ENVY SEO観測 #000|指数100の設計と、4月から8月までの背景
ENVY DESIGNでは、AI検索の引用状況を隔週で記録する「AIO隔週レポート」を続けてきました。このシリーズは、その検索エンジン側の版です。Google Search Consoleの数字を週ごとに記録し、表示は増えたのか、クリックはついてきたのか、何を変えて何が起きたのかを、自社サイトを対象に公開していきます。
#000 は準備号です。指数の決め方と、2026年4月から8月末までの流れを俯瞰し、これから見ていく仮説を先に並べておきます。#001 以降は2週分(日曜〜土曜×2)を1号として、AIO隔週レポートと交互に隔週で公開します。数字の比較は #001(8/30〜9/12)から始まります。
指数の設計:2026年8月23日〜29日の週を100とします
このシリーズでは、表示回数とクリック数を実数ではなく指数で示します。基準は 2026年8月23日(日)〜8月29日(土)の週で、この週を100とした相対値です。週の区切りは日曜始まり・土曜終わりで統一します。Search Consoleの日別データを、この7日単位で集計して比較します。
指数にする理由は2つあります。ひとつは、実数を出すと「大きいか小さいか」に目が行き、「伸びたか落ちたか」が読みにくくなること。もうひとつは、実数を非公開にしても、伸びと落ちは正直に出せることです。落ちた週も指数で出します。
一方、CTR(クリック率)と平均掲載順位は実数のまま示します。比率と順位を指数にしても意味がないためです。投稿タイプ(ブログ・FAQ・用語集など)ごとの指数は、それぞれの基準週を100として、規模の違いではなく伸び率だけを見ます。
データはSearch Consoleの検索パフォーマンスで、Google検索の「ウェブ」タイプのみ。AI Overview経由の表示も含まれますが、Search Console側でAI由来かどうかは区別されません。数字の反映に3日ほどの遅れがあるため、各号は対象期間終了の翌週半ば以降に公開します。#001 以降の各号では、対象2週の指数を週ごとに示し、前号の2週との比較を前号比として記載します。
4月から8月の流れ:表示は大きく増加、クリックは横ばい
サイト全体の月平均を、基準週を100とした指数で並べます。
| 月 | 表示指数 | クリック指数 | CTR | 平均順位 |
|---|---|---|---|---|
| 4月(3/29〜4/25) | 54 | 90 | 2.73% | 12.7 |
| 5月(4/26〜5/23) | 69 | 101 | 2.39% | 13.1 |
| 6月(5/24〜6/27) | 86 | 108 | 2.06% | 12.7 |
| 7月(6/28〜7/25) | 86 | 124 | 2.38% | 13.7 |
| 8月(7/26〜8/29) | 91 | 95 | 1.72% | 16.0 |
読み取れることは3つです。
- 表示は4月の54から8月の91へ、5か月で約1.7倍になりました。週単位で見ると、基準週(100)は4月第1週(51)のほぼ2倍です。
- クリックは90〜124の間を往復し、8月は95。表示が増えた分のクリックはついてきていません。
- その結果としてCTRは2.73%から1.72%へ低下し、平均掲載順位も12.7位から16.0位へ数値上は悪化しています。ただし、後述するように、新規ページの低順位表示が増えた影響も含まれるため、既存ページの順位が一斉に落ちたことを意味するわけではありません。
【仮説】表示とクリックの乖離は、この期間に新しい投稿タイプを大量に追加したことと関係していると考えています。用語集や業種別ページのように、検索結果には出るが順位がまだ低いページが増えると、全体の平均順位は下がり、表示だけが増えます。もうひとつの要因として、AI Overviewが表示される検索でクリックが発生しにくいことも疑っていますが、Search Consoleではこの2つを分けて確認できないため、後続の号で投稿タイプ別の動きから切り分けていきます。
投稿タイプ別:いつ始まり、8月にどこにいるか
このサイトは2026年6月以降、投稿タイプを段階的に増やしてきました。それぞれの開始週と、8月の状態です。表示指数は各投稿タイプの基準週(8/23〜29)を100とし、8月4週の平均を示しています。
