ホームページにアクセスはあるのに問い合わせが来ない|訪問者のずれか、導線の問題か
アクセス解析を見ると、訪問者は毎月それなりにいる。それなのに、問い合わせフォームからの連絡はほとんど来ない。「アクセスはあるのに、なぜ問い合わせにつながらないのか」という相談は、公開から時間が経ったサイトでもよくあります。
先にお伝えします。
アクセスはあるのに問い合わせが来ない場合、原因は大きく「来ている人が、問い合わせる人ではない」か「問い合わせる可能性のある人が、行動できていない」かの2つに分けて考えられます。
前者は訪問者とページのずれ、後者はページや導線の問題です。
この2つでは打ち手がまったく違います。まず、どちらで止まっているのかを見分ける必要があります。
このページでは、この2つを見分ける方法、それぞれの原因と改善の進め方、そして私たちENVY DESIGN自身が「アクセスは多いのに問い合わせにならないページ」を抱えていた経験を、一例としてお伝えします。
このページでわかること
- 「集客できない」と「アクセスはあるのに問い合わせが来ない」の違い
- 訪問者がずれているのか、導線に問題があるのかを見分ける方法
- それぞれの場合の、よくある原因と改善の順番
- 制作会社に相談するときに、何を渡せばよいか
問い合わせが来ない原因は、アクセスの「数」ではなく「誰が来ているか」にあることがあります
「アクセスはある」という状態は、それ自体は悪い状態ではありません。
検索やSNSなどからサイトに人が来ているのであれば、「そもそも見てもらえない」という段階は越えています。
ただし、アクセス数から分かるのは、基本的には「どのくらい訪問されたか」です。
その人たちが、
- 自社のサービスを検討している人なのか
- 調べものをしている人なのか
- 同業者なのか
- 求人を探している人なのか
までは、サイト全体のアクセス数だけでは分かりません。
ホームページから問い合わせが発生するには、
サービスを探している人が来る
→ 必要な情報を見る
→ 相談してもよいと判断する
→ 問い合わせに進む
という流れが必要です。
アクセスがあるのに問い合わせが来ないなら、この流れのどこかが切れています。
大きく分けると、次の2つです。
- 来ている人が、そもそもサービスを探している人ではない
- サービスを探している人は来ているが、問い合わせまで進めていない
アクセス自体が少ない場合は、また別の問題です。そちらはホームページから問い合わせが来ないで扱っています。
アクセスはあるのに問い合わせが来ない代表的な原因
電話を問い合わせの入口にするかどうかも、導線の設計の一部です。BtoBサイト800件のトップページの調査では、電話番号を載せていても、問い合わせ用として設計していたサイトは4割弱でした。
1. アクセスを集めているページが、問い合わせにつながりにくいページである
よくあるのがこの型です。
ブログ記事、お役立ち情報、用語の解説ページなどが検索で上位に表示され、サイト全体のアクセスの大半をそこで稼いでいる。しかし、そのページを読みに来た人は「調べもの」をしているだけで、サービスを探しているわけではありません。
記事を読んで疑問が解決すれば、そのまま離れます。
この場合、サイト全体のアクセス数は好調に見えます。
しかし、サービスページや料金ページへの流入は少なく、問い合わせにはつながりません。
「どのページにアクセスがあるか」を見ずにサイト全体の数字だけを見ていると、この状態に気づきにくくなります。
2. 検索されている言葉と、提供しているサービスがずれている
アクセスを集めている検索語そのものが、提供サービスとずれている場合もあります。
たとえば、
- 法人向けサービスなのに、個人が調べる検索語からアクセスされている
- 地域限定のサービスなのに、対象地域外からのアクセスが多い
- 発注者ではなく、同業者や学習者が調べる言葉で上位表示されている
といった状態です。
検索順位が高く、アクセス数が多くても、来ている人がサービスの対象者でなければ問い合わせにはなりにくくなります。
アクセス数だけでなく、Search Consoleなどで「どんな検索語から来ているか」も確認する必要があります。
3. サービスページまで来ているのに、相談する判断材料が足りない
サービスページや料金ページにはアクセスがある。それなのに問い合わせに進んでいない。
この場合は、ページの内容や導線を確認します。
たとえば、
- 何の会社で、何ができるのかがすぐに分からない
- 誰を対象にしたサービスなのかが分からない
- 実績や事例が少なく、任せてよいか判断できない
- 料金の目安がなく、問い合わせる前に予算感を判断できない
- 制作や契約の流れが分からない
- 問い合わせボタンが見つけにくい
- 「お問い合わせ」としか書かれておらず、何を相談できるのか分からない
といった状態です。
この段階では、単にボタンを増やせばよいとは限りません。
問い合わせに進む前に必要な「判断材料」と「進み方」の両方が揃っているかを見る必要があります。
