制作会社とマーケティング会社の違い|どちらに頼むべきか
この記事の結論
ホームページの発注先として、制作会社とマーケティング会社のどちらに頼むべきか迷う場合は、まず「いま必要なのは作ることか、伸ばすことか」で考えると整理しやすくなります。
サイトを新しく作る、または作り直す段階なら制作会社。すでにサイトがあり、流入や問い合わせを増やしたい段階なら、マーケティング会社が候補になります。
ただし、これは絶対的な線引きではありません。マーケティングにも対応する制作会社もあれば、制作を得意とするマーケティング会社もあり、両者の境界は会社ごとに重なっています。どちらが優れているという話ではなく、自社の状況に合うのはどちらかを判断する材料として、以下で公平に整理します。
また、マーケティング会社といっても、広告運用、SEO、SNS、CRM、CVR改善など、得意領域は会社ごとに大きく違います。制作会社とマーケティング会社の違いを見るときは、会社名の分類だけでなく、実際にどこまで対応しているかを見ることが大切です。
背景として、総務省の令和6年通信利用動向調査(企業編)では、自社ホームページを開設している企業の割合は93.2%とされています(調査対象は常用雇用者100人以上の企業)。多くの企業ですでにサイトはある前提になりつつあり、「作る」だけでなく「伸ばす」段階をどう考えるかが問われやすくなってきた、という流れがあります。
そもそも何が違うのか——主軸の置きどころ
一番の違いは、どこに主軸を置いているかです。制作会社は名前のとおり、サイトの設計・デザイン・コーディングといった「作ること」を主軸にしています。一方でマーケティング会社は、集客やコンバージョン(問い合わせ・購入などの成果)といった「伸ばすこと」を主軸にしていることが多い印象です。
制作会社の主軸は「作ること」
制作会社は、サイトの構造をどう設計するか、どんなデザインにするか、それをどう実装するか、という部分に強みがあります。自社で手を動かして制作まで仕上げることが多く、成果物としてのサイトの完成度や品質に責任を持ちます。
マーケティング会社の主軸は「伸ばすこと」
マーケティング会社は、作ったサイトにどう人を集め、どうやって成果につなげるか、という部分に強みがあります。会社によっては自社で制作まで手を動かさず、戦略やディレクションを主軸に、制作は外部と組んで進める場合もあります。SEOや広告、コンバージョンまでの導線づくりを得意とすることが多いです。
比較表で整理すると
| 観点 | 制作会社 | マーケティング会社 |
|---|---|---|
| 主軸・得意領域 | サイトの設計・デザイン・コーディング(作ること) | 集客・コンバージョン改善(伸ばすこと) |
| 手の動かし方 | 自社で制作まで手を動かすことが多い | 戦略・ディレクション主軸、制作は外部と組む場合もある |
| KPI・責任範囲 | 成果物(サイトの完成度・品質) | 流入・CVなど成果指標の改善支援 |
| 得意なフェーズ | これから作る・作り直す段階 | 作った後に伸ばす段階 |
| 導線・戦略設計 | サイト単体の使いやすさ設計が中心 | 集客からCVまでの導線全体の設計が強い |
| 費用感 | 見積もりが読み取りやすい傾向 | 運用・改善が続き、月額で積み上がりやすい傾向 |
この表はあくまで傾向であって、すべての会社に当てはまるわけではありません。実際には両方の性格を併せ持つ会社も多いので、依頼前に「どこまで対応してもらえるのか」を確認することをおすすめします。
制作会社に依頼するメリット
制作会社に依頼するメリットは、見た目のデザインだけでなく、サイト構造、ページ設計、CMSの使いやすさ、表示速度、スマートフォンでの見やすさなど、サイトそのものの土台を整えやすい点です。
- サイトの設計・デザイン・コーディングの品質が安定しやすい
- 自社で制作まで手を動かすため、細かな調整に対応しやすい傾向がある
- 成果物が明確なので、見積もりの内容が読み取りやすい傾向がある
制作会社に依頼するときの注意点
- 集客やコンバージョン改善までは対応範囲外のことがある
