カスタム投稿タイプは内部リンク運用にも効く|300ページ超の気づき
envydesign.jpは、WordPressのカスタム投稿タイプ(投稿を種類ごとに分けて管理する仕組み)を8つに分けて運用しています。ブログ、よくある質問、用語集、制作の流れ、お悩み別ページ、比較記事、制作実績、お客様の声。すべて合わせると300ページを超えます。
最初にお伝えしておくと、この分割は内部リンクのために設計したものではありません。分けた当初の理由は単純で、読者にとって別の種類のコンテンツだったからです。悩みから探す人、用語を調べに来た人、実績を確かめたい人。それぞれ読み方が違うのだから、置き場所も分けておこう。当時はそこまで深く考えていたわけではありませんでした。
内部リンクの運用に効くと気づいたのは、ずっと後になってからです。今回はその気づきについて書きます。
内部リンクをまとめて整備した日に気づいたこと
先日、サイト全体の内部リンクをまとめて見直す機会がありました。サービスページへ案内するリンクが不足している記事を洗い出し、文脈に合う一文を添えて追加していく作業です。対象は300ページ超、作業は1人。他の業務と並行しながらでしたが、1日で50本以上のリンクを追加できました。
作業を終えてから、想定よりずっと速く終わったことが気になりました。300ページ超を対象に、どの記事からどこへ張るべきかを判断する作業です。1記事ずつ本文を読んで考えていたら、数日かかってもおかしくありません。
振り返って理由を考えたところ、投稿タイプの分割が効いていたのではないか、という結論に行き着きました。ここからは、その理由を3つに分けて説明します。
理由①: 投稿タイプが読者の状況を教えてくれる
内部リンクで一番難しいのは、リンクを張るかどうかの判断です。機械的に張ることは誰でもできますが、読者がそのリンクを辿る理由があるかどうかは、記事の文脈を読まないと分かりません。
ところが、投稿タイプが分かれていると、この判断の半分が最初から済んでいることに気づきました。
お悩み別ページに来ている人は、何かに困っています。比較記事を読んでいる人は、選択肢の間で迷っています。用語集に来ている人は、言葉の意味を調べています。つまり投稿タイプそのものが「この記事の読者は、どんな状況の人か」を教えてくれます。
読者の状況が分かれば、案内すべき先も絞られます。困っている人にはその悩みの出口を、迷っている人には選んだ後の受け皿を、調べている人には理解に必要な範囲だけを。投稿タイプが分かれている時点で「この記事は悩み解決なのか、比較なのか、用語説明なのか」が分かるため、本文を読む前から候補をかなり絞れました。すべてブログという一つの箱に入っていたら、この絞り込みを毎回、本文を読み込んで行うことになっていたはずです。
理由②: 張り先のルールを種別単位で決められる
読者の状況が種別で分かるということは、リンクの方針も種別単位で決められるということです。今回の作業では、実際に次のようなルールで進めました。
比較記事からは、選択後の受け皿になるサービスページへ。「AとBの違い」を読み終えた人は、どちらかを選んだ後に進む先を探すためです。
お悩み別ページからは、その悩みの出口になるページへ。悩みの説明で終わらせず、解決の選択肢まで案内します。
用語集からは、その用語の理解に必要な範囲だけ。用語集は言葉の意味を知りたい人のための場所なので、リンクを増やしすぎると本来の役割から外れると考えています。
こうしてルールを種別ごとに決めてしまえば、あとは各記事の文脈に合わせて文面を調整するだけです。300ページ超の個別判断が、8種別分の方針決定に置き換わります。作業が速かった最大の理由は、ここにあったと思います。投稿タイプを分けたから速くなったのではなく、投稿タイプごとにリンク方針を決められたことで、個別判断が大幅に減ったのです。
理由③: 候補の洗い出しが機械的にできる
もう一つ、実務的な効果がありました。リンクを張る候補を探すとき、投稿タイプ単位で一覧を絞り込めることです。
たとえば「ランディングページのサービスに関連する記事」を探す場合、比較記事の一覧から広告やページ種別に触れているものを見ていけば、候補はすぐに揃います。全記事を横断して探すのとは、かかる時間がまったく違います。
ただし、候補が速く出ることと、張るべきかどうかは別の話です。今回の作業では、あるサービスページについて機械的な抽出で72記事が候補に挙がりました。そのうち、実際にリンクを追加したのは7記事です。残りの65記事は、キーワードは含んでいてもテーマが違う記事でした。
張れる場所と、張るべき場所は違います。
候補出しが速くなった分、この選別に時間を使えるようになった、というのが正確なところだと思います。
順序を逆にしないための注意
ここまで読むと、「内部リンクのためにカスタム投稿タイプを分けよう」という結論に見えるかもしれません。ですが、その順序は逆だと考えています。
分類の基準は、あくまで読者にとって別の種類のコンテンツかどうかです。リンクの張りやすさは、その分類が正しかったときに、結果としてついてくる副産物です。
順序を逆にして「リンクが張りやすいから」を理由に投稿タイプを増やし始めると、読者には区別のつかない、分類のための分類が増えていきます。分類が読者の実態と合っていなければ、種別から読者の状況を読み取ることもできなくなるので、結局リンクの判断にも使えません。
新しい投稿タイプを検討するときは、「この分け方は読者にとって意味があるか」を先に問う。読者のための分類が先で、運用効率はあとから付いてくるものだと考えています。
まとめ: 投稿タイプ設計は数年後の運用速度に効く
カスタム投稿タイプの設計は、公開時のURL整理やテンプレートの話として語られることが多いように思います。ですが今回の経験から言えるのは、この設計が数年後の運用速度、特に内部リンクのような横断的な作業の速さに効いてくる、ということです。
繰り返しになりますが、これは設計時に狙っていたことではありません。300ページ超・8種別まで育てて、まとめて手を入れる段になって初めて分かったことです。投稿タイプは公開時の整理だけでなく、数年後にサイト全体へ手を入れるときの速度まで左右する設計でした。同じ規模のサイトを運用している方の参考になれば幸いです。
投稿タイプとカテゴリのどちらで分けるべきかという設計段階の話は、カスタム投稿タイプとブログカテゴリの違いで詳しく書いています。あわせてご覧ください。
サイト構造の整理を含めたSEOの支援内容は、SEOコンサルティングのページでご紹介しています。
よくある質問
カスタム投稿タイプはいくつまで増やしてよいですか?
数の上限はありませんが、基準は「読者にとって別の種類のコンテンツか」だと考えています。管理画面やサイトマップは種別ごとに分かれるため、読者に区別のつかない分割はかえって運用を複雑にする可能性があります。
投稿タイプを分けるとSEOに直接効果がありますか?
投稿タイプの分割そのものが順位要因になるとは言えません。本文で書いた通り、効果はサイト構造の整理や内部リンク設計の質を通じた間接的なものと考えています。分けること自体を目的にはしない方がよいと思います。
既存のブログ記事を後からカスタム投稿タイプへ移せますか?
技術的には可能ですが、URLの変更を伴うため301リダイレクトと内部リンクの張り替えが必要になります。評価の引き継ぎには一定の注意が必要なので、移行は本数が少ないうちに判断する方が負担は小さいと考えられます。
出典
関連ページ
サイト構造の整理からでもご相談いただけます
投稿タイプの設計や内部リンクの整理は、公開後からでも手を入れられます。相談してみることも可能ですので、お気軽にお声がけください。