SEO会社の提案の見極め方|Googleが公式に示す確認ポイント
いま受けているSEO会社の提案が信頼できるかどうかを、発注側はどう判断すればいいのか。
実は、この問いへの答えの多くを、Google自身が公式ドキュメントとして公開しています。面談で聞くべき質問のリストから、避けるべき業者のサインまで、かなり具体的です。さらに2026年6月には、AI検索対策(AEO・GEO)に関する提案を評価する際の確認ポイントも、新しいガイダンスページに追加されました。
この記事では、Googleが公式に示している確認ポイントを整理したうえで、Web制作会社として商談の場に立つ私たちの視点から、公式リストには無い現場からの見方を一つ加えます。
先に立場を明かしておくと、私たちENVY DESIGNはSEOやAI検索対策を提供する側の会社です。だからこそ、この記事に書く基準は、私たち自身に向けられて構わないものだけを書きます。
見極めの基準は、Googleが公式に公開している
あまり知られていませんが、Google検索セントラルには「SEO業者の利用を検討する」という公式ドキュメントがあります。SEO業者を雇うかどうかの判断から、面談での質問、契約前の注意点までを、Google自身がまとめたものです。
そして2026年6月、Googleは「サードパーティのSEOツール・サービス・アドバイスに関するガイダンス」という新しいページを追加しました。SEOの助言やツールをどう評価すべきかを、Googleが改めて公式化したものです。SEO業者を検討している人にとって、判断の土台をGoogle自身が用意してくれている、と言えます。
Googleが挙げる「面談で聞くべき質問」
公式ドキュメントには、SEO業者の候補との面談で有効な質問の例が列挙されています。主なものを挙げます。
- 過去の作業のサンプルや成功事例を紹介してもらえるか
- Google検索の基本事項に準拠しているか
- どのような結果が、いつごろ期待できるのか。成果はどのように測定するのか
- 同業種、および該当する国や地域でどのような実績があるか
- 担当者とどのように連絡を取ればよいか
- サイトに加えたすべての変更の内容と、その理由を説明してくれるか
注目したいのは、最後の項目です。Googleは「何をやるか」だけでなく、変更の理由まで説明してくれるかを確認項目に入れています。施策の中身だけでなく、その根拠まで説明できるかを見よ、という姿勢だと受け取れます。
さらにGoogleは、逆方向の質問にも触れています。良い業者であれば、あなたのビジネスについて質問してくるはずだ、と。何がそのビジネスを特別で価値のあるものにしているのか、対象顧客は誰か、どのように収益を上げ検索結果をどう活用したいのか、競合はどこか。業者側から、こうした質問が出てくるかどうかも判断材料になります。
Googleが名指しで警告するサイン
同じドキュメントには、注意すべき業者のサインも具体的に書かれています。
まず、順位の保証です。Googleは、Googleで一番上に掲載されることは誰にも保証できない、と明言しています。掲載順位を保証すると主張する業者、Googleとの「特別な関係」を強調する業者、Googleへの「優先登録」を宣伝する業者には注意が必要で、優先登録という仕組みはそもそも存在しない、とまで書かれています。
さらに踏み込んで、「変更を行うことで、検索結果の最初のページに必ず表示されるようになります」などと言う業者の場合は、他のSEO業者を探すように、と具体的なセリフつきで示されています。
期間についても、Googleは、どのような結果がいつごろ期待できるのか、成果をどのように測定するのかを業者に確認するよう案内しています。また、SEO監査では、改善内容について現実的に評価し、関連する作業の見積もりを示すべきだとしています。したがって、根拠や前提を説明せずに「すぐに効果が出ます」と断言する提案があれば、その期間をどのように見積もったのか確認したほうがよいでしょう。
もう一つ実務的なのが、権限の話です。サイトの監査を依頼する段階では、Search Consoleの読み取り専用権限だけを付与し、書き込み権限は渡さないように、と明記されています。契約前の業者にアカウントの編集権限を求められたら、その時点で立ち止まる理由になります。
2026年6月に追加された、AI検索対策の売り込みへの確認ポイント
新しいガイダンスページで扱われているのが、AI検索対策——AEO(Answer Engine Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)と呼ばれるサービス——に関する提案の確認ポイントです。呼び方の違いは AIO・GEO・LLMOの違いを比較表で整理 の記事でも触れています。
Googleは、AI検索向けの最適化をアドバイスされた場合、その内容がGoogleの「生成AI向けに最適化」の公式ガイダンスと整合しているかを、自分で確認するよう求めています。
あわせて、サードパーティのツールやサービス全般について、次の点が明確にされました。
- サードパーティのツールは、Googleの内部ランキングデータにアクセスできない。性能を保証することはできない
- 「Googleに承認されている」「容認されている」と主張・示唆するサービスに注意。Googleはサードパーティのサービスを評価していない
- 良いアドバイスとは、データや経験に基づく意見として主張を限定しているか、Google公式ガイダンスを引用して裏付けているもの
最後の一点は、SEOの助言全般に効く判断基準だと考えられます。「Googleはこう言っている」と語る提案があったら、その根拠となる公式ドキュメントを示せるか。示せないなら、それは業者の意見であって、意見なら意見と明示されているべきです。
なお、Googleの生成AI向けガイドでは、生成AIの機能に表示されるために、特別なファイルや新しい仕組みを用意する必要はなく、従来のSEOの基本が引き続き有効だ、という趣旨が示されています。AI検索対策として、特別なファイルやAI向けの特殊な書き換え、コンテンツの「チャンク化」などを「必須」として売り込む提案があれば、公式見解とのズレを確認する材料になります。
