2026年8月スパムアップデート|ページを増やし続けた自社サイトを実測

SEO対策

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

2026年8月18日から21日にかけて、Googleはスパムアップデートを実施しました。私たちの自社サイト(envydesign.jp)は、2026年4月以降、業種別ページ・エリア別ページ・用語集・お悩み解決ページなどを速いペースで追加し続けています。2026年4月から9月中旬までの約5か月半で、記事型のページ数(固定ページを除く)は3月末時点の5倍前後になり、年内に公開予定の予約分を含めるとさらに増える見込みです。ページを増やし続けているサイトがスパムアップデートを通過するとき、いちばん気になるのは「大量公開がサイト全体の評価を下げていないか」という点だと思います。

先にお伝えします。今回のアップデートで、私たちのサイトに明確な悪影響は確認できませんでした。アップデート前の2週間と、完了後の2週間を比べると、平均掲載順位はほぼ横ばいのまま、表示回数は約19%、クリックは約25%増えています。

ただし、これを「スパムアップデートで評価された」とは言えません。同じ期間に私たち自身がページを増やし続けているため、要因を切り分けられないからです。この記事では、Googleの公式発表を整理したうえで、Google Search Consoleの実測データを指数で示し、どこまでが言えて、どこからが言えないのかを分けて書きます。2026年6月のスパムアップデートの観測に続く、2回目の記録です。

2026年8月のスパムアップデートとは何だったのか

Googleは2026年8月18日(太平洋時間 9:27)にスパムアップデートの開始を発表し、8月21日(同 1:49)に完了しました。所要時間は2日と16時間で、対象は全世界・すべての言語です。2026年に実施されたスパムアップデートとしては、3月・6月に続く3回目になります。

今回も、新しいスパムポリシー項目は発表されていません。Googleは「通常のスパムアップデート」と説明しており、既存のスパムポリシーに違反するコンテンツやサイトを検出する自動システムの改善という位置づけです。Googleの公式ブログ記事も出ておらず、公式情報はSearch Status Dashboardの2行の記載と、Google Search Centralのアカウント投稿のみでした。

6月のアップデートと同じく、Googleは「AI生成記事」「大量生成ページ」「エリアページ」といった特定のコンテンツ形式を今回の対象として公表しているわけではありません。海外のSEO業界では「AI生成コンテンツや大量生成ページが大きく落ちた」という事例報告も出ていますが、これはGoogleの発表ではなく第三者の観測です。この記事では、その2つを分けて扱います。

「ページ数が多いサイト=対象」ではありません

スパムアップデートの前後には、「ページを増やしすぎたサイトが狙われる」という言い方をよく見かけます。ページを増やし続けている私たちにとっても他人事ではないので、判断の軸を先に確認しておきます。

Googleのスパムポリシーが問題にしているのは、ページの数そのものではありません。たとえば「大量生成されたコンテンツの不正使用」という項目は、検索順位を操作する目的で、ユーザーの役に立たないページを大量に生成する行為を対象としています。ページが多いことではなく、そのページが検索する人の役に立っているかどうか、順位操作が主目的になっていないかどうかが問われています。

したがって、ページ数だけを見て「スパムアップデートの対象になるかどうか」を判断するのは適切ではないと考えています。コンテンツの目的、独自性、検索意図との一致、サイト全体の構造まで含めて見る必要があります。私たちがページを増やす際に、Web制作というテーマから大きく外れないこと、制作現場の実務を反映すること、そして実測できるテーマでは一次データを加えることを意識しているのも、この線を踏まえているためです。

私たちのサイトでは何が起きたか:順位は横ばい、表示は約2割増

アップデート前後のGoogle Search Consoleのデータを比較しました。表示回数とクリック数は実数ではなく、アップデート前の期間である8月3日から16日までの1日あたり平均を100として、指数で示しています。CTR(クリック率)と平均掲載順位は実数のままです。

期間表示回数(日次平均指数)クリック(日次平均指数)CTR平均掲載順位
更新前(8/3〜8/16・14日)1001001.64%16.1位
ロールアウト中(8/18〜8/21・4日)1231552.07%14.7位
更新後(8/24〜9/6・14日)1191251.74%16.0位
参考:9/1〜9/13(13日)1171301.83%15.4位

【調査条件】Google Search Consoleの検索パフォーマンスデータ(検索タイプ:ウェブ/国・デバイス指定なし/対象プロパティ:envydesign.jp全体)を使用。各期間の1日あたり平均を算出し、更新前(8/3〜8/16)の平均を100として指数化しました。指数は「各期間の日次平均 ÷ 更新前の日次平均 × 100」で算出しています。平均掲載順位は表示回数で加重した平均です。日付はGoogle Search Consoleの基準(太平洋時間)に準じ、データ取得日は2026年9月16日です。参考行の9/1〜9/13は更新後の期間と一部重なります。

