこと。もう一つは、ChatGPTの着地先が、これまでのトップページ・サービスページから採用ページへと移ったことです。総量はやや減りましたが、内訳は前回以上に大きく入れ替わっています。
6月前半のAI流入|総量は33、緩やかに減少
【調査データ】5月後半と6月前半で、AI経由のセッション数を比較しました。数値はGA4の実測値で、参照元(source)にAI検索サービスを含むセッションを集計しています。なお search.google.com からの流入はSearch Consoleの自己クリックに該当するため、AI流入の集計からは除外しています。
| プラットフォーム | 5月後半(5/16〜31) | 6月前半(6/1〜15) | 変化 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 32 | 32 | 横ばい |
| Perplexity | 6 | 0 | 消失 |
| Claude | 0 | 0 | ゼロ継続 |
| Gemini | 1 | 1 | 横ばい |
| AI合計 | 39 | 33 | 約15%減 |
総量は39から33へと、約15%の減少です。ただ、減少分のほとんどはPerplexityの消失(6減)で説明がつきます。ChatGPTは32で前期と完全に同数、Geminiも1で横ばいでした。一つの数字だけを見ると「やや減った」ですが、内訳を分けると、流入元がChatGPTへさらに一極集中している傾向が読み取れます。
第1号から繰り返している通り、AI経由の流入はサイト全体から見ればまだ小さな割合で、自然検索(Google)が大半を占める構成は変わっていません。そのうえで、ENVY DESIGNでは流入元の質と動きを観察するための定点として、AI経由の流入を記録し続けています。
AI別の動き|ChatGPTは高止まり、Perplexityがゼロに沈んだ
ChatGPT高止まりの仮説
ChatGPTは32セッションで、5月後半とまったく同じ数でした。第3号では20から32へ約1.6倍に伸びた直後だったため、第4号での宿題は「この伸びが定着するか、一時的なものか」でした。結果としては、伸びは止まり、32という水準で高止まりした、という観測になります。日別で見ると6/7〜8に小さな山(5、8セッション)があり、それ以外は概ね1〜3セッションで推移していました。
【仮説】確実に言えるのは「総量が前期と同数だった」という事実だけです。そこから先は推測になりますが、ChatGPTがENVY DESIGNを参照する頻度が、特定の水準で安定し始めている可能性があると考えています。ただ、後述するように着地先は大きく動いているため、同じ32でも中身は前期と別物だと捉えています。
Perplexity消失の仮説|Claudeに続く2つ目のゼロ
Perplexityは6から0へと落ち込みました。第2号では12、第3号では6と、すでに半減傾向にありましたが、6月前半でついてゼロに達しています。これでClaude(第2号以降ゼロ継続)に続き、Perplexityも流入が確認できないプラットフォームになりました。
【仮説】Perplexityの減少が、こちら側の何らかの変化によるものか、Perplexity側の参照ロジックの変化によるものかは、GA4のデータだけでは切り分けられません。ただ、第2号から第4号にかけて12→6→0と一貫して減り続けている点を見ると、半月単位の振れではなく、減少のトレンドだった可能性のほうが高いと考えています。ChatGPTで参照される一方でPerplexityとClaudeでは参照されない、というプラットフォーム間の差は、第3号で触れた「同じAI検索でも結果は正反対」という観測がさらに進んだ形だと捉えています。
ページ別|着地先が「採用ページ」に移った
【調査データ】6月前半のChatGPT経由の着地ページを、セッション数の多い順に並べました。
| 着地ページ | セッション |
|---|---|
| /recruit/assistant(採用・アシスタント職) | 11 |
| /(トップページ) | 5 |
| /recruit(採用トップ) | 5 |
| /company・/company/philosophy(会社情報) | 4 |
| /service/aio-geo・/service/corporate-website | 2 |
