2026年6月のGoogleスパムアップデート|自社サイトへの影響を実測
2026年6月、Googleはスパムアップデートを実施しました。
この記事では、Googleの公式発表を整理したうえで、スパムポリシーに抵触する施策を行っていない私たちの自社サイト(envydesign.jp)が、アップデートの前後でどう動いたかを、Google Search Consoleのデータで確認します。
今回の観測では、アップデート後も続く顕著な悪化は確認できませんでした。
ただし、これは1サイトを短期間観測した結果であり、数値の変化とアップデートの因果関係を証明するものではありません。その点も含めて、実際のデータを見ていきます。
2026年6月のスパムアップデートとは何だったのか
Googleは2026年6月24日にスパムアップデートの開始を発表し、6月26日に完了しました。ロールアウト期間は約2日間で、全世界・すべての言語が対象でした。
2026年に実施されたスパムアップデートとしては、3月に続く2回目です。
今回のアップデートと同時に、新しいスパムポリシー項目は発表されませんでした。既存のスパムポリシーに違反するコンテンツやサイトを検出する、自動システムの改善として位置づけられます。
スパムアップデートとコアアップデートは、目的が異なります。コアアップデートが検索結果全体の評価システムを広く改善するものであるのに対し、スパムアップデートは、検索順位を操作する行為などを検出する仕組みを改善するものです。
Googleは、AIベースのスパム防止システムの一つとして「SpamBrain」を挙げています。ただし、今回のアップデートでSpamBrainのどの部分が変更されたのか、具体的な内容は公表されていません。
なお、一部の業界報道では、今回のアップデートはリンクスパムと「サイトの評判の不正使用」を対象としていないと伝えられています。ただし、これはGoogleの公式ダッシュボードに記載された情報ではなく、Googleへの取材をもとにした報道です。
そもそもスパムアップデートで影響を受けるのは、どんなサイトか
Googleのスパムポリシーは、検索順位を不正に操作したり、検索ユーザーや検索エンジンを欺いたりする手法を対象としています。
単に文章の質が低い、情報が古い、内容が十分ではないというだけで、直ちにスパムポリシー違反になるわけではありません。
Googleのスパムポリシーには、たとえば次のような行為が含まれます。
- ユーザーにとって価値の乏しいページを、大量かつ自動的に生成する
- 他サイトのランキングシグナルを利用する目的で、第三者コンテンツを掲載する
- 隠しテキストや隠しリンクを設置する
- 類似した誘導ページを大量に作る
- 検索エンジンとユーザーに異なる内容を見せる
こうした操作的な施策を行っていないサイトは、スパムアップデートによる直接的なリスクを抑えやすいと考えられます。
ただし、ポリシー違反をしていないサイトが、アルゴリズム変更の影響を一切受けないと保証されるわけではありません。
私たちのサイトでは、何が起きたか
私たちの自社サイトについて、アップデート前後のGoogle Search Consoleのデータを比較しました。
実数ではなく、アップデート前の期間である6月10日から23日までの1日あたり平均を100として、指数で示しています。
| 期間 | クリック(日次平均指数) | 表示回数(日次平均指数) |
|---|---|---|
| 更新前(6/10〜6/23) | 100 | 100 |
| ロールアウト中(6/24〜6/26) | 84 | 87 |
| 更新後(6/27〜7/10) | 104 | 108 |
【調査条件】Google Search Consoleの検索パフォーマンスデータ(検索タイプ:ウェブ/国・デバイス指定なし/対象プロパティ:envydesign.jp全体)を使用。各期間の1日あたり平均を算出し、更新前の平均を100として指数化しました。指数は「各期間の日次平均 ÷ 更新前の日次平均 × 100」で算出しています。日付はGoogle Search Consoleの基準(太平洋時間)に準じ、データ取得日は2026年7月14日です。
ロールアウト中の3日間は、クリックの日次平均が84、表示回数が87となり、更新前より一時的に低下しました。ただし、観測期間が3日間と短いため、この低下だけを見て、スパムアップデートの影響だったと判断することはできません。曜日による変動や検索需要、個別記事の動きなど、ほかの要因も考えられます。
更新後の14日間では、クリックが104、表示回数が108となり、どちらも更新前を上回りました。今回の観測範囲では、アップデート後も継続する大幅な下落は確認できませんでした。
なお、更新後は表示回数の伸びがクリックの伸びを上回っているため、クリック率(CTR)は更新前よりわずかに低下している可能性があります。新しい検索語句や、比較的低い掲載順位での表示が増えた可能性も考えられますが、原因を判断するには、クエリ別・ページ別のデータを確認する必要があります。
平均掲載順位は、12位台から13位台へわずかに下がりました。一方で、表示回数は増えています。これまで表示されていなかった検索語句で、比較的低い順位の表示が増えた場合、平均掲載順位の数値は下がることがあります。
ただし、実際に新しい検索語句での表示が増えたかどうかは、クエリ別のデータを確認しなければ分かりません。今回の集計値だけから、順位が悪化した、または改善したと断定することはできません。
この結果を、どう読むか
今回の結果は、1つのサイトを限られた期間だけ観測したものです。
検索トラフィックの変動には、アルゴリズムアップデート以外にも、曜日、季節性、検索需要、個別記事の順位変動、競合サイトの動きなど、さまざまな要因が含まれます。そのため、今回の数値の変化が、すべてスパムアップデートによって生じたと断定することはできません。
今回のデータから確認できるのは、私たちのサイトでは、アップデート後も続く顕著な下落が見られなかったということです。