4. フォームに到達しているのに、送信されていない
問い合わせフォームまでは来ている。しかし送信されていない。
ここまで来ているなら、フォーム自体に改善余地がある可能性があります。
たとえば、
- 入力項目が多い
- 必須項目が多すぎる
- スマートフォンで入力しづらい
- 入力エラーの理由が分かりにくい
- 送信ボタンが分かりにくい
- 確認画面が多く、途中で離脱している
といった問題です。
フォーム到達数を計測している場合は、
サービスページ閲覧
→ フォーム到達
→ 送信完了
のどこで人数が減っているかを見ると、原因を絞り込みやすくなります。
ENVY DESIGNでは、技術ブログにアクセスが集まり、問い合わせにはつながらない時期がありました
ここからは、私たち自身の経験です。
一社の事例であり、母数の少ない一例として読んでください。
技術記事にアクセスが集まっていた
ENVY DESIGN自身も、上の「原因1」の状態にありました。
技術的な内容やエンジニア向けの記事が検索で読まれ、サイト全体のアクセスの中で大きな割合を占めていました。
アクセス数だけを見れば好調です。
しかし、読みに来ていたのは同業の制作者やエンジニアが中心で、ホームページ制作会社を探している方ではありませんでした。
そのため、アクセスはあっても問い合わせにはほとんどつながりませんでした。
ページ別に見ると、アクセスの多いページと問い合わせにつながるページは別だった
アクセスを「ページ別」「流入元別」に分けて見たことで、この状態に気づきました。
サイト全体の数字だけを見ている間は、
「アクセスはあるのに、問い合わせが来ない」
としか言えません。
しかしページ別に見ると、アクセスを集めているページと、サービスを検討する人が見るページはまったく別でした。
サイト全体のアクセス数だけでは、問い合わせにつながる流入が増えているかどうかは判断できません。
AI検索からの流入では、反対の傾向も見えました
反対の例もあります。
私たちのサイトでは、2026年春にGA4で計測したAI検索経由のアクセスを確認すると、複数AIサービスからの流入の約7割が料金ページに直接着地していました。
AI経由のアクセス数自体は、検索全体と比べればまだ小さなものでした。
しかし、サービスを検討している段階の人が、必要なページに直接来ているように見える流入でした。
このデータからも、アクセスの「数」と、問い合わせへの「近さ」は別に見る必要があると考えています。
技術記事をやめるのではなく、問い合わせにつながる入口を増やしました
技術記事をやめたわけではありません。
同業の方に読まれることにも、認知や紹介など別の意味があります。
一方で、ホームページ制作会社を探している方に向けて、
- サービスページ
- 料金ページ
- 制作事例
- 業種別ページ
- 課題別ページ
などを増やし、発注を検討している人が最初から着地できる入口を増やしました。
技術記事からサービスページへ無理に誘導するよりも、サービスを探している人に合った検索の入口を別に用意する方が自然だと考えています。
この施策については現在も測定を続けており、確定した結論ではありません。
訪問者のずれか、導線の問題かを見分ける方法
手順1:ページ別にアクセスを見る
最初に、サイト全体のアクセス数を見るのをやめます。
確認したいのは、「どのページに人が来ているか」です。
GA4などで、アクセス上位のページを確認してください。
そのうえで、上位ページを大きく2種類に分けます。
検討用のページ
- サービス
- 料金
- 制作事例
- 会社情報
- 業種別ページ
- 課題別ページ
調べもの用のページ
- ブログ
- 用語解説
- HowTo記事
- 技術記事
アクセス上位が調べもの用ページばかりで、サービスページへのアクセスが少ないなら、まず疑うのは訪問者のずれです。
反対に、サービスページや料金ページまでそれなりに見られているのに問い合わせがないなら、ページの内容や導線を確認します。
PV・セッション・クリックなど指標の違いはPV・セッション・クリック数の違いで整理しています。
手順2:どんな検索語から来ているかを見る
次に、Search Consoleなどで検索語を確認します。
見るポイントは、順位そのものよりも、「その言葉で検索する人は、自社の顧客になり得るか」です。
たとえばアクセスが多くても、
- 意味を調べる検索
- 学習目的の検索
- 同業者向けの検索
- サービス対象外の地域からの検索
が中心であれば、問い合わせにつながらないこと自体は不自然ではありません。
手順3:訪問者のずれなら、サービスを探している人の入口を増やす
訪問者のずれが原因なら、既存の調べもの用の記事を修正するだけでは問い合わせは増えにくいと考えられます。
その記事を読んでいる人は、そもそも発注を検討していない可能性があるからです。
この場合は、
- サービスページを「誰の、どんな課題を解決するか」で作る
- 業種別ページを作る
- 課題別ページを作る
- 地域性のあるサービスならエリア別ページを用意する
