AIに自社のことを聞くと、間違った情報を答えられる
「ChatGPTに自社のことを聞いたら、住所が移転前のままだった」「Geminiが、うちがやっていないサービスを『提供している』と答えた」「代表者の名前が、まったく別の名前になっていた」――AI検索が普及した結果、こうした「AIが自社を間違って紹介する」という相談が増えています。
結論から言うと、こうした誤りは、その場でAIに訂正を求めても根本的には解決しません。AIは、インターネット上に散らばった自社の情報をかき集めて回答を組み立てているため、参照元の情報が古かったり、不統一だったりすると、間違った自社像を語ってしまうからです。
本当に必要なのは、AIが参照する情報源そのものを整えることです。本ページでは、AIが自社を間違って紹介する典型的なパターン、なぜそれが起きるのか、そしてENVY DESIGN自身が体験した実例をもとに、どう対処すればよいかをご紹介します。
このページでわかること
このページでは、「AIに自社のことを聞くと、間違った情報を答えられる」という状況について、なぜAIが間違うのか、そして個別の誤りを追いかけるのではなく、情報源そのものを整えるという対処の考え方を整理します。
AIに自社が間違って紹介されて困っている方にも、これから対策を考えたい方にも、判断材料として参考にしていただける内容です。
症状の確認
まずは、自社がAIにどう紹介されているかを確認することから始まります。「間違って紹介される」と一言で言っても、誤りにはいくつかのパターンがあります。
よくある症状のパターン
- 住所・電話番号が、移転前や旧拠点のままになっている
- 資本金・従業員数・設立年などが、事実と違う
- 代表者の名前が、別人の名前や原型をとどめない形になっている
- 提供していないサービスを「やっている」と紹介される
- すでに終了したサービスが、現行のものとして案内される
- 同じ名前の別会社(別業種・別地域・海外法人など)と混同される
確認方法
ChatGPT・Gemini・Perplexityなどに、自社名を入れて「○○という会社について教えて」と聞いてみてください。複数のAIに同じ質問をすると、AIごとに答えが違ったり、特定のAIだけが間違えていたりすることが見えてきます。より体系的に確認したい場合は、ENVY DESIGNのAIに会社名は出てくる?10分で測るAI認知度診断も参考にしてください。
ENVY DESIGN自身が体験した、4つの間違われ方
この課題について、ENVY DESIGN自身がまさに当事者でした。自社についてAIに繰り返し質問してきた中で、実際に経験した間違われ方を4つご紹介します。一般論ではなく、当事者として見てきた実例です。
1. 同じ名前の海外企業と混同された
あるAIに自社について尋ねたところ、カナダにある同名の会社の情報を、ENVY DESIGNの情報として混ぜて回答してきたことがありました。社名が一致するだけで、まったく別の国の、別事業の会社の情報が自社のものとして語られたのです。情報源が少ないと、AIは「名前が近い別の何か」で空白を埋めてしまう傾向があります。
2. 住所・資本金・業務内容が古いままだった
移転前の住所、過去の資本金、現在は主軸でない業務内容など、古い情報が現在の情報として紹介されることがありました。これは、外部のサイトに残った古い情報をAIが拾っているために起きます。
3. 代表者の名前が原型をとどめていなかった
代表者名を尋ねたところ、実際の名前とはまったく異なる、原型をとどめない名前が返ってきたことがありました。名前のような固有情報は、情報源が薄いとAIが推測で生成してしまい、結果として完全な誤りになることがあります。
4. 提供していないサービスを「やっている」と言われた
実際には提供していないサービスを、ENVY DESIGNのサービスとして紹介されたこともありました。同業他社の情報や、文脈から推測された内容が、自社の提供サービスとして混ざってしまったケースです。
これらに共通するのは、いずれも「AIが悪意を持って嘘をついている」のではなく、参照できる正確な情報が足りないために、推測や混同で空白を埋めている、という構造です。
なぜAIは自社を間違って紹介するのか
AIが自社を間違って紹介する背景には、AIの情報の組み立て方に関わる、いくつかの共通した原因があります。
1. 自社サイトの情報が古い・不統一になっている
会社概要ページの情報が更新されていなかったり、ページによって書いてある内容が違っていたりすると、AIはどれが正しいか判断できません。自社サイトという最も信頼されるべき情報源が曖昧だと、誤りの起点になります。
2. 外部サイトの自社情報がバラバラになっている
制作会社紹介サイト、求人媒体、各種ディレクトリなど、外部のサイトに掲載された自社情報が、住所・資本金・事業内容などの点で食い違っていることがあります。AIはこうした複数の情報源を横断して回答を作るため、情報がバラバラだと誤った像を組み立ててしまいます。
