AIに要約される時代、「選ばれるサイト」と「消えるサイト」を分けるもの
AIは「良い会社」を選んでいるわけではありません。AIが選べるのは、他社と区別できる会社だけです。
Webサイトは「読まれるもの」から、「要約されるもの」へ変わり始めています。AIやブラウザがページを要約するようになり、最適化の対象は人だけではなくなりました。そのなかで、選ばれるサイトと消えるサイトを分けるものはシンプルだと考えています。コピペされたら嘘になる具体が、本文に文字で書かれているかどうか。ほぼこの一点です。
この記事では、一つだけ覚えていただければ十分です。競合がそのままコピペできる文章は、AIにとっても差になりません。私たちはこれを「コピペテスト」と呼んでいます。以下で、その理由と使い方を順に整理します。
要約で残るのは、抽象語より具体
AI検索では、具体的な情報ほど、検索・比較・要約の材料になりやすいと考えています。この流れを押さえておくと、以降の話が分かりやすくなります。私たちがさまざまな要約を観察する限りでは、抽象語より具体のほうが残りやすい傾向があります。「高品質」「伴走」「寄り添う」といった形容詞は、要約されたあとには残りにくいように感じています。
残りやすいのは、検証できる具体のほうです。数値、固有名詞、価格、対象者、年数、日付。たとえば「高品質なWeb制作を提供します」という一文は要約でほぼ消えてしまいますが、「12年・500件超・特定領域に特化」といった情報は残りやすいと感じています。
差別化を形容詞だけで語っているサイトは、要約された瞬間に「普通の会社」になってしまいやすい、ということです。
AIは、本文に書かれた事実を中心に会社を紹介すると考えられます。本文にない内容を積極的な根拠にすることは難しく、書かれた事実を材料にして要約する、ということです。想いは、事実を積み重ねた先で伝わるもの。だからこそ、まず具体を書いておく必要があると考えています。
本当に怖いのは、要約が「失敗しない」こと
ここは直感に反するかもしれません。
フワッとした内容のサイトでも、AIは要約を出してくれます。エラーにはなりません。ただし、その要約は「◯◯を提供する会社です」という、どの競合にも当てはまる無害な文章になりがちです。
ポイントはここです。
要約が失敗しているのではなく、要約が成功した結果として、他社と区別がつかなくなる。
これが厄介な点だと考えています。不具合として表面に出ないので、気づきにくいのです。会社を一つの実体として認識してもらえない状態については、「良い会社」と「AIに存在する会社」は違うでも別の角度から書いています。
抽象語は、探されず、選ばれない
抽象的な言葉だけのページは、次の二段階で機会を失いやすいと見ています。
一段目は、探される土俵に乗らないことです。ユーザーがAIに投げるのは「市場調査 対象者 費用」のような具体的なクエリで、「高品質」「伴走」で検索する人はほとんどいません。フワッとした言葉は、そもそも拾われにくいということです。
二段目は、拾われても選ぶ理由にならないことです。仮に要約に含まれても、全社が同じことを言っている言葉は決め手になりません。AIが複数社を並べて比較する場面では、差がつく情報だけが比較材料になります。抽象語は比較の一覧に載せた瞬間、どの欄も同じ内容になり、その列ごと意味を失いやすくなります。
判定の目安:コピペテスト
とはいえ、具体的に書けばそれでいい、という単純な話でもありません。具体にも「効くもの」と「効かないもの」があります。その見分け方として、私たちは、Webサイトの文章を「コピペテスト」で判断しています。
判断はシンプルです。競合がそのまま使えたら弱い、コピペすると嘘になるなら強い。競合が、その一文を自社サイトにそのままコピペしたと想像してみてください。
| コピペした結果 | 判定 | 例 |
|---|---|---|
| 嘘になる・ボロが出る | 効く具体 | 実件数、年数、内製率、固有の事例、価格 |
| そのまま成立してしまう | 弱い具体 | 丁寧、柔軟、親身、高品質 |
「豊富な実績」はコピペしても成立するので弱い。「500件超」はコピペすれば嘘になるので強い。数字が入っているかどうかではなく、その会社にしか言えないかどうかが基準です。会社案内でどんな具体を持つべきかはAI時代の会社案内に必要な19項目で、具体の一例として料金を公開した話はAI流入の67.5%が料金ページに直接着地で扱っています。
