BtoBのホームページ制作|BtoC向けとの違いと制作会社の見極め方

Web制作・発注ガイド

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

「うちはBtoBだから、ホームページはそこそこで良い」。以前はよく聞いた言葉ですが、最近は逆の相談が増えています。「取引先も採用候補者も、会う前にサイトを見ている。今のままではまずい」という相談です。

先にお伝えします。BtoBのホームページ制作がBtoC向けと違う一番の理由は、機能でもデザインでもなく、読者です。BtoBでは、検討期間が長く、複数の立場の人がサイトを見て、担当者だけではなく上司や決裁者が判断に加わることがあります。この「読者の違い」を設計に落とせるかどうかが、BtoBサイトの成否を分けると私たちは考えています。

このページでは、BtoBサイトで重要になる情報設計のポイントと、BtoB対応の制作会社を見極める確認事項を解説します。私たちENVY DESIGNは東京・麻布十番でBtoBの制作を中心に500件以上を手がけてきた当事者として、自社サイトの実測データも交えてお伝えします。

このページでわかること

  • BtoBのホームページがBtoC向けと違う理由
  • BtoBサイトで重要になる4つの情報設計
  • 訪問者が実際に見ているページの実測データ
  • BtoB対応の制作会社を見極める確認ポイント

BtoBサイトは「読者」が違う

BtoCのサイトは、多くの場合、見た人がその場で判断します。BtoBは違います。担当者が情報収集し、社内で共有され、上司や決裁者が確認し、場合によっては現場部門や経営層も目を通す。1つのサイトが、立場の異なる複数の読者に、時間差で読まれます。読者の顔ぶれは会社によって様々ですが、本記事では分かりやすく「検討する担当者」と「判断に加わる決裁者」の2つに分けて考えます。

この構造から、BtoBサイトに固有の要件が生まれます。担当者には検討材料(サービス内容・実績・料金の目安)を、決裁者には信頼の根拠(会社情報・体制・取引実績)を、それぞれ渡す必要があるということです。デザインの印象だけを優先すると、この2種類の読者に必要な情報が不足し、成果につながりにくくなることがあります。

なお、事業がBtoCからBtoBへ変わったのにサイトが追いついていない、というケースはこの問題が最も顕著に出ます。該当する場合は「事業はBtoBに変わったのに、ホームページがBtoC仕様のまま」をご覧ください。

BtoBサイトで重要になる4つの情報設計

実績と事例|「同じような会社とやっているか」に答える

BtoBの発注者が確認しやすいのが、自社と近い業種・規模の実績です。実績は「数」よりも、どんな課題をどう解決したかまで書かれているかが検討材料になります。実績が出せない案件が多い業種でも、対応領域や体制を具体的に書くことで代替できます。

料金の目安|「聞かないと分からない」を減らす

BtoBでは「まず概算を掴んでから社内で相談したい」という段階が必ずしも短くありません。料金や目安を開示しているサイトは、この段階の検討者を受け止められます。詳細見積もりが前提の事業でも、価格帯やモデルケースを示す方法があります。

会社情報|決裁者が見る「信頼の根拠」

会社概要・代表者・沿革・所在地。発注の最終段階では、サービス内容よりもこうした基本情報が確認されます。「この会社に頼んで大丈夫か」という決裁者の問いに、サイト上で答えられる状態にしておくことが重要です。

BtoBサイトは、最初に訪れた担当者だけでなく、その担当者からURLを共有された上司や決裁者にも読まれます。営業担当者の補足説明がない状態でも、「何をしている会社か」「いくらくらいか」「どんな実績があるか」が分かるようにしておく。社内で共有されたときに一人歩きできることが、BtoBサイトの実務的な合格ラインだと私たちは考えています。

問い合わせの手前の導線|資料・相談の受け皿

BtoBの検討は長いため、「今すぐ問い合わせ」だけでは取りこぼします。資料請求・事例集・料金資料・相談など、検討途中の接点を用意しているかどうかで、リードの入り口の広さが変わります。

