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おすすめ○選の価値は、AIが壊すかもしれない|比較記事を書くより、比較される会社に

AIO/GEO 戦略・思想

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

「ホームページ制作会社おすすめ10選」——こうした「おすすめ○選」は、AIが最も代替しやすいコンテンツの一つかもしれません。

これからAI時代に問われるのは、「おすすめを書く競争」ではなく、「おすすめされる材料になる競争」だと私は考えています。この記事で一番伝えたいのは、この一点です。

そう考えるようになったきっかけの一つに、自分自身の経験があります。私が代表を務めるENVY DESIGNは、他社が作った「おすすめ○選」に名前が載っていることがあります。ただ、なぜ載ったのかは分かりません。依頼も取材も受けていないのに、です。

理由はシンプルです。比較記事がやっていた「各社を集めて、整理して、並べる」という仕事を、AI自身がするようになったからです。各社の特徴を集めて並べる作業は、AIが得意とする領域に重なっていきます。比較記事の価値の大部分が「情報整理」だったとすれば、その価値はAIに圧縮されていく可能性があります。

私は以前から、比較記事を書くのはどうも気が進みませんでした。その感覚がAIの動きと重なってきた気がするので、順を追って整理しておきます。

比較記事の仕事を、AIが自分でする

比較記事がやってきた仕事——各社の特徴を集めて、整理して、並べる——を、AI自身が直接できるようになりました。100社のサービスを読み込んで、特徴を抽出して、比較表を作る。人間がこれをやると数日かかります。ここはAIが得意とする作業です。

Googleは2025年のGoogle I/Oで、AI Modeに複雑な質問や比較用途への対応を加えました。公式ドキュメントでも、AI機能が複数ソースを統合して回答を作る方向が示されています。AI Modeは「query fan-out(クエリファンアウト)」という仕組みで、ひとつの質問を複数のサブクエリに分けて並列に検索し、結果を統合して回答を作ります。「制作会社を10社比較して、費用と得意業種を教えて」という問いに、AIが自動で答える動きはすでに始まっています。

各社のサイトを読んで、特徴を並べて、一覧にする。この作業そのものが、AIの得意領域に重なっていきます。

私たちは比較記事に掲載されることがある。ただ、なぜかは分からない

冒頭で触れた「名前が載っているが理由が分からない」話を、もう少し具体的にします。

ENVY DESIGNは、他社が作った「ホームページ制作会社おすすめ◯選」のような記事に掲載されることがあります。ただ、なぜ掲載されたのか分からないものもあります。

依頼を受けたこともない。取材もされていない。評価基準も分からない。

それでも「ENVY DESIGNはおすすめです」と書かれている記事があります。比較記事を書いている側も、実態を把握しきれていないことがある、ということだと思います。

私たちの掲載がこういう状態なら、他社についても近い状況があるかもしれません。比較記事がどこまで実態を反映しているかは、書かれている側からは見えやすいところです。

そしてAIは、おそらくこの「実態を把握しきれていない比較記事」を読まなくても、各社のサイトを直接読みに行けます。

比較記事という中間レイヤーが、AIから見ると省略可能になっていく。これが、この記事で私がいちばん象徴的だと感じている変化です。

私は比較記事を書くのが苦手だった

ついでに自分の話もしておきます。

私は比較記事を書くのがあまり得意ではありません。AI時代の話を踏まえて言っているのではなく、もっと前から、書こうとしてもどうも進まないという感覚がありました。

理由はシンプルです。実際に依頼したことも、制作プロセスを見たこともないサービスを「おすすめ」と書くのが、自分の言葉になりませんでした。公式サイトの情報を読んで整理した内容に「これがおすすめです」と書くのは、14年間現場にいた立場では、どうしても自信を持って書けませんでした。

これは私個人の性格の話で、比較記事を書くこと自体が悪いという話ではありません。比較記事で集客できている会社はたくさんありますし、合理的な戦略だと思います。

結果として、比較記事より実績を書くことが多くなった

ENVY DESIGNはこれまで、営業を強めに行わずに続けてきました。お問い合わせは検索・AI検索・既存のお取引先からのご紹介などからいただいています。

では、比較記事を書かないなら、何を書けばいいのか。私にとっては、比較記事を書くより、自社そのものを書く方が自然でした。だから、実績や考え方を書いてきました。

比較記事を書けなかった分、制作事例・代表の考え方・AIOの観測データを書いてきました。それがAI検索の動きと結果として合っているかどうかは、もう少し時間をかけて見ないと分かりません。