| その他(/recruit/front_end_engineer、/works ほか) | 5 |
最も大きな変化はここです。採用関連ページ(/recruit、/recruit/assistant、/recruit/front_end_engineer の合計)が17セッションと、ChatGPT流入の半分以上を占めました。第3号ではトップページ(9)とサービスページ(7)が上位で、採用ページは目立っていませんでした。それが6月前半では、単一ページとして /recruit/assistant が11セッションで最多になっています。
もう一点、前号まで着地が確認できていた料金ページ(/price)には、6月前半はAI経由の着地が観測されませんでした。着地の重心が、料金・サービスの検討層から、採用・求人の関心層へ移った半月だったと言えます。
仮説:ChatGPTが採用・求人の文脈でENVY DESIGNを参照し始めた可能性
【仮説】着地先が採用ページに集中した理由は、データだけでは断定できません。ただ、考えられる解釈の一つとして、ChatGPT上で「Web制作会社の求人」「アシスタント職の募集」といった採用・求人寄りの質問に対して、ENVY DESIGNの採用ページが参照先として提示されている可能性があります。サービスや料金の質問ではなく、働く場所としての関心からの流入だとすれば、これまでとは異なる層にリーチし始めている兆しとも読めます。
この解釈が正しいかどうかは、次号で /recruit 系の着地が続くかどうかを見れば、ある程度確かめられると考えています。一過性のものか、トレンドの始まりかは、もう半月分のデータを待ちたいところです。なお、AIに会社をどう認識させるかという観点は エンティティの考え方 でも整理しています。
第3号で挙げた5つの宿題への回答
第3号の末尾で「6月前半に確認したいこと」として5点を挙げました。現時点での回答をまとめます。
| 確認したかった点 | 6月前半の結果 |
|---|---|
| ChatGPTの伸びは続くか | 伸びは止まり、32で高止まり。ただし着地先は採用ページへ移動 |
| Perplexityの反落は底打ちするか | 底打ちせず、6→0でゼロに到達。減少トレンドだった可能性 |
| Claudeの流入はゼロのままか | ゼロ継続。非Google系AIでの認識改善はGA4上ではまだ確認できず【継続観測中】 |
| /price へのAI着地の質 | 6月前半は/price着地が観測されず。着地は採用ページへ移った |
| 5/19の突出スパイクの再現性 | 7日周期は概ね継続。6/9に1.84倍の単発の山(後述) |
正直に書けば、5点のうち「Claudeの認識改善」は今期もGA4だけでは判定できず、継続観測としています。確認できたことと、まだ確認できていないことを分けて記録することを、この定点観測では続けています。
Directスパイク|6/9に1.8倍の単発、7日周期は概ね継続
【調査データ】6月前半のDirect(参照元なし)セッションを日別で見ると、平常日に対して目立った山がいくつか確認できました。実数の代わりに、期間中央値(32セッション)を基準とした倍率で示します。
| 日付 | 中央値比 |
|---|---|
| 6/9 | 約1.84倍 |
| 6/8 | 約1.50倍 |
| 6/11 | 約1.44倍 |
| 6/10 | 約1.31倍 |
第3号で見られた7〜8日周期との関係でいうと、5/28の山から数えて6/4、6/11あたりに次の山が来る計算になり、6/11の1.44倍はこの周期に概ね合致しています。一方で6/8〜10、とくに6/9の1.84倍は、周期とは別の単発要因が重なった可能性があります。同じ時期にChatGPT経由の流入も6/7〜8に小さく増えており、この前後で何らかの参照・巡回が集中した可能性は考えられますが、断定はできません。
このDirectの山が、AIクローラの巡回によるものという見方については、第2号・第3号でも仮説として扱ってきました。引き続き仮説の域を出ませんが、周期性が3号連続で概ね再現している点は、記録に値すると考えています。背景は GA4のDirectスパイクとAIクローラに関する記事 でも整理しています。
6月後半に確認したいこと(第5号予告)
第4号で見えた論点を、6月後半(6/16〜30)に確認したいリストとしてまとめます。
| 確認したい点 | 仮説 |
