制作会社と広告代理店の違い|どちらに依頼すべきか
この記事の結論
ホームページ制作を制作会社に依頼するか、広告代理店に依頼するかは、「サイト制作を中心に相談したいか、広告や販促まで含めて一括で任せたいか」で考えると整理しやすいです。サイトそのものの質を重視し、作り手と直接やり取りしたいなら制作会社、広告の出稿や運用、全体の進行管理まで含めて総合的に任せたいなら広告代理店が向いています。
どちらが優れているという話ではなく、担っている役割が違います。制作会社と広告代理店は、対立するものではなく、実際には協業していることも多い関係です。以下で、その構造も含めて公平に整理します。
それぞれの主軸を整理する
制作会社
制作会社の主軸は、サイトを設計して作ることです。ヒアリングから構成・デザイン・実装まで、サイトそのものを形にすることを本業としています。作り手と直接やり取りしやすく、サイトの品質や設計に踏み込んだ相談ができるのが特徴です。
広告代理店
広告代理店の主軸は、広告や販促を通じて、集客やプロモーションを支援することです。広告の企画・出稿・運用に加えて、キャンペーン全体の企画やプロモーションの設計、ブランディングやPR、SNS、イベントなどを担う会社もあります。担当する範囲は会社によって幅がありますが、共通しているのは、広告や販促を軸に事業の集客を支える立場だという点です。
ホームページ制作も請けることがありますが、その場合、実制作を外部の制作会社へ委託するケースもあります。
加えて、広告代理店はクライアントとの交渉や、プロジェクト全体の進行管理も担います。制作・広告・その他の施策をまとめて進める、総合的な窓口としての役割です。
なお、よく似た存在にマーケティング会社があります。マーケティング会社は、SEOやSNS、データ分析などを専門に支援する会社も多く、広告や販促の実行を軸とする広告代理店とは、少し役割が異なります。この違いは制作会社とマーケティング会社の違いでも整理しています。
一番の違いは「サイト制作が主軸か、広告・販促全体を担うか」
最大の違いは、支援の主軸と担う範囲です。制作会社はサイトの設計・制作を主軸とし、広告代理店は広告や販促を軸に、複数の施策をまとめて進めることを得意としています。
- 制作会社:サイトを設計し、作ることが本業。作り手と直接やり取りできる
- 広告代理店:広告や販促の支援が本業。交渉や全体の進行管理も担う
- どちらの窓口から入るかで、進め方とやり取りの形が変わる
比較表で整理すると
| 観点 | 制作会社 | 広告代理店 |
|---|---|---|
| 主軸 | サイトを設計し、作ること | 広告の企画・出稿・運用 |
| 実制作を担う人 | 自社で制作することが多い | 外部の制作会社、または自社制作 |
| やり取り | 作り手と直接やり取りしやすい | 代理店の担当者が窓口になる |
| 費用の考え方 | 制作費が中心 | 制作費に加え、進行管理や広告運用費などが加わる場合がある |
| 得意な領域 | サイトの設計・品質・公開後の改善 | 広告運用・複数施策の統括・総合的な提案 |
| 向いている場面 | サイト制作を中心に相談したい・質を重視したい | 広告や販促まで含めて一括で任せたい |
この表は傾向であって、すべての会社に当てはまるわけではありません。制作も内製している代理店もあれば、広告運用まで対応する制作会社もあります。実際に依頼を検討する会社が、どこまでを自社で担うのかを確認することをおすすめします。
代理店経由だと「中抜きされる」のか
「中抜き」という表現を見かけますが、実際には少し違います。よく聞かれる疑問なので、制作会社の立場から正直に書きます。
たしかに、広告代理店にホームページ制作を依頼した場合、実制作を制作会社が下請けとして担当することはあります。この構造自体は事実です。
ただし、それが「中抜きされて損をする」ことを意味するとは限りません。代理店は、クライアントとの交渉や、プロジェクト全体の進行管理を担っています。複数の関係者をまとめ、スケジュールと品質を管理し、広告まで含めた全体の設計を行う——これは実務であり、その働きに対する対価が費用に含まれている、と考えるほうが正確です。
