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更新頻度が高いサイトはAIに推薦されやすい?自社観測と研究データ

AIO/GEO 戦略・思想

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

「サイトは定期的に更新した方がいい」とは昔から言われてきました。ただ、AI検索の時代にそれがどう効くのかは、正直なところ見えにくいままです。更新を続けても、AIに推薦されているかどうかを直接確認する手段がないからです。

先にお伝えします。AIによる情報の選択やクロールが、比較的新しく公開・更新されたページに偏る傾向は、複数の調査データで示されています。ただし、これらの調査が示しているのはページ単位の新しさとの関係であり、サイト全体の更新頻度や継続性の効果を直接検証したものではありません。そして私たちのサイトでは、記事の公開・見直しを行った2つの期間で、正式社名クエリが発生、または再発生する動きを観測しました。因果関係は証明できず、AIからの推薦が発生源だったことも確認できません。ただし、更新の継続と、AIを含む外部接点からの指名検索との関係を検討する材料にはなると考えています。

このページでは、外部の調査データと私たちの観測データを分けて示したうえで、現時点の仮説と、その仮説を検証するための判定基準を先に決めて書いておきます。

AIによる情報の選択やクロールと、コンテンツの新しさの関係を調べた研究があります

【調査データ】として、性質の異なる3つの調査と、AI検索の技術的な前提を説明したGoogle公式ガイドを挙げます。それぞれ調べている対象が異なるため、役割を分けて紹介します。

まず学術研究です。早稲田大学の研究チームがACM SIGIR-AP 2025で発表した論文「Do Large Language Models Favor Recent Content?」では、検索候補の文書に人工的な公開日を付与し、LLM(GPT-4oなど7モデル)に並べ替えさせる実験を行っています。候補文書の内容や検索意図との関連性が同程度でも、付与された公開日によってLLMによる並べ替え結果が変わることが確認され、順位が最大95位動いたケースも報告されています。これは、LLMを検索結果の再ランキングに使用した場合に、新しい日付の文書を優先する傾向が生じ得ることを示した研究です。ChatGPTなどが実際の回答で引用先を選ぶ工程全体を再現したものではない点には注意が必要です。

次に、実際の引用の分析です。Ahrefsが約1,700万件の引用URLを分析した調査では、AIアシスタントが引用したURLは、Googleの自然検索結果に表示されたURLより、初公開からの経過日数が平均25.7%短かったと報告されています。なお、ここでいう初公開日は、Ahrefsのクローラーがその記事を最初に発見した日を代用したものです。最終更新日からの経過日数で比較した場合の差は13.1%(909日と1,047日の比較)で、初公開基準より小さくなります。更新頻度を考えるうえでは、この二つの数値を分けて見る必要があります。

クローラーの挙動を見た調査もあります。Seer Interactiveが5,000超のURLを分析した調査では、AIボットによるアクセスの約65%が、過去1年以内に公開されたページへ向かっていました。また、アクセスの89%は過去3年以内に更新されたコンテンツに集中していたと報告されています。あわせて、業種によって新しさの重みが異なることも示されています。

最後にGoogle公式ガイドです。2026年5月に公開された生成AI機能向けの最適化ガイドでは、AI Overviewsなどの生成AI機能が、検索システムによって取得されたWeb上の情報を利用して回答を構成することが説明されています。ただし、Googleはこのガイドで、更新日の新しさ自体が選定に有利になるとは説明していません。ここから確認できるのは、Googleの生成AI機能でも、通常の検索システムでWeb上の情報を取得できる状態にしておくことが技術的な土台になる、ということです。

これらはいずれも「引用やクロールのされやすさ」に関する調査や技術的な前提であって、更新すれば推薦されると保証するものではありません。また、いずれも個々のURLの公開日・更新日と、引用やクロールの関係を調べたものです。サイト内に新しい記事を追加し続けることが、既存ページや会社そのものの推薦につながるかは、別の検証が必要です。今回の自社データでは、その未検証の部分を仮説として扱います。

私たちのサイトでは、記事の公開・見直し後に正式社名クエリが確認されました

ここからが自社の観測です。

前提として、私たちは「株式会社ENVY DESIGN」という正式社名での検索を、AI経由の間接的な影響を測る指標の候補として見ています。正式社名をスペース区切りで入力する検索は、一般的な略称による指名検索より自然発生しにくく、どこかに表示された社名をコピーして検索した可能性があるためです。この考え方の詳細は別の記事(正式社名クエリ出現の実測)に書きました。

なお、「envy design」などの一般的な表記の検索は、この観測には使っていません。私たちやスタッフが順位確認などで日常的に検索するほか、既存のクライアントがサイトへ移動する目的で検索する可能性もあり、自然発生の指名検索と区別できないためです。正式社名のスペース区切りという、社内でもクライアントでも普段は使わない表記に限定することで、ノイズを減らしています。