ENVY DESIGNは、比較される側で続けています

「おすすめ○選を書く会社」より「おすすめされる材料を持つ会社」の方が、AIに参照されやすいかもしれない——という仮説のもとで、ENVY DESIGNはコンテンツを作っています。

AI時代の競争は、比較記事を書く競争ではなく、比較の材料になる競争に変わっていく可能性があります。AIが「おすすめ」を作るための材料は、比較記事ではなく、比較される側が持っている実体情報の方になりそうだ、と感じています。AIO・GEO・LLMOの違いもあわせてご覧ください。

比較の材料になるコンテンツとは何か

実体情報の中身を整理すると、次のようなものです。

実績、会社案内、代表挨拶、FAQ、失敗談、観測データ。

制作実績があれば、AIは「どんな業種・規模の案件を手がけてきたか」を読み取れます。会社案内があれば、運営歴・規模の根拠になります。代表の考え方を書いた記事があれば、どんな姿勢で仕事をしている会社かが伝わります。FAQがあれば、専門知識の幅が示せます。失敗談があれば、実際に経験している証拠になります。観測データがあれば、現場で計測している一次情報として残ります。

ENVY DESIGNでは、こうした実体情報の積み上げに時間を使っています。やっていることはシンプルで、売上につながりやすい実体情報を優先して積み上げる、というだけです。業績に直接つながるコンテンツを選び、関連する記事と内部リンクでつなぎながら積んでいきます。

参考までに|自社のAI流入はどのページに着地しているか

【調査データ】ここで一つ、参考として自社の数字も載せておきます。あくまで母数の少ない一例で、これで何かを実証できるものではありません。envydesign.jp に対するAI検索(ChatGPT・Perplexity・Gemini)からの流入について、過去90日間の着地先を種類別に集計したものです。

着地先カテゴリ割合
トップページ20%
個別ブログ記事(多数に分散)20%
採用ページ17%
サービスページ12%
料金ページ7%
制作実績6%
会社概要・理念3%

この期間・このサイトに限って言えば、一番多い着地先はトップページで、会社概要・サービス・料金・制作実績といった会社そのものを説明するページがそれに続きました。個別のブログ記事は合計しても2割ほどで、十数本に薄く分散していて、単独で最も多かったのも比較記事やおすすめ○選ではなく用語解説的な記事でした。

【仮説】これは一例にすぎず、母数も小さいので、これをもって「AIは会社そのものを参照する」と結論づけることはできません。自社1サイト・90日・小規模なサンプルにもとづく参考値です。採用ページの割合が高い(17%)ことなど、AIが求職者の質問に答える文脈で会社情報を参照している可能性もあり、業種や規模で傾向は変わると考えられます。数字は自社の実測値であり、他サイトでの再現を保証するものではありません。あくまで、記事で述べた仮説と真逆ではなかった、という程度に受け取っていただければと思います。

そもそも、自社の観測だけでは一般化はできません。そこで外部の調査も見てみると、比較記事そのものより、比較される側の実体情報を重視する方向を示す結果が報告されています。角度は違いますが、向きは揃っている、という感触です。

これは体感だけの話ではない|外部調査でも同じ傾向

その外部調査を、もう少し具体的に見てみます。「比較記事に載っても、それがそのまま推薦につながるわけではない」——2026年6月に公開された海外の調査が、この点をはっきりした数字で示しています。

【調査データ】SEOの専門家Lily Ray氏がBtoBの「best(おすすめ)〇〇ツール」系クエリをGoogleのAI Overviewsで調べたところ、企業が自社を1位にした比較記事はAIに引用はされても、その企業自身は推薦から外れるケースが約69%に上ったと報告されています。AIは自社リストを出典として名前を挙げつつ、実際に薦める製品にはその中の競合を選ぶ、という現象です。

ツール解析を提供するAhrefsが2026年前半に行った実験でも、AIが自社の宣伝ページを引用しても、同じページ内の競合を薦めたケースが4割ほど確認されています。Ahrefsは、適切な文脈に自社を加えること自体は問題ないが、自作のリストで自社を1位に据える動きはAIにも読者にも割り引かれる、という趣旨の注意を添えています。