私たちは、中身の乏しいページの大量生成や、他サイトのランキングシグナルを利用することを目的とした施策には依存してきませんでした。自分たちの経験や実測をもとに記事を作り、ユーザーにとって必要な情報を届けることを基準に運用しています。
こうした運用が、今回影響を受けなかった直接の原因だったと証明できるわけではありません。ただし、スパムポリシーに抵触する可能性のある施策に依存しないことは、スパム検出システムの変更によるリスクを抑える土台になります。
操作的な施策への依存度が高いほど、スパム検出システムの変更によるリスクは大きくなります。一方で、Googleのポリシーに沿い、ユーザーに提供する価値を基準に運用することは、アップデートによるリスクを抑えるための基本になります。
もちろん、適切に運用しているサイトが、アルゴリズム変更の影響をまったく受けないわけではありません。それでも、短期的な順位操作に依存しないことは、長期的に安定したサイトを作るうえで重要だと考えています。この考え方は、独自性とは「コピペしたら嘘になる情報」で紹介しているコンテンツ制作にも通じます。
まとめ
2026年6月のGoogleスパムアップデートは、6月24日から26日にかけて実施されました。全世界・すべての言語が対象で、既存のスパムポリシーに違反するコンテンツなどを検出する、自動システムの改善として位置づけられます。
私たちの自社サイトでは、ロールアウト中の3日間にクリックと表示回数の日次平均が一時的に低下しました。一方、更新後の14日間では、クリックと表示回数のどちらも更新前を上回りました。今回の観測範囲では、アップデート後も続く顕著な悪化は確認できませんでした。
ただし、これは1サイトを短期間観測した結果です。数値の変化が、すべてスパムアップデートによるものとは限りません。今回の結果は、「アップデートの影響がなかったことの証明」ではなく、「少なくとも大幅な下落は観測されなかった一例」として捉えるのが適切です。
アップデートのたびに短期的な数値だけを見て一喜一憂するのではなく、操作的な施策に依存せず、ユーザーにとって必要な情報を積み重ねることが、長期的に安定したサイト運用の土台になります。
よくある質問
スパムアップデートとコアアップデートは何が違いますか?
スパムアップデートは、Googleのスパムポリシーに違反するコンテンツやサイトを検出する、自動システムの改善です。コアアップデートは、検索結果全体の評価システムを広く改善するものです。目的と対象が異なります。
スパムアップデートで順位が下がったら、どうすればいいですか?
まず、順位やトラフィックの変動が、アップデートの実施時期と一致しているかを確認します。そのうえで、Google Search Consoleの「手動による対策」、インデックス登録の問題、サイトの技術的な不具合、検索需要の変化、競合サイトや検索結果の変化、個別ページの順位変動といった別の原因も切り分けます。
その後、Googleのスパムポリシーを確認し、違反にあたる施策を行っていないかを見直します。問題を修正しても、Googleの自動システムがサイトを再評価するまで、数か月かかる場合があります。すぐに順位が戻ることを前提にせず、問題のある施策を取り除き、サイト全体を継続的に改善する必要があります。
操作的な手法を使っていなくても、影響を受けることはありますか?
可能性はあります。スパムポリシーに違反していないサイトでも、アルゴリズムの変更、検索需要、競合サイト、検索結果の構成などによって、順位やトラフィックが変化することがあります。操作的な施策を行っていないからといって、数値がまったく変動しないことが保証されるわけではありません。
ただし、スパムポリシーに抵触する施策に依存しないことは、大きな下落につながるリスクを抑えるための基本になります。
順位が少し下がったのに、表示回数が増えるのはなぜですか?
新しい検索語句で、比較的低い順位に表示される機会が増えると、サイト全体の平均掲載順位が下がることがあります。その場合、平均掲載順位の数字は悪化していても、検索結果に表示される範囲自体は広がっている可能性があります。
平均掲載順位だけで判断せず、表示回数、クリック数、CTR、クエリ別の掲載順位、ページ別の掲載順位をあわせて確認する必要があります。実際に新しい検索語句での表示が増えたかどうかは、Google Search Consoleのクエリ別データで確認できます。
出典
- Google Search Status Dashboard「June 2026 spam update」 https://status.search.google.com/incidents/YUX1peHev5a4fkxLDiUQ
- Google検索セントラル「Google 検索のスパムアップデートとサイト」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/spam-updates?hl=ja
- Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」 https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja
- Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」 https://support.google.com/webmasters/answer/7042828?hl=ja
- Search Engine Roundtable「Google June 2026 Spam Update Is Done Rolling Out」 https://www.seroundtable.com/google-june-2026-spam-update-done-41580.html
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