私たちのサイトには、記事の追加や既存内容の見直しを継続していた期間が2回あります。2025年7月からの約2か月間(更新期間①)と、2026年4月から現在まで続く期間(更新期間②)です。Search Consoleで正式社名クエリ(完全一致)の表示回数を月別に並べると、次のようになりました。

正式社名クエリの表示回数サイトの更新状況
2025年4〜6月0更新なし(更新期間①の開始前)
2025年7月6更新期間①(7〜8月)
2025年8月9更新期間①
2025年9月19停止
2025年10月14停止
2025年11月14停止
2025年12月〜2026年4月0停止(2026年4月から更新再開)
2026年5月5更新期間②(4月〜継続中)
2026年6月17更新期間②
2026年7月(20日まで)9更新期間②

【調査条件】Search Console/対象プロパティはenvydesign.jp単体/クエリ完全一致/2025年4月1日〜2026年7月20日(Search Console APIの遡及上限により2025年3月以前は検証できていません)/データ取得日2026年7月23日。

読み取れるのは次の2点です。

  • 更新期間①の開始前3か月(2025年4〜6月)は表示がゼロで、更新が始まった7月から表示が確認されたこと。更新終了後の9月に最多となり、11月まで表示が続いた後、12月から5か月間、再びゼロだったこと
  • 更新期間②が始まった2026年4月の翌月に再出現し、6月に増加したこと

母数は月あたり数件〜十数件と小さく、断定できる規模ではありません。それでも、5か月間表示されなかったクエリが、更新再開の翌月に再び現れたことは注目に値します。ただし、観測できたのは2つの期間だけであり、同じ周期が再現されたと判断できる段階ではありません。

なお、「エンヴィ」を含むクエリの表示回数も、通常月の1〜5回に対し、2026年6月は21回に増加しました。対象クエリの範囲や実数が正式社名クエリとは異なるため、補助的な観測として扱っています。

正式社名クエリは、サイト全体の表示回数とは異なる動きをしていました

「更新したから検索露出全体が増えて、その中で社名も検索されただけでは」という説明が最初に思い浮かびます。ただ、データはその説明と合わない部分があります。

サイト全体の表示回数を2025年7月を100とした指数で見ると、更新期間①の後、9月は約60、10月は約47まで下がっています。全体の露出が落ちている時期に、正式社名の検索は最多となっていました。逆に2026年は、4月の約49から6月の約77へ全体も回復していますが、正式社名クエリはゼロからの再出現であり、全体の回復とは動きの形が異なります。

少なくとも、正式社名クエリの増減が、サイト全体の表示回数と単純に比例していたわけではありません。全体露出以外の要因が影響した可能性があります。

【仮説】更新の継続がAIの参照候補を増やし、指名検索につながる、という経路

ここからは【仮説】です。現時点で、検証する価値があると考えている経路の一つは次のとおりです。

新しい記事の公開や既存ページの実質的な見直しを続けることで、AIクローラーが接触し得る新しいURLや更新ページが増え、サイトや会社について参照できる情報が継続的に補われる。その結果として、回答内で会社名が引用・言及される機会が増える可能性がある。

回答内で社名を見た人の一部が、正式社名をコピーして検索し、実在確認をする。更新が止まると、新たにクロール・参照される候補が追加されなくなり、既存情報も時間の経過とともに相対的に古くなる。その結果、回答内で会社名が言及される機会が徐々に減り、社名をコピーして検索する人も減る可能性がある。

この経路は、先に挙げた調査データ(LLMの再ランキングは新しい日付を優先し得る、実際のAI引用は初公開の新しいURLに偏る、AIボットのアクセスは直近1年に公開されたページに集中する)と矛盾しません。

一方で、正直に書いておくと、この仮説には検証できない部分があります。過去のある時点でAIが実際に何を回答していたかのログは存在しないため、遡って確認することはできません。また、正式社名で検索する人には、見積書や登記情報を見た取引前の確認、求人応募者の企業調べ、SNSや外部サイトで社名を見た人など、別の発生源もあり得ます。更新期間と営業活動などの対外的な動きが重なっていた場合、その影響を完全には分離できていません。あくまで母数の少ない一社の観測です。

検証のため、判定基準を先に決めておきます

仮説は、当たり外れの基準を事前に決めておかないと、後からどうとでも解釈できてしまいます。そこで判定基準を先に書いておきます。

私たちのサイトは2026年7月以降も更新を続けています。もし今回想定した経路が一定程度影響しているなら、更新を継続している2026年8〜9月も正式社名クエリの表示が続き、少なくとも2か月連続でゼロにはならないと予測します。一方、更新を続けているにもかかわらず2か月以上ゼロが続いた場合、更新の継続と正式社名クエリの発生に関係があるという見方は、弱まったと判断します。