【観測】ここは私自身の立場も含めてお伝えします。ENVY DESIGNは、エンドのお客様から直接ご依頼をいただく制作会社であると同時に、KUROCOという外注・下請け向けのサービスを通じて、広告代理店や制作会社からも制作をお請けしています。協業した会社は14年で50社以上になります。
実務では、代理店側が顧客との打ち合わせ、予算の調整、スケジュールの管理を担い、私たちが構成・デザイン・コーディングを担当する、という形が多くありました。役割がはっきり分かれているぶん、それぞれが自分の専門に集中できる面があります。
その立場から見ると、代理店に丸投げされて制作だけが降ってくる、という形は多くありません。代理店の担当者が要件を整理し、進行を管理し、クライアントとの交渉を担っている場面をよく見てきました。代理店には代理店の働きがあり、実績と信頼があるからこそクライアントから選ばれている、というのが実感です。下請けでのWeb制作もお願いできますか?でも触れています。
ですから、「代理店を通すと中間マージンを取られて損」という単純な話ではない、と考えています。もちろん、同じ制作物を作るのであれば、直接依頼するほうが費用を抑えられる場面はあります。ただ、代理店が担っている交渉や進行管理、広告まで含めた全体の設計が必要なら、その費用には意味があります。何を任せたいのかによって、判断は変わります。
実際には、制作会社と代理店は協業している
ここまで「どちらに頼むか」という前提で書いてきましたが、実務では、制作会社と広告代理店は対立関係ではなく、協業していることが多くあります。
代理店が交渉と全体の進行管理を担い、制作会社が実制作を担当する。この分業は、それぞれの得意分野を活かす形として機能しています。代理店は広告や販促を含めた全体像を描き、制作会社は作ることに集中する——役割が分かれているからこそ、それぞれの専門性が発揮できる面があります。
ですから、「代理店に頼むか、制作会社に頼むか」は、どちらの窓口から入るか、という選択でもあります。広告まで含めて相談したいなら代理店の窓口が便利ですし、サイトの設計・制作を中心に相談したいなら制作会社に直接依頼するほうが早い。目的によって、入口を選ぶという考え方です。
広告代理店が向くケース
広告代理店の強みは、総合力です。
- 広告の出稿・運用まで含めて、まとめて任せたい
- 複数の媒体や施策を横断して展開したい
- 社内に進行管理をする余力がなく、窓口を一本化したい
- キャンペーンなど、制作と広告を一体で設計したい
特に、広告に予算を投じて大きく展開したい場合は、広告・プロモーションを支援する代理店に相談するほうが合っています。SEOと広告の使い分けは、SEOとリスティング広告の違いでも整理しています。
制作会社が向くケース
制作会社の強みは、作ることそのものです。
- サイトの設計や品質を重視したい
- 作り手と直接やり取りして、意図を細かく伝えたい
- 公開後もSEOやAIOなど、サイトの改善まで相談したい
- 広告は別で考えている、または当面は行わない
代理店に依頼するときに、確認しておくとよいこと
広告代理店にホームページ制作を依頼する場合、いくつか確認しておくと、あとで齟齬が起きにくくなります。
- 実際の制作を誰が担当するのか(自社制作か、制作会社に依頼するのか)
- 制作の打ち合わせに、作り手が同席できるか
- 公開後の更新や保守は、どこが担当するのか
- 費用の内訳(制作費と、進行管理・運用の費用)
これは代理店を疑うためではなく、体制を理解しておくためです。誰がどこまで担うのかが分かっていれば、依頼後のやり取りもスムーズになります。制作会社に直接依頼する場合も、同じように、どこまで内製しているのかを確認しておくとよいです。
なお、ひと口に制作会社といっても、規模によって体制は変わります。会社の規模による違いは、大手制作会社と中小制作会社の違いで整理しています。
どちらに依頼すべきか——判断のための5つの質問
1. 相談の中心は「サイト制作」か「集客・販促全体」か?
サイトの設計・制作を中心に相談したいなら制作会社、広告や販促まで一体で進めたいなら広告代理店が向いています。たとえば、会社の顔となるコーポレートサイトの設計・制作を中心に進めたいなら制作会社、新商品を広告込みで売り出したいなら代理店、という分かれ方です。
2. 広告に予算を投じる予定はありますか?