|---|---|
| 採用ページへの着地は続くか | /recruit集中が一過性か、トレンドの始まりか |
| Perplexityはゼロのままか | 完全に途切れたのか、低水準で再開するか |
| ChatGPTは32の水準を維持するか | 高止まりが続くか、次の増減の局面に入るか |
| /price・/service への着地は戻るか | 検討層の着地が採用層と並存するか |
| 6/9型の単発スパイクが再び出るか | 7日周期とは別の要因が再現するか |
これらの結果は、第5号(2026年6月後半・7月初公開予定)でまとめてご報告します。
おわりに:第5号は6月後半データを月初に公開予定
AIO隔週レポートは、各月の月初(前月後半データ)と月中(当月前半データ)の2本立てで運用しています。第5号は2026年6月後半(6/16〜30)のデータを、7月初旬に公開予定です。AI検索の仕様変化はGoogleの AI機能に関する公式ドキュメント などでも随時更新されており、観測と照らし合わせながら記録していきます。
総量が減っても、内訳は半月で大きく動きます。今回は、Perplexityがゼロに沈む一方で、ChatGPTの関心が採用・求人へ移るという、予想していなかった変化が見えました。一つの数字に安心も落胆もせず、流入元と着地先ごとに分けて記録していくことを、ENVY DESIGNでは続けていきます。失敗も成功も、数字とともにオープンに出していきます。
AI検索流入の現状を知りたい方へ
ENVY DESIGNでは、AI検索(AIO/GEO)を軸にしたサイト設計と、こうした一次データにもとづく観測を強みにしています。自社サイトがAIにどう認識され、どこから流入しているのかを把握したい方は、AIO・GEO対策のサービスページ や 料金ページ もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. AI流入の総量が減ったのは、対策が失敗したということですか?
総量の減少分は、ほぼPerplexityの消失で説明がつきます。ChatGPTは前期と同数を維持しているため、全体が一様に落ちたわけではありません。むしろ着地先が採用ページへ広がるなど、参照のされ方が変化しています。失敗か成功かを一つの総量で判断するより、流入元ごとに分けて見るほうが実態に近いと考えています。
Q. なぜChatGPTでは参照され、PerplexityやClaudeでは参照されないのですか?
明確な理由はGA4のデータだけでは分かりません。AIサービスごとに参照元の選び方や学習データの範囲が異なるため、同じサイトでも結果が分かれる傾向があると考えられます。ENVY DESIGNでは、この差そのものを観測対象として記録し続けています。
Q. ChatGPTが採用ページに着地させているのは良いことですか?
一概に良し悪しは言えませんが、これまでリーチできていなかった層に届き始めている兆しとは読めます。求人・採用の関心からの流入であれば、サービス検討層とは別の入口が増えたことになります。ただし一過性の可能性もあるため、次号以降の継続観測で見極めたいと考えています。
Q. Directの急増は本当にAIクローラの巡回ですか?
確定はできません。Directには直接アクセスやアプリ内ブラウザなど複数の要因が含まれます。ただ、7日前後の周期が3号連続で概ね再現している点は、何らかの定期的な動きを示唆している可能性があると考えています。あくまで仮説として記録しています。
Q. なぜ半月ごとにこのデータを公開しているのですか?
AI検索からの流入は総量が小さく、月単位だと動きが平準化されて見えにくいためです。半月ごとに区切ると、流入元の入れ替わりや着地先の変化といった、中身の動きが捉えやすくなります。自社の一次データを定点で記録することが、このレポートの目的です。
出典
- ENVY DESIGN 自社GA4実観測データ(2026年6月1日〜15日/本文記載の実測値)
- Google 検索セントラル「AI機能とウェブサイト」https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features
- AIO隔週レポート 第3号(2026年5月後半データ)https://envydesign.jp/blog/2026/06/aio-biweekly-report-2026-05-3/