- 公開後の運用・改善を続ける体制は、会社によって差がある
- 「作ること」が主軸のため、成果指標(流入・CV)への踏み込みは会社ごとに違う
マーケティング会社に依頼するメリット
- 集客からコンバージョンまでの導線全体を設計するのが得意な傾向がある
- データ分析にもとづく改善(PDCA)を回すことに慣れている場合が多い
- 流入やCVなど、成果指標に踏み込んで責任を持つ会社もある
マーケティング会社に依頼するときの注意点
- 制作を外部と組む場合、サイトそのものの品質は会社ごとに読み取りにくいことがある
- 継続的な運用や改善を含むため、月額費用として積み上がりやすい傾向がある
- サイトを新しく作る・作り直すこと自体は、別途、制作の体制が必要になる場合がある
費用の考え方の違い——一度作る費用と、続けて伸ばす費用
費用の出方も、両者で性格が異なります。制作会社は「作る」ことに対する費用が中心なので、見積もりが一度きりで読み取りやすい傾向があります。一方でマーケティング会社は、運用や改善が続くため、月額での継続費用になることが多く、総額が読みにくく感じられることがあります。
どちらが高い・安いという単純な話ではなく、「一度作る費用」と「続けて伸ばす費用」という、費用の性質そのものが違うと考えると整理しやすくなります。予算を検討するときは、初期費用だけでなく、公開後にどれくらいの費用が続くのかまで含めて比べることをおすすめします。制作費そのものの目安はホームページ制作の料金でも確認できます。
「制作もマーケも対応します」という会社をどう見るか
最近は、制作もマーケティングも両方対応します、と掲げる会社が増えています。ワンストップで頼めるのは便利ですが、実際にどちらにどれだけ強いかは会社ごとに差があります。「両方できます」という言葉だけで判断せず、どちらを主軸にしてきた会社なのかを実績で確かめるのが確実です。
制作を主軸にマーケティングへ広げてきた会社と、マーケティングを主軸に制作へ広げてきた会社とでは、同じワンストップでも中身の重心が違うと考えられます。
制作会社でも、マーケティング会社でも確認すべきこと
制作会社に依頼する場合でも、マーケティング会社に依頼する場合でも、会社の分類だけで判断するのではなく、実際の対応範囲を確認することが大切です。特に、次のような点を事前に確認しておくと、依頼後のずれを防ぎやすくなります。
- 誰が実際に手を動かすのか
- サイト制作は自社で対応するのか、外部パートナーと進めるのか
- 公開後の改善まで含まれるのか
- SEOや広告の対応範囲はどこまでか
- 流入やCVのレポートはあるのか
- 制作後に自社で更新しやすい設計になっているか
「制作会社だから作るだけ」「マーケティング会社だから成果まで見てくれる」と決めつけず、自社が求めている範囲と、相手が実際に対応できる範囲を照らし合わせることが重要です。
どちらに頼むべきか——判断のための5つの質問
1. いまの課題は「作ること」か「伸ばすこと」か?
これから作る、または作り直す段階なら制作会社が向いていることが多いです。すでにサイトはあって、そこから成果を伸ばしたい段階なら、マーケティング会社が候補になります。
2. サイトはこれから作る段階か、すでにある段階か?
土台となるサイトがまだない場合は、まず作ることが先になります。しっかりしたものを作るという面では制作会社が向いています。具体的な進め方は制作の流れも参考になります。作った先で成果を伸ばす話は、その次の段階です。
3. 成果指標(流入・CV)まで踏み込みたいか?
問い合わせや売上といった成果まで一緒に追いたいなら、マーケティング会社の関与が生きます。サイトの完成がゴールであれば、制作会社で足りることが多いです。
4. 予算はどれくらいか?
マーケティング会社は継続的な運用や改善を含むため、月額費用として積み上がりやすい傾向があります。予算の上限がはっきりしている場合は、範囲と費用の対応関係を早めに確認しておくと安心です。あわせてホームページ制作の相場を把握しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
5. 社内に運用体制はあるか?