【サイト側の条件】ENVY DESIGNでは2026年4月以降も新規ページの公開を継続しており、比較期間中もページ数は一定ではありません。更新前の期間の終わり(8月16日)から更新後の期間の終わり(9月6日)までの3週間でも、公開ページ数は15%ほど増えています。そのため、本データは「同一条件のサイトにスパムアップデートだけを適用した比較」ではなく、コンテンツ拡張を続けているサイトを観測した記録です。

更新前と更新後の14日間どうしを比べると、表示回数は100から119(約19%増)、クリックは100から125(約25%増)になりました。一方で平均掲載順位は16.1位から16.0位で、ほぼ完全な横ばいです。CTRは1.64%から1.74%へわずかに上がりました。

ロールアウト中の4日間は、表示が123、クリックが155と、前後のどの期間よりも高い数値でした。ただし、4日間のうち3日が平日の火曜から木曜で、週末を含む14日間の平均と単純には比べられません。6月のアップデートではロールアウト中に一時的な低下が出ましたが、今回は逆に上振れしており、ロールアウト中の短期の数値は方向が定まらないものとして読んでいます。

表示回数の上限が少しずつ広がっている

日別で見ると、アップデート後には、これまでより大きな表示回数が出る日が増えています。更新前の14日間で表示回数がもっとも多かった日でも、基準(更新前の日次平均)の1.23倍でした。更新後は、基準の1.4倍を超える日が8月24日・26日、9月2日・9日と4日あります。

一時的に1日だけ突出したのではなく、同じ水準の日が複数回出ているため、サイトの検索露出の上限そのものが少しずつ広がっている可能性があります。ただし週の前半に偏る傾向があり、曜日要因も含まれています。

「順位上昇」より「検索面の拡大」が起きている可能性があります

今回のデータで注目したいのは、平均掲載順位はほぼ変わっていないのに、表示回数が約19%増えているという点です。

既存の検索語句だけで一様に順位が上がったのであれば、平均掲載順位にも改善が表れる可能性があります。しかし今回は、平均掲載順位がほぼ変わらないまま表示回数が増えています。

この組み合わせから考えられる要因のひとつが、これまで表示されていなかった検索語句やページで、新しく表示される機会が増えたことです。ただし、Search Consoleの平均掲載順位は検索語句やページごとの表示構成にも左右されるため、この集計値だけで「検索語句が増えた」と断定することはできません。そこで私たちは、「順位上昇よりも検索面の拡大が寄与しているのではないか」という仮説を置いています。

【仮説】この仮説に立つと、私たちのサイトで起きているのは次のような流れだと考えられます。

  1. コンテンツを追加する
  2. Googleが認識するページ・テーマが増える
  3. 表示される検索語句の種類が増える
  4. 表示回数が増える
  5. クリックも増える

これは、私たちが現在進めている「Web制作というテーマの中で検索面を広げる」という方針と整合します。ただし、この流れが本当に起きているかどうかは、サイト全体の集計値だけでは確認できません。検索語句別・ページ別のデータで、新しい語句での表示が増えたかを見る必要があります。この確認は、隔週で記録しているENVY SEO観測のシリーズで続けます。

大量のコンテンツ追加によるサイト全体の失速は、今回の観測では見えません

私たちのサイトでは、2026年4月以降、次のような投稿タイプを速いペースで追加してきました。

  • 業種別のホームページ制作ページ
  • エリア別のホームページ制作ページ
  • FAQ(よくある質問)
  • お悩み解決ページ(solution)
  • 用語集(glossary)
  • ブログ
  • サービスページ

こうした状況でスパムアップデートを通過したため、今回いちばん確認したかったのは、「大量公開を続けた結果、サイト全体の検索露出や順位に悪影響が出ていないか」という点でした。

現時点のSearch Consoleを見る限り、「大量公開 → スパムアップデート → サイト全体の表示回数の減少 → 順位下落」という動きは確認できません。むしろ現時点では、「コンテンツ増加 → 検索対象になる語句の拡大 → 表示回数の増加 → クリックの増加」という仮説と整合する方向に動いています。

ひとつ補足しておくと、用語集を公開した直後には、表示が急増したあと半分近くまで落ちて安定する動きがありました。新規ページが一時的に評価されてから落ち着く挙動は、今回のアップデート以前から観測しているものです。そのため、今回の表示増加についても「一時的なものかどうか」を数週間かけて見る必要があります。

ただし「スパムアップデートで評価された」とは言えません

ここまでの数字は前向きに見えますが、「スパムアップデートによって私たちのサイトの評価が上がった」とまでは言えません。同じ期間に、次のことが同時に起きているためです。

  • スパムアップデートそのものの影響
  • 新規ページのインデックス登録
  • 既存ページの評価の変化
  • 内部リンクの増加
  • サイト全体で扱うテーマの範囲の拡大
  • 検索需要そのものの季節変動

これらの要因を分離することは、1サイトの集計データでは難しいと考えています。さらに、これは1つのサイトを短期間観測した結果であり、他のサイトに当てはまるとは限りません。