ただし、表示が続いた場合も、それだけでAIからの言及が発生源だったとは判断しません。今回の判定基準は仮説を証明するためのものではなく、少なくとも更新継続中にも同じクエリが消えるかどうかを確認するためのものです。母数が小さいため、「月に何回以上」という基準ではなく、「連続してゼロになるかどうか」を基準にしています。結果がどちらに転んでも、数か月後に答え合わせの記事を書きます。

自社サイトで同じ観測をする方法

同じ観測は、Search Consoleがあれば無料でできます。あわせて、外部要因との切り分けのために、比較対象も一緒に記録しておくことをおすすめします。

  • 検索パフォーマンスで、正式社名(「株式会社+英字表記」など、自然には打たれにくい形)のクエリをフィルタで完全一致指定し、月別の表示回数を記録する
  • 正式社名クエリだけでなく、一般的な社名表記、サービス名、代表者名なども分けて記録する
  • サイト全体の表示回数、問い合わせ数、営業・採用活動やプレスリリースなど対外的な動きの時期も、同じ表に並べる
  • 自分やスタッフが同じ表記で検索していないかを確認する(Search Consoleには自分の検索を除外する機能がないため、ここは運用でしか担保できません)
  • ChatGPTなどで自社が言及されるかの定点確認を行う場合は、質問文・実施日・環境・回答結果を保存しておく

既存の指名検索が少ない会社では、今回のような特殊な社名クエリの変化が、通常の指名検索に埋もれにくくなります。一方、指名検索が多い会社では、AI起点と考えられる変化を既存の検索需要から分離しにくい点にご注意ください。

まとめ|現時点で言えることの範囲

この記事から現時点で言えることは、次の範囲です。

  • LLMによる再ランキング、実際のAI引用URL、AIクローラーの訪問には、比較的新しいコンテンツに偏る傾向を示した調査がある
  • 私たちのサイトでは、記事の公開・見直しを始めた時期と正式社名クエリが発生し始めた時期に重なりが見られた
  • ただし、正式社名クエリがAIの推薦によって発生したことは確認できていない
  • 更新の継続と社名検索の関係を検証するため、今後の推移を事前に決めた基準で追跡する

「更新すればAIに推薦される」とは言えません。言えるのは、新しい記事の公開や既存情報の実質的な見直しを続けることは、AIが参照できる新しい情報を継続的に用意する方法の一つかもしれない、ということまでです。その影響は直接測れないため、指名検索やAI経由の流入など、複数の間接指標をあわせて追う必要があると考えています。

AI検索への対応の全体像は、AIO・GEO対策のサービスページにまとめています。

よくある質問

更新頻度を上げれば、AIに必ず推薦されますか?

いいえ、保証はありません。調査データが示すのは「比較的新しいコンテンツが引用・クロールされやすい傾向」までです。新しさだけで選ばれるわけではなく、検索意図との関連性や内容の質、独自性なども重要だと考えられます。Googleの公式ガイドも、独自の価値あるコンテンツの作成を最優先事項としています。

中身を変えずに日付だけ更新しても効果はありますか?

実質的な変更を伴わずに日付だけを更新することはおすすめしません。読者に誤解を与えるほか、更新日そのものの信頼性を損なうためです。日付を変更する場合は、内容の追加、数値の更新、リンク切れの修正、現在の状況に合わせた見直しなど、実質的な変更を伴わせるべきだと考えています。

どのくらいの頻度で更新すればよいですか?

確立された基準はまだないと考えています。業種によって新しさの重みが異なるという調査もあります。私たちの観測では、単発の更新と指名検索の関係は確認できておらず、更新を続けていた期間との重なりが見られただけです。継続している状態を保つことに意味がある可能性はありますが、検証中です。

指名検索が増えているかは、どこで確認できますか?

Search Consoleの検索パフォーマンスで、社名系クエリをフィルタして月別に見るのが確実です。アクセス解析ツールでは、指名検索は通常の自然検索流入に混ざるため分離できません。

AI経由の影響は、アクセス解析だけで測れますか?

一部しか測れないと考えています。アクセス解析に参照元として記録されるのは、AIの回答内のリンクをクリックした訪問だけです。回答で社名を見てから検索し直す人や、その場で完結する人は記録に残りません。今回の正式社名クエリのような間接指標を併用する必要があると考えています。

出典

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株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

Web業界歴14年。これまでに 500件以上のWeb制作プロジェクトに携わり、企業サイト、採用サイト、ECサイトなど幅広い領域を手がけてきました。ディレクションだけでなく、デザイン・コーディングまで一貫して対応できるのが強みです。近年はAIO(AI Optimization)・GEO領域に注力し、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewなど生成AI検索からの引用獲得を支援しています。

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