私たちが自社サイトで実践しているSEO|提案する前に、自分たちで確かめる
SEOの情報は、世の中にあふれています。「これをやれば上位表示できる」という提案も、検索すればいくらでも見つかります。ただ、その提案をしている会社自身のサイトがどう作られ、どう運用されているかまで公開されているケースは、意外と多くありません。
私たちENVY DESIGNの方針はシンプルです。お客様に提案する施策は、まず自社サイトで実践して確かめる。そこで実際に得られた結果を、根拠と一緒にお渡しする。
この記事では、私たちが自社サイト(envydesign.jp)で実際に運用しているSEOへの取り組みを、考え方から日々の運用までそのまま公開します。ここに書くことは、当サイトのページやソースコードを見れば、どなたでも確認できる内容です。「SEOに強い会社を探している」というより、「この会社はどういう考えで仕事をしているのか」を確かめたい方に読んでいただきたい内容です。
なぜ自社サイトで実践するのか
理由は2つあります。
1つ目は、確かめてから提案したいからです。SEOは検索エンジンの仕様変更やAI検索の登場で、セオリーが数年単位で入れ替わる分野です。書籍や海外の事例で「効く」とされる施策も、日本の中小企業のサイトで同じように機能するかは、やってみないと分かりません。自社サイトという実験場があれば、施策の効果を自分たちの数字で確認してからお客様に届けられます。
この方針は、今に始まったものではありません。私たちは創業から14年、500件を超えるサイト制作に携わり、公開後の更新保守を12年続けてきました。リピート・ご紹介が約70%という数字は、施策を売って終わりではなく、結果まで付き合う姿勢の積み重ねだと受け止めています。
2つ目は、私たちが受託の制作会社だからです。お客様のサイトで実験するわけにはいきません。新しい施策、まだ確証のない施策は、まず自社で試す。うまくいったらお客様のサイトに反映する。この順番を守るために、自社サイトを常に「一番手のかかったサイト」にしておく必要があると考えています。
コンテンツを役割ごとに分けて管理しています
私たちのサイトには、ブログのほかに複数のコンテンツ群があり、それぞれに役割を決めています。
| コンテンツ | 役割 | どんな人に向けたものか |
|---|---|---|
| ブログ | 考え方や実測データの記録 | 情報を深く知りたい方 |
| よくある質問 | 不安や疑問への短い答え | 依頼前の心配ごとを解消したい方 |
| 課題解決 | 症状から原因と対処を辿る | サイトの悩みを抱えている方 |
| 選び方ガイド | 複数の選択肢を並べて比較 | 発注先や手法を比べたい方 |
| 用語集 | 1語1ページの用語解説 | 言葉の意味を確かめたい方 |
| 制作実績 | 制作事例の紹介 | 仕事ぶりを確かめたい方 |
| お客様の声 | クライアントの評価 | 第三者の視点を知りたい方 |
| 制作の流れ | 依頼後の進み方の透明化 | 発注後の不安をなくしたい方 |
これは見た目の整理ではなく、SEOの設計そのものです。検索する人の目的は一様ではありません。言葉の意味を知りたい人、悩みの原因を知りたい人、発注先を比べたい人、この会社に頼んで大丈夫かを確かめたい人。目的が違えば、適した情報の形も違います。それぞれの目的に専用の受け皿を用意しておくと、検索エンジンにも「このサイトはどんな質問に答えられるか」が伝わりやすくなると考えています。
この構造へ整理して以降、トップページ以外のページが検索の入り口として機能する場面が増えました。現時点で流入の入り口として確認できているのは、よくある質問のカテゴリページと個別ページ、それにブログ記事です。用語集は公開して間もないため、まだ観測できていません。分かった時点で、この記事にも追記します。
記事同士をつないで、面で評価される構造にする
個々の記事を書くだけでは、SEOは積み上がりにくいと私たちは考えています。大切なのは、関連する記事同士を内部リンクでつなぎ、テーマごとのまとまりとして評価される構造にすることです。
私たちのサイトでは、サービスページを中心に、そのテーマに関連する記事群を双方向のリンクで束ねています。記事からサービスページへ、サービスページから記事へ。どの記事から読み始めても、テーマの全体像にたどり着けるようにしています。
社内では、この中心となるサービスページを「ピラー(柱)」と呼んでいます。そして記事を書くことを、柱を育てる作業として捉えています。1本の記事は、その記事単体の順位のためだけに書くのではありません。柱を太らせるために書く。だから次に何を書くかは、「どの柱が痩せているか」で決めます。
先ほどの8つのコンテンツ群は、その柱に与える栄養の種類にあたります。同じテーマの柱に、考え方の記事、質問への短い答え、用語の定義、実際の事例と、形の違う栄養を揃えていく。そうすることで、テーマ全体の厚みが増していきます。
地味な作業ですが、リンクの張り忘れを定期的に点検して、抜けを塞ぐ運用も続けています。実際にサイト全体のリンクを繋ぎ直したときの記録は内部リンクのSEO効果と正しい設計方法にまとめました。記事が増えるほど、こうした手入れの重要性は上がっていきます。
続けられる仕組みを、先に作る
SEOで一番難しいのは、施策の選定ではなく継続だと感じています。多くの会社のブログが数記事で止まってしまうのは、意志が弱いからではなく、続けられる仕組みがないからではないでしょうか。
私たちは、月ごとの更新量に下限を決めています。忙しい月は軽めのコンテンツで下限を守り、余裕のある月は先に進む。更新状況は自作の管理画面で常に見える化していて、どの柱の記事が手薄かも一目で分かるようにしています。
書けるときにまとめて書き、公開は一定のペースで続ける。派手さはありませんが、この淡々とした運用こそが、私たちのSEOの土台です。
検索エンジンとAIに、正しく伝える
コンテンツの中身と同じくらい、それを機械に正しく伝える技術面も大切にしています。これらの仕組みは外部ツール任せにせず、自社サイトへ実装しながら改善しています。