一例として、AI火災防止システムのSpark Eyeのサービスサイト制作では、現場の課題から入り、機能・スペック・他製品との比較表・導入事例へと検討担当者が知りたい順に並べ、最後に資料請求へつなげる構成にしました。技術の説明で終わらせず、検討途中の接点を用意する考え方の実例です。

ENVY DESIGNの観察|訪問者は「誰がやっているか」を見ていた

自社サイトの実測から、BtoBの読者行動について共有できる観察が2つあります。

1つ目は、流入経路による着地の違いです。私たちのサイトでは、AI検索経由の訪問は料金ページへ、検索やその他の経路の訪問は会社案内系のページへ向かう傾向が観測されました。詳細は「AIは料金へ、人は会社案内へ」で公開しています。検討者が「いくらか」と同時に「誰がやっているか」を確認しに来ている、という見方ができます。

2つ目は、会社案内系ページの中での読まれ方の差です。私たちの計測では、代表挨拶ページの平均閲覧時間が約35秒だったのに対し、企業理念ページは約6秒でした(詳細は「代表挨拶35秒・企業理念6秒」)。あくまで一社の実測であり一般化はできませんが、「会社の顔が見えるコンテンツ」が読まれ、抽象的な言葉は流し読みされる、という差は、BtoBの信頼情報を設計する上で示唆があると考えています。

BtoB対応の制作会社を見極める確認ポイント

  • BtoBの制作実績があるか(業種が違っても「検討が長い商材」の経験があるか)
  • 問い合わせ獲得までの導線設計(資料請求・段階的な接点)を提案に含めているか
  • 公開後の運用・改善まで見る前提か、作って終わりか
  • 決裁者向けの情報(会社情報・実績の見せ方)について具体的な提案があるか

この4点に具体的に答えられる会社であれば、BtoBの「読者の違い」を理解していると判断する材料になります。会社のタイプの絞り方は「東京でWeb制作会社を比較する前に|4タイプ分類と7つの比較軸」で解説しています。

よくある質問

BtoBでもホームページからの問い合わせは本当に来ますか?

業種や商材によりますが、BtoBの検討プロセスでサイトが見られること自体は、私たちの実測でも取引の場でも一貫して観測されています。問い合わせが来るかどうかは、検討途中の読者を受け止める導線(資料・目安料金・実績)があるかに左右されると考えられます。

BtoBサイトに料金は載せるべきですか?

一律の答えはありませんが、概算や価格帯すら無い状態は、検討初期の読者を取りこぼしやすいと考えられます。詳細見積もり前提の事業でも、モデルケースや目安の提示は可能です。私たち自身も料金を公開する側の立場です。

デザインはBtoCほど重要ではないですか?

重要度が低いわけではなく、役割が違います。BtoBのデザインは「かっこよさ」より「信頼感と分かりやすさ」への貢献で評価するのが実態に合っています。決裁者が見て不安にならないこと、初見の担当者が迷わないことが基準になります。

AI検索対策(AIO)はBtoBにも必要ですか?

事業や検討層によって優先度が変わります。この問いは「BtoBのビジネスにAI検索対策(AIO)は本当に必要なのか」で正面から扱っているため、そちらをご覧ください。

法人化前でも制作を依頼できますか?

会社によりますが、私たちは法人化前のご依頼も受けています。詳しくは「法人化前のスタートアップでもホームページ制作を依頼できますか?」をご覧ください。

「BtoBサイトの何を直せばいいか分からない」段階でもご相談いただけます

今のサイトがBtoBの検討プロセスに合っているか分からない、という段階のご相談を歓迎しています。現状のサイトを拝見し、2種類の読者(担当者・決裁者)にどんな情報が渡せているかの整理からお手伝いします。

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株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

Web業界歴14年。これまでに 500件以上のWeb制作プロジェクトに携わり、企業サイト、採用サイト、ECサイトなど幅広い領域を手がけてきました。ディレクションだけでなく、デザイン・コーディングまで一貫して対応できるのが強みです。近年はAIO(AI Optimization)・GEO領域に注力し、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewなど生成AI検索からの引用獲得を支援しています。

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