Google自身も、同じ方向を示しています。2026年4月のメディア向け声明で、検索とGeminiで操作的な手法への対策を講じ、低品質なリスト記事の増加も認識している、と述べています。ただしリスト記事を名指しした個別のアップデートを公表したわけではなく、「比較記事そのものが罰せられる」という話ではない点は補足しておきます。

ここで押さえておきたいのは、引用と推薦は別物だという点です。AIが何を引用するかはページの中身で決まりますが、何を薦めるかは、そのブランドについて第三者がどれだけ語っているかで決まる傾向がある、と各調査は指摘しています。自作の比較記事をいくら磨いても、そこは動かしにくい。だからこそ、比較される側の実体と、第三者が語ってくれる状態を積み上げる方に意味が出てくる、と考えられます。

ではおすすめ○選はこれから書くべきでないのか

そこまでは言えません。

実際に使った・依頼した経験にもとづく比較は、今でも価値があります。深い専門知識からの評価、読者の立場に立った選び方の解説。これらはAIにはまだ難しい領域だと思います。

圧縮される可能性が高いのは、公式サイト情報を並べただけの「形式的な比較」の部分です。おすすめ○選を書くなら、自分が経験した内容を書く。書けないなら書かない。そのリソースを実体情報の充実に回す。私たちはそういう判断で進めています。

その考え方で、私たち自身も比較の記事は書いています。ただし、第三者を並べて順位をつけるランキングではなく、2つの選択肢を当事者として整理する形です。たとえば制作会社とマーケティング会社の違いや、テンプレートとオリジナル設計の違いのように、自分たちの立場と、自分たちが不利になる条件まで明かしたうえで書く。経験していないことは書かない、という線引きは同じです。

まとめ

AI時代の競争は、比較記事を書く競争ではなく、比較の材料になる競争に変わっていくかもしれません。

私の場合は、たまたま比較記事を書くのが苦手で、結果として実体情報の方にリソースを使ってきました。それがAIの動きと噛み合っているかどうかは、これから数年の観測で分かっていくと思います。

AI検索を見据えたサイト設計をしたい方へ

ENVY DESIGNでは、AI検索(AIO/GEO)を軸にしたサイト設計と、流入の実測にもとづく改善を行っています。実体情報の積み上げ方や、AIに参照されるためのサイト構造については、AIO・GEO対策のサービスページをご覧ください。料金の目安は料金ページに掲載しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 比較記事は完全になくなりますか?

なくなるとは思いません。実際に使った経験にもとづく比較、深い専門知識からの評価は、AIにはまだ出しにくい価値を持っています。圧縮される可能性が高いのは、公式情報を並べただけの「形式的な比較記事」の部分です。

Q. 実績ページを充実させれば、AIに引用されますか?

保証はできません。ただ、ENVY DESIGNの観測では、実績・料金・会社概要といった実体情報のページへのAI経由の流入が確認されています。どのAIがどのページを引用するかはプラットフォームによって異なりますが、実体情報の充実は、進めて損のない方向だと感じています。

Q. 「実体情報を積み上げる」とは、具体的に何を指しますか?

実績・料金・会社概要・FAQ・お客様の声など、実際の事業活動から自然に生まれる情報を指します。これらを、関連記事や内部リンクでつなぎながら積み上げることで、AIが参照しやすい会社の実体を作りたいと考えています。

Q. AIが比較を代行するようになれば、SEOは終わりですか?

そうは思いません。AIが情報整理を担うことで、AIに参照される実体情報の充実が、より重要になっていくと考えています。SEOとAIO(AI検索最適化)は対立するものではなく、「検索エンジンに評価される」から「AIにも参照される」への拡張として捉えることができます。

出典

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株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

Web業界歴14年。これまでに 500件以上のWeb制作プロジェクトに携わり、企業サイト、採用サイト、ECサイトなど幅広い領域を手がけてきました。ディレクションだけでなく、デザイン・コーディングまで一貫して対応できるのが強みです。近年はAIO(AI Optimization)・GEO領域に注力し、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewなど生成AI検索からの引用獲得を支援しています。

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