現時点で言えるのは、次の範囲までです。2026年8月のスパムアップデートによる明確な悪影響は確認できず、アップデート後も表示回数は約19%、クリックは約25%増えていること。そして、現在のコンテンツ拡張を続けるなかでも、サイト全体の検索露出や平均掲載順位が悪化する挙動は確認できていないこと。ここまでです。

現時点の判断:コンテンツ追加の方針は変えません

私たちのサイトについては、今回のスパムアップデートを理由にコンテンツ追加の方針を変える必要性は低いと判断しています。少なくとも現在のデータからは、「ページを増やしすぎたから止める」という判断をする材料はありません。

年末までは現在の方針を継続し、次の順番で進めていきます。

  1. Web制作の範囲内で、検索面を取る(業種・エリア・課題解決・FAQ・比較・用語の拡充)
  2. 内部リンクを強化し、ページ同士をつなぐ
  3. 制作実績を深掘りする
  4. 一次情報を増やす
  5. カニバリゼーション(同じ検索意図で競合するページ)や、表示の少ないページを整理する

「面を取ってから整理する」という順番にしているのは、どのページが検索で表示され、どのページが表示されないかは、公開してみないと分からない部分が大きいためです。表示の少ないページは統合・改善・維持・noindexの4つに仕分けし、増やす作業と整理する作業を並行させます。この考え方は私たちが自社サイトで実践しているSEOでも書いています。

この「増やしながら整理する」進め方は、お客さまのサイトでSEOコンサルティングとしてお手伝いする場合も同じです。まず自社サイトで試し、数字が残ったものだけをご提案する方針にしています。

次に確認すること:増えた表示はどの投稿タイプから来ているか

次の分析では、アップデート後に増えた表示回数が、どの投稿タイプから生まれているかを確認します。対象は、業種別ページ、エリア別ページ、FAQ、お悩み解決ページ、用語集、ブログ、サービスページです。

特に分けて見たいのは、次の2つです。

  • 新規ページが、新しい検索語句を獲得しているのか
  • 既存ページの検索露出まで強くなっているのか

前者だけなら、表示の増加は単純なページ数の増加によるものです。後者まで起きていれば、サイト全体の評価やテーマの専門性が上がっている可能性が出てきます。ここまで確認できて、初めて今回の表示増加の意味をより正確に判断できると考えています。

よくある質問

2026年8月のスパムアップデートは、いつからいつまで実施されましたか?

2026年8月18日に開始し、8月21日に完了しました。所要時間は約2日と16時間で、全世界・すべての言語が対象です。新しいスパムポリシーの追加は発表されておらず、Googleは「通常のスパムアップデート」と説明しています。

ページを大量に公開しているサイトは、スパムアップデートの対象になりますか?

ページ数そのものは判断基準ではありません。Googleのスパムポリシーが問題にしているのは、検索順位の操作を目的として、ユーザーの役に立たないページを大量に生成する行為です。ページごとに目的があり、検索する人の役に立つ内容であれば、数が多いこと自体が直ちに問題になるわけではないと考えられます。

平均掲載順位が変わらないのに、表示回数だけ増えるのはなぜですか?

これまで表示されていなかった検索語句やページで、新しく表示される機会が増えた場合に起こることがあります。ただし、平均掲載順位は検索語句ごとの表示回数やページ構成にも左右されるため、平均順位と表示回数だけでは原因を断定できません。Search Consoleの検索語句別・ページ別データと合わせて確認する必要があります。

アップデート後に数値が上がった場合、アップデートのおかげと考えてよいですか?

アップデートの時期と重なっているだけでは、因果関係は判断できません。同じ期間に公開した新規ページ、内部リンクの変更、検索需要の季節変動なども同時に影響しています。数値の変化を記録しつつ、要因は断定せずに、数週間から数か月の傾向で見ることをおすすめします。

スパムアップデートの前後で、何を記録しておけばよいですか?

Search Consoleの検索パフォーマンスで、アップデート前・ロールアウト中・完了後の期間ごとに、表示回数・クリック・CTR・平均掲載順位の1日あたり平均を残しておくと比較しやすくなります。日数が違う期間は合計ではなく1日あたりの平均で比べ、集計条件(検索タイプ・期間・取得日)も一緒に記録しておくと、あとから読み返せます。

出典

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アップデート後にアクセスが落ちた、ページを増やしてよいのか判断できない、今のサイトの状態を一度見てほしい——そうした段階でもご相談いただけます。現在のSearch Consoleの状況を確認しながら、今後の改善方針を整理します。準備は不要ですので、現在の状況のまま相談するから、そのままご連絡ください。

株式会社ENVY DESIGN

代表取締役/ディレクター/デザイナー

Web業界歴14年。これまでに 500件以上のWeb制作プロジェクトに携わり、企業サイト、採用サイト、ECサイトなど幅広い領域を手がけてきました。ディレクションだけでなく、デザイン・コーディングまで一貫して対応できるのが強みです。近年はAIO(AI Optimization)・GEO領域に注力し、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewなど生成AI検索からの引用獲得を支援しています。

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