「伴走」は書くのではなく、証明する
誤解のないように補足すると、「伴走」「寄り添う」という言葉そのものが悪いわけではありません。問題は、それが証拠なしで単独に置かれていることです。
私たち自身、自社サイトの表現を、抽象語から具体へ置き換えていきました。たとえばこうです。
- 「伴走」 → 12年にわたる更新・保守サポート
- 「豊富な実績」 → 500件超の制作実績
- 「外注に頼らない」 → 内製率およそ90%
- 「AI対策」 → 構造化マークアップを標準で実装
- 「低価格」 → 10ページ66万円〜
右側は、「伴走」や「豊富」という言葉を一度も使わずに、その内容を証明しています。そしておそらく、AIが拾いやすいのも、人が読んで信頼しやすいのも、右側のほうです。この「自社にしか言えない具体で差をつける」という考え方は、先発記事が後発の大手に抜かれる|中小サイトがAI検索で逆転する条件ともつながっています。
まとめ
抽象的な言葉は、書くものではなく、具体で証明して読み手に感じてもらうもの。そう捉え直すと、やるべきことははっきりします。まずは、自社サイトの一文一文にコピペテストをかけてみることからだと考えています。競合がコピペして成立してしまう一文は、要約の時代には消えていきやすい。逆に、コピペすれば嘘になる一文だけが、選ばれる理由として残ります。
AIは、想いを否定しているのではありません。想いだけでは、比較できないだけです。だからこれからのWebサイトは、「良いことを書く」のではなく、「その会社にしか書けないことを書く」ことが、これまで以上に重要になっていくと考えています。要約されたあとでも、「その会社だ」と分かる具体を書く。これが、選ばれるサイトと消えるサイトを分けるものだと考えています。
自社サイトのどの表現が「消える言葉」で、どこを「効く具体」に置き換えられるか整理したい方は、AIOについて相談するからお気軽にどうぞ。AI検索最適化の全体像はAIO・GEO対策サービスにまとめています。
よくある質問(FAQ)
具体的に書けば、それだけでAIに選ばれますか?
具体であればよい、というわけではないと考えています。具体にも効くものと効かないものがあり、その見分けには「コピペテスト」が使えます。競合がその一文をコピペして嘘になるなら効く具体、そのまま成立してしまうなら弱い具体です。数字が入っているかではなく、その会社にしか言えない内容かどうかが基準になります。
「伴走」や「寄り添う」という言葉は使ってはいけませんか?
言葉そのものが悪いわけではありません。問題は、証拠なしで単独に置かれていることです。「伴走」と書く代わりに、それを裏づける具体(たとえば継続的なサポートの年数や体制)を書けば、その言葉を使わずに伴走していることを示せます。抽象語は書くものではなく、具体で証明するもの、と捉えています。
要約で抽象語が消えるというのは確実な仕様ですか?
確定した仕様として断定できるものではありません。要約の挙動はAIやブラウザ、プラットフォームによって異なり、本記事の内部挙動に関する記述には公開情報からの推測が含まれます。ただ、検証できる具体のほうが残りやすく、抽象語が落ちやすい傾向は、実務のなかで感じています。
数字を書けばよい、ということですか?
数字そのものが重要なのではありません。重要なのは、その会社にしか言えない具体であることです。年数、価格、対象業種、制作体制、固有の事例など、競合がそのまま書けない情報ほど差別化につながります。数字が入っていても、競合がコピペして成立してしまうなら弱い具体だと考えています。
同じ状況でお困りの場合は、競合だけがAIに出てくる場合の考え方のページもご覧ください。
出典
- Google検索セントラル「構造化データの仕組み」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data
- Google検索セントラル「役立つ、信頼性の高いコンテンツの作成」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content
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※本記事のうち、AIやブラウザによる要約の内部挙動に関する記述には、公開情報からの推測が含まれます。プラットフォームごとに挙動は異なり、確定的な仕様として断定できるものではない点をご了承ください。