| 投稿タイプ | Search Consoleで初表示を確認した週 | 8月平均の表示指数 | 8月のCTR |
|---|---|---|---|
| ブログ | 4月以前から | 91 | 1.7% |
| FAQ | 4月以前から | 94 | 1.1% |
| サービスページ | 4月以前から | 92 | 0.7% |
| お悩み解決(solution) | 6/7〜の週 | 107 | 1.0% |
| 用語集 | 6/21〜の週 | 116 | 0.4% |
| 比較記事 | 7/5〜の週 | 97 | 0.9% |
| エリア別ページ | 7/26〜の週 | 63 | 2.0% |
| 業種別ページ | 8/2〜の週 | 81 | 1.1% |
【調査データ】ここから読めることも3つです。
- 表示の大半はブログが占めています。ブログの4月平均は62で、8月は91。全体の伸びの中心はブログです。
- 用語集は出始めた直後の2週で表示が急増し、その後ほぼ半分に落ちて安定しました。新規ページが一時的に評価され、その後に落ち着く動きとして、他の投稿タイプでも見られるかを追います。
- サービスページの表示は6月に基準週の1.5倍まで増えたあと、7月中旬に半分近くまで落ちています。この期間にサイト構成の見直しを行っており、その影響かどうかを #001 以降で確認します。
CTRは投稿タイプで大きく違います。エリア別ページは2.0%、用語集は0.4%。用語集は定義を検索結果上で読めてしまうため、クリックされにくい構造だと考えられます。用語集はもともと検索流入ではなくAIの引用元として設計しているので、このCTRは想定の範囲です。
これから見ていく仮説
準備号なので、答えはまだありません。#001 以降で当否を書いていく仮説を先に置きます。各号に「前号の仮説の答え」を固定の項目として設けます。
- 【仮説1】新しい投稿タイプを追加すると、表示は増えるがクリックは増えない。増えるのは順位が上がった後になる
- 【仮説2】見積もり関連の検索語は、月に約1,500表示に対してクリックが数件。10位前後に留まっており、表示があっても押されていない。タイトルの書き換えでCTRが動くかを見る
- 【仮説3】「短納期」の検索語は、既存の急ぎ向けページ(/solution/urgent-website-production/)ではなくFAQに着地している。ページ側に語を足すことで受け皿が変わるかを見る
- 【仮説4】8月中旬にURLを移した多言語サービスページは、9月上旬時点でまだ旧URLが検索結果に出ている。301リダイレクトと正規化は済んでいるので、統合にかかる週数を記録する
- 【仮説5】10月に公開予定の見積・契約に関する記事群(RFP・契約書・見積依頼メール・発注書)が、初表示・初クリック・10位圏内までに何週かかるかを、投稿タイプ別の立ち上がりの基準にする。記録する項目は、公開日・初表示・100表示到達・初クリック・平均20位以内・平均10位以内の6点。件数が揃えば、新規記事がそれぞれの段階に到達するまでの週数を投稿タイプ別に示せるようになります
外れた仮説も、その号で外れたと書きます。
この号の注記
- 指数は 2026年8月23日〜29日の週を100とした相対値です。実数は非公開です
- 週の区切りは日曜〜土曜。月の区切りは表中の日付どおりで、暦の月とは数日ずれます
- 各月の指数は、その期間に含まれる週次指数の平均です。月によって4週・5週と期間が異なりますが、合計値ではなく1週間あたりの平均値で比較しています
- 「Search Consoleで初表示を確認した週」は、その投稿タイプについてSearch Console上で最初の表示を確認した週を指します
- 投稿タイプ別の集計は、URLの階層(/blog/ /faq/ /solution/ など)で分類しています。トップページなど階層に属さないページは、全体の数字にのみ含まれます
- 平均順位は、表示された検索語の順位の平均で、ページが増えて低順位の表示が増えると数値は悪化します。順位の悪化=既存ページの順位低下、ではありません
次回の#001(9月1日〜15日)は、基準週との比較から始めます。