例えば構造化データです。記事や制作実績のページには、内容を検索エンジンが読み取りやすい形式(JSON-LD)で付記しています。Google検索セントラルでも、構造化データはページ内容の理解を助ける情報として説明されています。
実装の仕方は、ページの種類によって分けています。制作実績のページは、表示されるときに自動で生成される仕組みをテーマ側に組み込みました。一方でブログ記事は、執筆時のルールとして1本ずつ標準で実装しています。どちらも当サイトの該当ページでソースを表示していただければ、実物をご覧いただけます。基本的な考え方は構造化データ(JSON-LD)の基本に整理しました。
また、すべてのページを検索結果に載せることが正しいとは限りません。当サイトのお知らせページは、検索エンジンに登録しない設定(noindex)にしています。運営上の連絡は、検索から探される情報ではないと判断したためです。一方で、会社の沿革やサービス開始の告知のような、会社の輪郭を伝えるページは載せる。ページの役割ごとに、検索エンジンへの見せ方を使い分けています。
AI検索への対応も同じ考え方です。当サイトでは、AIがサイトの全体像を把握しやすいように、サイトの構成を機械可読の形でまとめたllms.txtを設置しています。会社情報、サービス、コンテンツの構成を一覧できる形で、AIに向けて用意したものです。
ただし、llms.txtは各社のAIが必ず参照すると決まった仕様ではありません。効果が確立された施策ではなく、現時点では試している段階の取り組みです。それでも、新しい仕様にはまず自社で試すという順番で向き合っています。
自社サイトを厚くするという方針は、海外の調査とも方向が一致しています。米Yext社が2025年10月に公開した調査(680万件のAI引用を分析)では、引用元の約86%が、企業自身で管理または影響できるソースでした。事実を尋ねる質問に限れば、3つのAIすべてで自社サイトが引用元の40%超を占めています。
ただし対象は海外の4業種・実店舗ビジネスで、日本のBtoB企業にそのまま当てはまるとは限りません。それでも、土台は自社サイトである、という考え方を支える結果だと受け止めています。
効果を観測して、次に活かす
施策をやりっぱなしにせず、効果を数字で観測することも運用の一部です。うまくいったことだけでなく、期待した効果が出なかった施策も記録しています。都合の良い結果だけを残しても、次の判断材料にならないからです。
どのページがどんな検索語で読まれているか、AI検索からの訪問がどう変化しているかを定点で記録し、その観測結果は記事としても公開しています。
一例を挙げると、当サイトへのAI検索経由の訪問は、対策を始めた時点で月12.8セッションでした。それが約12ヶ月で月38.7セッションまで増え、その後も増加傾向が続いています。2026年7月現在では、月70セッションを超えるAI検索経由の訪問を観測しています。絶対数としては大きな数字ではありませんし、母数の少ない一例にすぎません。それでも、施策の記録と数字をセットで公開している制作会社はまだ少なく、実際に測った数字には一般論にはない価値があると考えています。この経過はAI検索からの流入を約3倍にした12ヶ月の施策記録に詳しくまとめました。
書いた内容が他社にそのままコピーできてしまうなら、それは独自の情報ではない——この考え方は独自性とは「コピペしたら嘘になる情報」でも整理しました。
お客様のサイトには、どう活かされるのか
ここまでの内容は、すべて私たちが自社サイトで現に運用していることです。そして、この経験がそのままお客様への提供品質になります。
コンテンツ群の設計、内部リンクの構造、構造化データの実装、続けられる更新計画。私たちがご提案するのは、どこかで読んだセオリーではなく、自分たちのサイトで手を動かして確かめてきた内容です。
「まず何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。現状のサイトを拝見して、どこから整えるのが効果的か、実践者の視点でお答えします。
最後に、私たちが見ているのは順位そのものではありません。検索から必要な人に見つけてもらい、問い合わせや相談につながること。そのための土台として、自社サイトを使った検証を続けています。
よくある質問
SEO対策だけをお願いすることはできますか?
可能です。サイト制作とセットでなくても、既存サイトの構造やコンテンツの改善からお手伝いしています。詳しくはSEO対策コンサルティングのページをご覧ください。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
サイトの状態や競合状況によって異なりますが、構造の改善やコンテンツの充実が評価に反映されるまで、一般に数ヶ月単位の時間がかかる傾向があります。私たちは短期の順位変動ではなく、続けられる体制づくりを重視しています。
AI検索への対応も含まれますか?
はい。私たちはSEOとAI検索対策(AIO)を別々のものではなく、土台を共有する取り組みとして設計しています。詳しくはAIO・GEO対策のページをご覧ください。
小さな会社でも同じことはできますか?
規模よりも、続けられる仕組みがあるかどうかが大きいと感じています。私たち自身も少人数の会社です。その規模でも回る運用を設計するのが、私たちの得意分野です。
出典
- Google検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide
- Google検索セントラル「構造化データの仕組みについて」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data
- Yext Research「AI Citations, User Locations, & Query Context」(2025年10月) https://www.yext.com/research/article/ai-citations-user-locations-query-context
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