広告を大きく展開する予定があるなら、広告・プロモーションを支援する代理店に相談するほうが合っています。逆に、当面は広告を使わず、検索からの流入を育てたいなら、制作会社と組んで進めるほうが自然です。
3. 作り手と直接やり取りしたいですか?
細かい意図を直接伝えたい、設計の相談をしたいなら、制作会社に直接依頼するほうが早いことが多いです。窓口が一つ減る分、やり取りの往復も少なくなります。
4. 社内に進行管理の余力はありますか?
複数の会社や施策を自社でまとめるのが難しいなら、窓口を一本化できる代理店が助けになります。担当者が一人で何役も抱えている場合、進行管理を任せられるのは大きな価値です。
5. 公開後に、サイトを育てていきたいですか?
公開後のSEOやAIOで改善を積み上げたいなら、サイトを作った制作会社と続けて取り組む形が向いています。
ENVY DESIGNの立場——制作が本業、広告運用は行っていません
最後に、ENVY DESIGNの立場を正直にお伝えします。ENVY DESIGNは制作会社です。サイトを設計し、作ることを本業としており、リスティング広告などの広告運用は行っていません。
ですから、広告に予算を投じて大きく展開したい、複数媒体をまとめて回したい、という場合は、広告・プロモーションを支援する会社や代理店に相談したほうが合っています。そこは正直にお伝えします。
一方で、ENVY DESIGNはKUROCOという形で、広告代理店や制作会社からの外注・下請けもお請けしています。エンドのお客様から直接いただく制作と、代理店からいただく制作の、両方の立場を経験してきました。だからこそ、どちらが良い悪いではなく、役割が違うのだと考えています。サイトそのものの質を高めたい、公開後も育てていきたい、という場合に、力を発揮できます。
まとめ
制作会社と広告代理店の違いは、「サイトの設計・制作を主軸とするか、広告や販促を軸に複数の施策を総合的に担うか」に集約されます。サイトの質を重視し、作り手と直接やり取りしたいなら制作会社、広告まで含めてまとめて任せたいなら広告代理店、が大まかな目安です。
代理店経由で制作会社が下請けに入る構造はありますが、それが損だとは限りません。代理店が担う交渉や進行管理には、相応の価値があります。実際、制作会社と代理店は対立するものではなく、役割を分けて協業していることも多いのです。
大切なのは、どちらが得かではなく、自社が何を任せたいのかを決めることです。サイトを作りたいのか、広告まで含めて任せたいのか。そこが決まれば、どちらの窓口から入るべきかは自然と見えてきます。発注先の考え方は、制作会社とマーケティング会社の違いもあわせて参考にしてください。
よくある質問
広告代理店にホームページ制作を頼むと、割高になりますか?
料金体系は会社によって異なりますが、制作費に加えて、進行管理や広告運用の費用が加わる場合があり、その分、費用が高くなることはあります。ただし、代理店は複数の関係者をまとめ、広告まで含めた全体を設計する役割を担っています。その働きが必要かどうかで判断するのがよいです。
代理店に頼むと、実際に作るのは誰ですか?
代理店が自社で制作する場合もあれば、外部の制作会社へ委託する場合もあります。誰が実制作を担うのかは、依頼前に確認しておくと安心です。
制作会社に広告運用も頼めますか?
会社によります。広告運用まで対応する制作会社もありますが、対応していない会社もあります。ENVY DESIGNは制作を本業としており、リスティング広告などの運用は行っていません。
制作会社と広告代理店、両方に頼むことはできますか?
できます。サイト制作は制作会社に、広告運用は代理店に、と役割で分けて依頼する形もあります。窓口が増える分、社内での調整は必要になります。
ENVY DESIGNは代理店からの依頼も受けていますか?
はい。KUROCOという外注・下請け向けのサービスを通じて、広告代理店や制作会社からの制作もお請けしています。協業実績は14年で50社以上になります。デザインのみ、コーディングのみといった分業でのご依頼にも対応しています。
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