公開後に自社で更新や改善を回せる体制があるかどうかでも、必要な依頼先は変わります。体制が薄いほど、伴走してくれる相手の価値が上がる傾向があります。
【観測】現場で見たマーケティング会社の2タイプ
マーケティング会社と一口に言っても、実際に一緒に案件を進めてみると、見ている範囲がかなり違うと感じることがあります。ここは私自身が現場で見てきた範囲の話です。
一方には、サイト全体を俯瞰して、成果につながる施策を設計してくれる会社があります。もう一方には、ボタンの位置やサイズといった細部の修正が中心になる会社もありました。どちらが良い・悪いという話ではなく、同じ看板でも守備範囲と深さが会社ごとに違う、ということです。
だからこそ、依頼前に「どこまで見てくれるのか」「サイト全体の設計から入るのか、部分的な改善が中心か」を確認しておくと、期待とのずれを防ぎやすくなります。
たとえば「うちのサイトで成果が出ていないのですが、どこから見ますか?」と最初に聞いてみると、その会社の守備範囲が見えやすくなります。全体の導線や設計から話が始まる会社もあれば、まず個別のページ改善から入る会社もあります。どちらが自社の課題に合うかは、この最初の反応から判断できることが多いと感じています。
ENVY DESIGNはどちらか——作って終わりにしない制作会社
ここまで公平に整理してきましたが、ENVY DESIGNの立場も正直にお伝えします。ENVY DESIGNは、制作を14年、SEO・コンテンツ運用などのマーケティング領域にも10年ほど取り組んできました。主軸はあくまで「作ること」ですが、作って終わりにするのではなく、その成果まで見据えたサイト作りを目標にしています。
【自社データ】ENVY DESIGNの自社サイトでは、現在300ページを超えるコンテンツを運用しています(年内に400ページ超を予定)。これは単に記事数を増やすためではなく、発注前のお客様が判断に迷いやすいテーマを一つずつ整理し、公式サイト全体を知識ベースとして育ててきた結果です。
どう書けばAI検索にも人にも見つけてもらえるかを、自社サイトで試しながら積み上げてきました。制作会社でありながら、作った後にどう伸びるかまで自分たちで検証している、という点が私たちの立ち位置です。
「まず作る」も「その先の成果」も一つの窓口で相談したい、という中小企業には、こうした制作会社の関わり方が合うことがあります。発注先そのものの選び方については、制作会社の選び方もあわせて参考にしてください。
まとめ
制作会社とマーケティング会社の違いは、「作ること」を主軸に置くか、「伸ばすこと」を主軸に置くか、という点に集約されます。これから作る段階なら制作会社、作った先の成果を伸ばす段階ならマーケティング会社、というのが大まかな目安です。
ただし両者の境界は会社ごとに重なっており、はっきり分かれているわけではありません。自社の課題が「作る」側にあるのか「伸ばす」側にあるのかを整理したうえで、対応範囲と費用を確認しながら選ぶのがよいと考えられます。発注先を広く比べたい場合は、フリーランスと制作会社の違いも判断材料になります。
制作会社に相談するとどのように進むのかは、ヒアリング・無料相談から始まる制作の流れで説明しています。
よくある質問
制作会社にSEOや集客まで頼めますか?
会社によります。制作が主軸でも、SEOやコンテンツ運用に対応する制作会社もあります。ENVY DESIGNもその一つです。依頼前に、どこまで対応してもらえるかを確認するのが確実です。
マーケティング会社に依頼すると費用は高くなりますか?
高くなりがちな傾向はあります。運用や改善が継続する性質上、月額での関与になることが多いためです。ただし成果まで踏み込む分の費用でもあるので、範囲と費用の対応を見て判断するとよいと思います。
まず制作会社に頼んで、あとからマーケティング会社に頼む順番でもいいですか?
問題ありません。むしろ、しっかりしたサイトを作ってから成果を伸ばす、という順番は自然です。ただし後から連携しやすいよう、サイトの構造やデータの取り方を最初から整えておくと、あとの施策が進めやすくなります。
制作会社とマーケティング会社の両方に頼む必要がありますか?
必ずしも両方に頼む必要はありません。課題が「作る」側だけなら制作会社で足りますし、両方をまとめて相談したい場合は、マーケティング的な対応もできる制作会社という選択肢もあります。
ENVY DESIGNはマーケティングにも対応していますか?
対応しています。主軸は制作ですが、SEOやコンテンツ運用といったマーケティング的な対応も10年ほど続けてきました。作ったサイトを成果につなげるところまで見据えて関わっています。
出典
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