エージェンティック・エンジニアリングとは?
要約
エージェンティック・エンジニアリングとは、AIエージェントにコードの生成やテスト、修正などの作業を任せながら、人間の開発者がその過程と成果物を監督・検証する開発の進め方です。2026年2月にAndrej Karpathy氏が、生成されたコードを細かく確認しないバイブコーディングと区別する呼び方として挙げました。AIに書かせても、人間が成果物を検証し、品質に責任を持つ点が中心にあります。
さらに詳しい内容をご覧になりたい方は下記も併せてお読みください。
エージェンティック・エンジニアリングとは、AIエージェントにコードの生成やテスト、修正などの作業を任せながら、人間の開発者がその過程と成果物を監督・検証する開発の進め方です。2026年2月にAndrej Karpathy氏が、バイブコーディングと区別する呼び方として挙げました。
言葉は2つの部分でできています。「エージェンティック」は、コードの生成やテストなどの作業をAIエージェントに任せ、人間がその出力を監督・検証しながら進めることを表しています。「エンジニアリング」には、コードの品質を損なわずにAIエージェントを使うためには、設計や検証に関する専門性が必要である、という意味が込められています。
エージェンティック・エンジニアリングとは何か、もう少し詳しく
AIエージェントとは、与えられた目的に対して作業を分解し、必要なツールや情報を使いながら、複数の工程を進めるAIのことです。エージェンティック・エンジニアリングでは、このエージェントに、コードを書く、テストを走らせる、エラーを読んで直す、といった一連の作業を任せます。
ただし、任せきりにはしません。エージェントが作業を繰り返すあいだ、人間は方針を与え、途中経過や生成されたコードを確認し、必要に応じて修正を指示します。このように、人間を工程から外さないことが重要な前提だと、IBMの解説でも整理されています。
Karpathy氏は2026年2月の投稿で、AIエージェントを使った開発が専門家の標準的な進め方になりつつある一方、より多くの監督と精査を伴うべきであり、ソフトウェアの品質に妥協せずにその利点を得ることが目的だ、という趣旨を述べています。
Karpathy氏はその後、2026年4月の対談を自身がまとめた記事で、両者をこう対比しています。バイブコーディングは「床」を上げるもので、作りたいものを説明するだけでほぼ誰でもソフトウェアを作れるようにする。エージェンティック・エンジニアリングは「天井」を上げるもので、誤りうるエージェントを統率しながら正しさを保つ専門的な規律である、という整理です。両者は、AIを使う点では共通していますが、想定する目的と品質管理の前提が異なります。
バイブコーディングとの違い
バイブコーディングは、生成されたコードの中身を細かく確認せず、AIとのやり取りを重ねながら開発を進めるスタイルです。エージェンティック・エンジニアリングもAIにコードを書かせますが、人間が構造や品質を確認し、完成したソフトウェアに責任を持ち続けます。
AIを使うかどうかではなく、誰が中身を確認し、品質に責任を持つのかが分かれ目です。試作や個人利用のツールにはバイブコーディングが向く場合がありますが、公開後も長く運用するソフトウェアでは、人間による監督と検証が欠かせません。
実務で何が変わるか
AIエージェントに任せる候補となるのは、人間が行うと時間がかかる一方、経験のある開発者が確認すれば比較的リスクを抑えやすい作業です。
- 既存コードの整理やリファクタリング
- 定型的なコードやテストの生成
- コードレビューの補助
- ドキュメントの下書き
- APIのひな型作成
一方、出力を判断できる人がいないままエージェントに作業を任せると、役に立たないコードや既存の動作を壊すコードが蓄積する可能性があります。その結果、後からコードを読み直し、修正する手間が増え、技術的負債につながることもあります。
作業が速くなるかどうかは、AIエージェントの性能だけでなく、作業を分け、出力を確認する側の力量にも左右されます。
ENVY DESIGNの視点
私たちがこの言葉に注目しているのは、Web制作の現場にも同じ構図があるからです。AIにコードを書かせても、構造や動作を確認し、公開後の品質に責任を持つのは人間です。この考え方は、公開後のサイトを保守する制作会社の立ち位置とも重なります。
ENVY DESIGNでは、新規制作やリニューアルにおいて、生成されたコードの中身を確認せずに納品することはありません。一方、AIを道具として活用すること自体を避けているわけでもありません。重要なのは、AIを使ったかどうかではなく、誰が成果物を検証し、公開後の品質に責任を持つのかだと考えています。
AIで作られたサイトについても、現在の状態を確認したうえで、不具合の修正、改修、デザインの見直し、コーディングなどに対応しています。今後は、AIで作られたサイトを、制作会社がAIも活用しながら改善するサービスの提供を予定しています。
よくある質問
エージェンティック・エンジニアリングとバイブコーディングは、どちらが優れていますか?
一律にどちらが優れているとはいえず、目的と求める品質が異なります。試作や個人利用のツールでは、素早く形にできるバイブコーディングが向く場合があります。一方、不特定多数が利用し、公開後も長く運用するソフトウェアでは、人間がコードを検証し、品質に責任を持つ進め方が必要です。
専門知識がなくてもエージェンティック・エンジニアリングはできますか?
AIエージェントに作業を依頼すること自体は、専門知識がなくてもできます。ただし、エージェンティック・エンジニアリングでは、生成されたコードを検証し、構造や品質を判断する力が前提になります。専門知識がなければ、動いているように見えても問題のあるコードを見抜けない可能性があります。
Web制作にも関係がありますか?
関係があります。Webサイトも公開後に長く使われるソフトウェアであり、誰がコードを確認し、公開後の品質に責任を持つのかという問題は同じように生じます。ENVY DESIGNでは、AIで作られたサイトについても、状態を確認したうえで不具合の修正や改修に対応しています。
関連用語
AIで作られたサイトについて、「どこまで直せるのかわからない」という段階でも構いません。現在の状況のままご相談いただけます。