正直に書いておくと、私たち自身、自社サイトにllms.txtを設置しています。Googleは、llms.txtのようなファイルについて、Google検索では使わず、表示やランキングに影響しないと説明しています。私たちの設置は、Google以外のAIクローラーに向けた実験という位置づけです。効果が確立された施策ではないことを明示したうえで、自社サイトだけで試しています。お客様のサイトに「必須の施策」として提案することはありません。
ここからは私たちの意見:提案書ではなく、質問への回答力を見る
ここまではGoogleの公式ドキュメントに基づく話でした。ここからは、Web制作会社として商談の場に立つ私たちの意見です。公式の基準ではないので、そのつもりで読んでください。
生成AIの普及で、体裁の整った提案書は誰でも作れるようになりました。分析らしき図表、専門用語、施策リスト。見栄えの良い提案書は、もはやそれだけでは実力の証明になりにくくなっています。コンテンツや資料は外注できても、その裏づけとなる思想までは外注しにくい、という話は 思想までは外注できない でも書きました。
差が出やすいのは、その場の質問への回答だと考えています。「なぜうちの会社にこの施策なのか」「この数字の根拠は何か」「うちの業種でうまくいかなかった事例はあるか」——準備した資料の外側から質問したとき、自分の言葉で、根拠と一緒に答えられるか。
実際、私たちが商談に立つ場面でも、用意された流れの外から質問を一つ足すだけで、理解の深さの差が見えることがあります。あくまで私たちの限られた経験のなかでの観察ですが、提案書の完成度そのものよりも、この受け答えのほうが、後々の相性をよく表していたように感じています。
これは、Googleが面談での質問リストを公式に用意していることとも重なります。資料を読むのではなく、質問をぶつけて回答を見る。発注側にとって、商談は提案書の朗読会ではなく、相手の理解の深さを確かめる場だと考えています。
商談で使える確認チェックリスト
最後に、ここまでの内容を、発注側が商談の場でそのまま使える形にまとめておきます。
- 提案の根拠となるGoogle公式ドキュメントを示せるか
- 期待できる結果・時期・測定方法を、根拠とともに説明できるか
- 順位保証やGoogleとの「特別な関係」「優先登録」を口にしていないか
- AEO・GEOの提案が、Googleの生成AI向けガイダンスと整合しているか
- 監査段階で求める権限が、Search Consoleの読み取り権限にとどまっているか
- 相手から自社の事業・顧客・競合について質問が出てくるか
- 用意された資料の外から質問しても、自分の言葉で根拠を説明できるか
最後の項目は、私たちが特に重視している見方です。
まとめ
SEO会社の提案を見極める基準は、かなりの部分をGoogleが公式に公開しています。順位を保証する業者は避ける。変更の理由まで説明できるかを確認する。AI検索対策の売り込みは、公式ガイダンスとの整合性で確認する。監査段階では読み取り専用権限だけを渡す。
そのうえで、私たちが加えるとすれば一つ。提案書の見栄えではなく、質問への回答力を見ることです。もう一つ、その会社が提案する施策を自社サイトでも実践しているか、という見方もありますが、これは項目を改めて書くべき話なので、ここでは触れるだけにとどめます。
なお、SEO会社ではなく制作会社そのものの選び方については ホームページ制作会社の選び方 で別に整理しています。
最後に。この記事に書いた基準は、そのまま私たちに向けてもらって構いません。過去の事例も、施策の根拠も、商談の場でご質問ください。それに答えるのが、提供する側の仕事だと考えています。
よくある質問
Googleの公式な基準は、どこで読めますか?
Google検索セントラルの「SEO業者の利用を検討する」で公開されています。面談での質問例、注意すべき業者のサイン、契約前の確認点がまとまっています。加えて2026年6月には、AEO・GEOを含む生成AI向けの提案や、サードパーティのSEOツールを評価する際の確認ポイントが、新しいガイダンスページに追加されました。
「順位を保証します」という提案は、なぜ問題なのですか?
Googleが、Googleで一番上に掲載されることは誰にも保証できない、と公式に明言しているためです。検索結果への掲載や順位に関して、Googleが金銭を受け取ることも、優先的に登録する仕組みも存在しません。保証を約束する時点で、公式の説明と矛盾していると考えられます。
AI検索対策(AEO・GEO)を売り込まれたら、どう判断すればいいですか?
その提案がGoogleの「生成AI向けに最適化」の公式ガイダンスと整合しているかを、自分で確認する、というのがGoogleの示した考え方です。Googleは、生成AI検索への最適化も本質的にはSEOと同じであり、特別なファイルやAI向けの特殊な書き換えは必要ない、という趣旨の説明をしています。「AI検索専用の特別な施策」を必須として売り込む提案は、公式見解と照らして確認することをおすすめします。
契約前にSearch Consoleの権限を求められました。渡していいのでしょうか?
Googleは、監査を依頼する段階では読み取り専用権限のみを付与し、書き込み権限は渡さないように、と公式に案内しています。読み取り権限であれば、業者はデータの確認ができ、サイトへの変更はできません。契約前の段階で編集権限を求められた場合は、理由を確認したほうがよいと考えられます。
出典
- Google検索セントラル「SEO業者の利用を検討する」
- Google検索セントラル「Google Search’s guidance on using third-party SEO tools, services, and advice」
- Google検索セントラル「生成AI向けに最適化」
- Search Engine Land「Google adds guidance on third-party SEO tools, services, advice and updates hiring an SEO doc」
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