- 料金や制作内容を具体的にする
- 事例を増やす
など、サービスを探している人が直接着地できるページを増やす方向で考えます。
既存の記事には、関連するサービスページへの案内を自然な範囲で置けば十分です。
サービスを検討する人の入口として作った例に、AI火災防止システムのSpark Eyeのサービスサイト制作があります。現場の悩みから入り、比較表と導入事例で判断材料をそろえ、資料請求へつなぐ構成にしています。
手順4:導線の問題なら、離脱している場所から直す
サービスを検討している人が来ているのであれば、どこで止まっているかを見ます。
サービスページで離れているなら、内容や判断材料を確認します。
フォームに進んでいないなら、問い合わせへの案内やCTAを確認します。
フォームまで来て離れているなら、入力項目や使いやすさを確認します。
いきなりサイト全体を作り直す必要はありません。
離脱している場所を特定し、そこから改善する方が原因と結果を確認しやすくなります。
たとえば問い合わせボタンも、「お問い合わせ」だけではなく、
- 現在の状況のまま相談する
- 制作費の目安を聞く
- この内容で制作できるか相談する
など、押した後に何ができるのかが分かる表現をテストできます。
フォームの項目を減らす、料金ページに価格の目安を載せるなど、小さな変更から試して変化を見る方法もあります。
制作会社に相談するときは、ページ別のアクセスを渡してください
制作会社に「アクセスはあるのに問い合わせが来ません」とだけ伝えても、サイトを見ただけでは原因を判断できない場合があります。
できれば、GA4やSearch Consoleの情報も共有してください。
最初の確認で特に役立つのは、
- アクセス上位のページ
- サービスページ・料金ページのアクセス
- 問い合わせフォームの到達数
- 問い合わせ完了数
- アクセスを集めている検索語
です。
すべて揃っていなくても構いません。
少なくとも「アクセス上位のページ」と「問い合わせ完了数」が分かれば、最初の仮説は立てやすくなります。
サイトの効果をどう判定するかについてはホームページの効果が分からない、AI検索からの流入の確認方法についてはAI検索からの流入はGA4で確認できますか?で説明しています。
よくある質問
アクセスは月に数百あります。問い合わせが来ないのは少なすぎるからですか?
数だけでは判断できません。
サービスを探している人が数十人来ている場合と、調べものをしている人が数千人来ている場合では、問い合わせの発生しやすさは異なります。
まず、アクセスが集まっているページと検索語を確認してください。
ブログにアクセスが集まっています。ブログをやめた方がいいですか?
やめる必要はありません。
ブログに来ている人が今すぐ発注を検討していないだけで、認知や信頼、紹介など別の役割を持っている可能性があります。
ブログとは別に、サービスを探している人が着地するページを強化する方が、問い合わせにはつながりやすいと考えています。
サイト全体を作り直した方がいいですか?
多くの場合、その前に確認できることがあります。
訪問者のずれならサービスページや入口となるページの強化、導線の問題なら離脱箇所の修正から始められます。
全体の作り直しは、アクセスデータやサイト構造を確認したうえで、構造そのものに問題があると判断した場合の選択肢です。
問い合わせボタンを増やせば解決しますか?
導線の問題であれば改善する可能性があります。
ただし、訪問者のずれが原因の場合は、問い合わせボタンを増やしても、そのページを読んでいる人が発注を検討していなければ効果は限定的です。
先に原因を見分けることをおすすめします。
GA4の見方が分かりません。何を見ればいいですか?
最初は、次の2つから確認してください。
- どのページにアクセスが集まっているか
- 問い合わせ完了ページが何回表示されているか
さらにフォーム到達も計測できるのであれば、サービスページ → 問い合わせフォーム → 送信完了 の人数を比較すると、どこで離脱しているかが分かりやすくなります。
同業者がよく見ている気がします。問題ですか?
問い合わせにつながりにくいからといって、問題とは限りません。
専門的な記事が同業者に読まれることで、業界内での認知や紹介、協業につながる可能性もあります。
ただし、それを「アクセスが増えているから集客も順調」と同じ意味で捉えると、問い合わせにつながるページの改善が遅れます。
アクセスの数と、商談につながるアクセスは分けて見ることをおすすめします。
「アクセスはあるが、何を直せばいいか分からない」という段階でもご相談いただけます
GA4の画面を見ても、どのページに問題があるのか分からない。
そもそも訪問者がずれているのか、ページや導線に問題があるのかも判断できない。
そうした段階でも問題ありません。
ENVY DESIGNでは、現在のサイトとアクセス状況を確認し、まず「誰が来ているのか」「どこで止まっているのか」を整理するところから始めています。
最初からサイト全体の作り直しを前提にはしません。