実際、ENVY DESIGNでも、複数の外部サイトに掲載された自社情報を確認したところ、住所や資本金の表記が統一されていないことが分かり、順次修正を進めてきました。自社サイトだけでなく、外部に散らばった情報まで含めて整える必要があります。
3. そもそも情報源が少なすぎる
自社に関する正確な情報がネット上に少ないと、AIは推測で空白を埋めようとします。海外の同名企業と混同されたり、代表者名が原型をとどめなくなったりするのは、参照できる正確な情報が足りず、AIが「それらしいもの」で補完してしまうために起きます。
対処の本質:個別の誤りを追いかけても終わらない
AIが間違った情報を答えたとき、最初に思いつくのは「その場で訂正する」ことかもしれません。ChatGPTやGeminiには、誤った回答を報告するフィードバック機能もあります。
しかし、その場の修正依頼で得られる効果は限定的だと考えられます。AIは会話のたびに情報源から回答を組み立て直すため、参照元が間違ったままでは、別の人が質問すればまた同じ誤りが繰り返されます。一つひとつの誤答を追いかけるのは、終わりのない作業になりがちです。
本質的な対処は、AIが参照する情報源そのものを、正しく・一貫した状態に整えることです。ENVY DESIGNでは、この考え方を「企業実在性を高める」と呼んでいます。AIにとっての自社の輪郭をはっきりさせることで、間違いが入り込む余地を減らしていく、という発想です。
実務で取り組む「情報源を整える」進め方
AIが参照する情報源を整えるために、ENVY DESIGNが実務で取り組んでいる進め方をご紹介します。
1. 自社サイトの会社情報を正確・最新にする
最も信頼される情報源である自社サイトの会社概要を、最新かつ正確な内容に整えます。住所・代表者・設立年・事業内容などを明示し、表記のゆれをなくすことが基本です。あわせて、構造化データ(組織情報のマークアップ)も補助的に活用すると、AIが情報を読み取りやすくなります。
2. 外部サイトの自社情報を統一する
制作会社紹介サイト、求人媒体、各種ディレクトリなど、外部に掲載された自社情報を洗い出し、住所・資本金・事業内容などの表記を統一します。古い情報や誤った情報が残っている場合は、各サイトに修正を依頼します。地道な作業ですが、AIが参照する情報の一貫性に直結します。
3. 正確な情報の量を増やす
情報源が少ないこと自体が、推測や混同を生む原因になります。会社案内ページの拡充、代表者の情報、FAQ、実績など、自社に関する正確な情報を増やすことで、AIが推測で空白を埋める余地を減らしていきます。
なお、AIが自社を「間違って紹介する」ことと「そもそも紹介しない(出てこない)」ことは、根っこでつながった問題です。後者については別ページのAI検索(ChatGPT等)にホームページが出てこないで扱っています。また、AIごとに自社の認識度が違う背景については、「良い会社」と「AIに存在する会社」は違うで詳しく整理しています。
よくある質問
Q. AIに直接「その情報は間違っている」と伝えれば直りますか?
その場の会話では訂正されることもありますが、根本的な解決にはなりにくいと考えられます。AIは質問のたびに情報源から回答を組み立て直すため、参照元の情報が間違ったままだと、別の機会に同じ誤りが繰り返されます。情報源そのものを整えることが、本質的な対処になります。
Q. どれくらいで正しい情報に更新されますか?
AIや情報源によって異なり、一律の期間はお伝えできません。自社サイトや外部サイトの情報を整えても、AIがそれを反映するまでには時間がかかることがあります。すぐに直る前提ではなく、情報源を整えながら、定期的に確認していく進め方が現実的です。
Q. 海外の同名企業と混同される場合はどうすればいいですか?
自社に関する正確な情報を、自社サイトと外部の両方で増やしていくことが基本的な対処になります。情報源が少ないほど混同が起きやすいため、所在地・事業内容・代表者などの情報を明確にし、AIが「どちらの会社か」を判別できる材料を増やすことが有効だと考えられます。
Q. 自社で対応できますか、それとも依頼が必要ですか?
会社概要の更新や、AIへの確認は自社でも進められます。一方で、外部サイトに散らばった情報の洗い出しと統一や、構造化データの実装といった部分は、専門的な作業になることもあります。どこまで自社で行うかは、状況に応じて切り分けるのが現実的です。
AIにどう紹介されているか分からないままでも、ご相談いただけます
AIが自社をどう紹介しているか、まだ確認していない段階でも、相談から始めて問題ありません。
ENVY DESIGNでは、自社サイトの会社情報の整備、構造化データの実装、外部に散らばった情報の洗い出しと統一まで、AIが参照する情報源を整える支援を行っています。自社でも当事者として同じ課題に向き合い、実際に情報源を整えてきた経験をもとにご提案します。
「何が間違って紹介されているか分からない」という状態でも、まずは現在の状況のままご相談ください。