RAGとは?
要約
RAG(ラグ)とは、生成AIが回答を作る際に、外部の情報源を検索して関連情報を取り込み、それをもとに回答を生成する仕組みのことです。日本語では「検索拡張生成」と訳されます。回答の生成前に外部のデータベースやWebから関連情報を検索し、その内容を踏まえて回答します。ChatGPTやPerplexity、AI OverviewsがWeb情報を参照して回答する背景にある考え方です。
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RAG(ラグ/Retrieval-Augmented Generation)とは、生成AIが回答を作る際に、外部の情報源を検索して関連する情報を取り込み、それをもとに回答を生成する仕組みのことです。日本語では「検索拡張生成」と訳されます。生成AIは本来、学習した時点までの知識をもとに回答しますが、RAGを用いると、回答の生成前に外部のデータベースやWebから関連情報を検索(Retrieval)し、その内容を踏まえて回答を生成(Generation)します。ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewsなどでは、Web情報を参照して回答を生成する際に、RAGに近い考え方が採用されていると考えられています。
RAGの仕組み
RAGは、大きく分けて「検索(Retrieval)」と「生成(Generation)」の二つの段階で動作します。一般的な流れは、次のようになります。
- 検索(Retrieval):利用者の質問を受け取り、外部のデータベースやWebから、関連性の高い情報を検索して取得する
- 拡張(Augmentation):取得した情報を、質問とあわせてAIへの入力(プロンプト)に組み込む
- 生成(Generation):質問と取得情報の両方をもとに、AIが回答を生成する
この仕組みの背景には、ベクトル検索と呼ばれる技術がよく使われます。埋め込み(embedding)とは、文章の意味を数値として表現したデータです。文章を埋め込みに変換することで、意味的に近い情報を探せるようになります。キーワードの一致だけでなく、意味の近さで関連情報を見つけられる点が、従来の検索との違いです。検索対象となる文書は、あらかじめ適度な長さの小さな単位(チャンク)に分割され、それぞれが埋め込み(ベクトル)に変換されて保存されることが一般的です。
なぜRAGが使われるのか
生成AIには、学習した時点以降の新しい情報を持っていない、事実と異なる内容を作り出してしまう(ハルシネーション)といった課題があります。RAGは、回答の生成前に最新かつ関連性の高い情報を取り込むことで、これらの課題を軽減することを目的としています。
具体的には、次のような利点があると考えられています。
- 最新情報への対応:学習時点以降の情報も、外部から取得して回答に反映できる
- 根拠の提示:どの情報源を参照したかを示しやすく、出典のあるかたちで回答できる
- 専門領域への適応:特定の文書群を検索対象にすることで、専門的な内容にも対応しやすい
- 独自情報の活用:社内マニュアルや製品情報など、学習データに含まれない情報も回答に利用できる
AI検索とRAG
ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewsなどが、Web上の情報を参照しながら回答し、参照元を示すことがあるのは、RAGの考え方が背景にあると考えられています。AIは、多くの場合、質問に応じてWeb情報や各種データソースから関連情報を取得し、それらをもとに回答を組み立てていると考えられています。
この観点からは、自社の情報が、AIの検索段階で「関連性が高い情報」として見つけられ、取得されるかどうかが、AI検索で参照されるための一つのポイントになると考えられます。内容が分かりやすく整理され、質問との関連性を判断しやすい形になっていることが、検索段階で取得されやすさにつながる可能性があります。
ENVY DESIGNの視点と観察
ENVY DESIGNでは、ChatGPTやPerplexity、Google AI Overviewsなどを継続的に観察するなかで、自社サイトの情報が参照・引用されるケースを確認しています。AIが回答を生成する際にRAGに近い考え方を取り入れているのであれば、まず自社の情報が検索段階で関連情報として取得されることが、参照されるための前提になると考えられます。
その観察を踏まえて意識しているのは、質問と答えが明確で、一次情報や具体的な内容を含み、機械が理解しやすい形に整えられたページをつくることです。RAGそのものを最適化することはできませんが、AIが検索・取得しやすい情報を地道に整えていくことが、AI検索への対応の土台になると考えています。
よくある誤解と関連用語
RAGについて、「AIが賢くなる仕組み」とまとめて理解されることがありますが、より正確には、AIそのものの能力を変えるのではなく、回答の前に外部情報を取り込むことで、回答の正確さや最新性を補う仕組みです。AIの内部の知識を書き換えるわけではなく、外部から情報を補って回答する、という点が特徴です。
この概念の初出は、Lewisらによる2020年の原論文(arXiv)です。
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